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第一回イベント⑤

「ゲボォッ!?」

「グヘッ!?」

「ゴブウッ!?」


 遺跡を歩いていると、他の参加者がかなり居た。どうやらこの遺跡が混戦地帯の一つになってるようだった。

 僕はホクトを召喚本の中に戻し、ブラッドグリズリー戦で使った『毒酸魔法薬』を始めとする与ダメージ系の魔法薬(ポーション)や『蹴撃』『火魔法』等のスキルを使って何人かのプレイヤーを倒した。が、


「流石に数が多いかも・・・」


 遺跡内部に点在する像の陰に隠れながら思わず呟く。

 僕もLVは7とはいえ、そのステータスは生産系のものだ。サービス初日から前線で戦い続けている戦闘職には敵わないのだ。


「今の所、魔法薬のお陰で何とかなってる感じなんだよなぁ・・・」


 魔法薬は一応、この日の為にかなりの数は作ったけど、それでも無限にある訳ではない。

 動きのスピードや技のキレ、僕の攻撃を受けた時の体力の減り方から大体の相手のステータスは予測する事は出来るので、それに合わせて使ってはいるのだが・・・。


「ATK、AGI、DEF、HPの四つはやっぱり積極的に上げるよなぁ。僕みたいにあまり使い所のないINT、DEX、LUKを進んで上げる人は少ないだろうし」


 ステータスの値が僕より高い人が多いせいで、魔法薬の減りも早い。まだ毒や酸を使う魔物が少ないからか、それらの耐性系スキルを取ってる人が少ないのは幸運だが・・・。


「さて・・・。そろそろ魔法薬以外も使う時期かな?」


 僕はニヤリとしながら呟くと、インベントリから()()を取り出すと、片手で軽く弄ぶのだった。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





Side観戦者


 ステータス的に参加するのが厳しくて泣く泣くだったり、戦闘自体が苦手だったり、時間的に参加出来るのが無理だと諦めたりと、様々な理由で第一回イベントに参加しなかったプレイヤーはかなり居た。

 そんなプレイヤー達の一部は、町の広場の上空に投影されているモニターから、イベント専用の特殊フィールドを見ていた。


 そのモニターを見ていたプレイヤー達は最初は自分には出来そうもない『ザール』の戦いっぷりに驚いたり、イベント参加プレイヤーの珍行動に笑ったりして楽しんでいたが、あるモニターに映し出された光景を見て、固まってしまった。


「おいおい・・・何なんだよあの娘・・・」

「熊を召喚したよね?しかもかなりヤバメなのを、ね?」

「てか、あんなアイテム有ったっけ?毒ダメージと酸ダメージが両方入ってるぞ?」


 そのモニターに映っていたプレイヤーの名前(プレイヤーネーム)は『ルクス』。長い銀髪を翻してプレイヤーを魔法や近接戦闘系スキル、そしてどうやって手に入れたのか見当もつかないようなアイテムやスキルを使ってプレイヤーをどんどん薙ぎ倒していく()()()プレイヤーだった。

 そして、遺跡内の像の陰に隠れたルクスがインベントリから小石のような赤い水晶のカケラを取り出したのを見て、観戦していたプレイヤー達は「次は何をするのだろう」と、ドキドキワクワクしながら注目していると、

 ルクスはそれをプレイヤーが固まっていた地帯にポイッと投げた。そして・・・


ドオオオオンッ!!


 赤い水晶のカケラは、プレイヤー達を爆炎によって弾き飛ばした。


「「「「「えええぇぇぇぇっ!?」」」」」


 その光景を見てしまった観戦者達は驚愕の声を・・・いや、最早それは絶叫と言ってもいい程の音量だった。それこそ、町が揺れたと錯覚する程に。

 そんな驚きに満ち、混乱の真っ只中にいる観戦者達を置いて行くかのように、ルクスはモニター内で遺跡の中を駆け巡り、毒と酸のダメージを与える不思議な魔法薬や、爆発を巻き起こす水晶のカケラを用いてドンドン遺跡内のプレイヤーを蹴散らす。そんな中、


「あ、さっきの爆発で『ザール』が死んでる」


 イベント優勝の最有力候補だったPVP最強と呼ばれていたプレイヤーはひっそりと地味に退場していたのだった。

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