情報屋2
連続投稿開始!
「あの、それじゃあ僕は帰っていいですか?」
「あ、ちょっと待って!」
ミレイユさんとミルドさんにそう聞くと、ミレイユさんがビシーッ!と手を伸ばして止めてきた。
「実は気になってたんだけど・・・その杖ってどこで手に入れたの!?」
そう言ってミレイユさんは僕の腰に刺さっている『魔鉄鋼熊の杖』を指差して尋ねてきた。
「実は私、βテスターでね。けどそん時もそんな武器見たことないのよ。ね、ねっ!その情報、ウチに売ってくれない!?今ならお高く買うよ!」
そう言って顔を近づけるミレイユさん。僕はそれに気圧されながらも「は、はい・・・」と頷いた。
「いやったー!!」
僕の了承を聞き、両手を上げて喜ぶミレイユさん。その隣で眉間を疲れたように揉み解しながら、ミルドさんが視線で「すまん」と伝えてきた。僕も同じく、視線で「大丈夫です」と返したのだった。
「それで、その武器は一体!?」
「この武器は『魔鉄鋼熊の杖』。僕が錬金術で合成して作りました」
別段隠すような事では無いので、素直に答えると、ミレイユさんとミルドさんは、驚いたように目をパチクリとさせた。
「・・・そんな事出来たのか?錬金術って」
「?はい」
僕はコクリと頷き答える。するとミレイユさんの顔つきが変わった。先程までの底抜けに明るく、親しみやすい雰囲気から、鋭い感じへと変わったのだ。
「βテストでは合成はそんな万能さは無かった・・・。ならば、製品化した時の変更点の一つ?しかし盲点だった・・・」
「ど、どうしたんですか?」
「ああ、ミレイユは情報を整理しようとしたり、思考に没頭した時はあんな感じになるんだよ。・・・それより、俺の知識は『錬金術』の合成は鍛治に使う金属の強化ぐらいしか知らなかったんだけどよ」
僕の疑問に答えたミルドさんは、僕の耳元に口を寄せてコソコソと尋ねてきた。
「いやー・・・。まさか錬金術にそんな力があるとは思わなかったよー。教えてくれてありがとね!」
「は、はい」
ブツブツと呟くのをやめ、顔を上げると再び二パーっとミレイユさんは笑いながら、僕の両手を握ると、ブンブンと上下に激しく振った。
「情報料を払うね!はいっ!3000G!」
そう言ってミレイユさんがウインドウを開き手早く操作すると、僕の目の前にもウインドウが現れた。そこには、『ミレイユ』から3000Gを受け取りました。と、書いてあった。
「それじゃあ、僕はもう行きますね」
「呼び止めちゃって、ごめんね!今度来てくれたら情報料、安くしちゃうよ!」
「俺も、オーダーメイドの装備を打ってやる」
「あ、ありがとうございます!」
そうして、ミレイユさんとミルドさんとはフレンド登録をして、別れたのだった。




