情報屋
「うわぁ・・・もう第二層に辿り着いた人が居るのかぁ」
朝、PCを操作して掲示板を軽く見ていると、そんな情報が目に飛び込んで来た。
「まぁ、僕は最前線を目指す攻略組になるつもりは無いし。・・・けど、僕も頑張らないと」
カチカチッとカーソルを動かし他の情報も調べる。が、気になるような情報は二層到達以外にはなかった。
「・・・そろそろ僕もログインしようかな」
そう呟き席を立つと、VRギアを置いているベッドへと向かうのだった。
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プレイヤー『ルクス』がログインしました。
始まりの町の中央広場。そこが前回僕がログアウトした場所だ。
「うーん、今日は何をしようかな・・・」
呟きながら道を進んでいると、
「ちょっとそこのお嬢ちゃーん!」
と、元気な女性の呼び込みの声が聞こえてくる。
一体何事かと思いそちらを見てみると、ある店の前で、僕に向けて手を招いている女性がいた。頭上の青色カーソルから見て、プレイヤーだ。
(・・・って、お嬢ちゃんって僕の事か・・・。また間違われたのね)
「はぁ・・・」と、つい溜息を零しながらそちらに向かって歩いた。
「いやーごめんね?ちょっと見た事ないぐらいの美少女だからつい、声掛けちゃったんだ〜。あ、私はミレイユだよ。情報屋を営んでるんだ、よろしくね!」
「あ、えっと・・・」
会って早々、マシンガントークをかます女性に思わずたじたじとなる。と、そこへ、
「少し落ち着かんか!」
「あ痛っ!」
店の奥から体格の大きなおじさんが出てきて、ミレイユさんの後頭部を叩いて諌めた。
「済まんな。こいつはお喋りが好きでなぁ。あ、俺はミルドって言う鍛冶師だ」
「は、はあ・・・」
戸惑いながら頷くと、ミレイユさんが後頭部をさすりながらミルドさんに文句を口にした。
「全く・・・ミルドは乱暴なんだから、もう!・・・それよりも、そっちのお嬢ちゃんの名前は?」
「あ、僕はルクスで・・・」
「ボクっ娘キターッ!!」
名乗ろうと口を開いた次の瞬間、ミレイユさんが興奮して叫んだ。僕はつい驚き、ビクッと肩を跳ねさせた。
その直ぐ後、「いい加減にせいっ!」とミルドさんが今度は拳で殴りつけた。
「あ痛ぁっ!?」
先程以上の衝撃を頭頂部に受け、ミレイユさんは頭を抱えて転げ回った。
「あー済まないな。・・・本当に」
「い、いえ・・・」
頭を下げるミルドさんに、少し複雑な気持ちになるのだった。
「誰か私の心配もしてよ!?」
地に伏せたミレイユさんの叫びが響いたのだった。




