テスタ
「売り売り買い・・・売りっと」
FMLのサービスが開始され数日が経った今日も株の売買を終え、僕は「ん〜っ!」と身体を伸ばすと、早速ベッドへ向けて歩き出した。
「さて、今日は何をして過ごそうかな?」
僕はニマニマと笑いながらベッドに置いてあるVRギアを手に取り、被った。
「起動」
そしてVRギアを起動させ、今日も僕は『フリーダムマーセナリーライフ』へとログインするのだった。
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プレイヤー『ルクス』がログインしました。
「取り敢えず、これまでの戦闘とかギルドクエストでGとか素材は集まったし、そろそろ『召喚本』を買うべきだよね」
僕はそう呟くと、魔道具専門のNPCショップへと向かうのだった。
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「ごめん下さーい」
扉をギィィイ・・・ッと、開くと、店の中からカビ臭いような臭いが鼻へと来る。
「おや、ルク坊かい?いらっしゃい」
店内から声を掛けてきたのは白い髪をした、緑のNPCカーソルを頭上に浮かべるお婆さんがいた。頭の上には先の折れ曲がった三角帽子、纏う衣は黒いローブ。その出で立ちは正に魔法使い・・・いや、魔女と言った方が適切だった。
「やっほーテスタさん」
NPCテスタ。彼女はこの魔道具専門のNPCショップ『魔道具屋』の店長だ。僕とは、過去のギルドクエストで何度かお世話になった間柄で、街でたまに会った時にも話したりする。
(しかし、FMLって本当にNPCのAIも凄いなぁ)
しみじみとそんな事を思いながら店内に入り、僕はテスタさんに微笑んだ。
「今日は何の用だい?何か、ギルドからの依頼があったかねぇ?」
「ううん、今日は僕の買い物に来たの」
「おや?て事は、今日のルク坊はお客さんかい?」
「うん」
テスタさんに頷くと、僕は今日来た目的を伝えた。
「テスタさん。何かオススメの『召喚本』を下さい」
「おやおや?ルク坊は召喚術師だったかね?」
「まだ見習いどころか、スキルを持っているだけなんだけどね」
「たはは・・・」と笑うと、テスタさんもヒェッヒェッヒェッ・・・と笑った。・・・うん、魔女っぽい笑い方だ。
「そうなると・・・『初心者の召喚本』が良いかもしれないねぇ。けど、ルク坊にはこれまでに何度かお世話になったし、オマケに『下級魔法薬』を付けてあげるよ」
「本当!?それで何G!?」
「勿論適正価格の2000Gさね」
「なら3冊下さい!!」
僕は身を乗り出すようにそう言った。すると、テスタさんは驚いたように目を見開くとまたもや笑った。
「ルク坊は欲張りさんだねぇ。ま、いいさね。6000Gになるよ」
「はい!」
テスタさんに6000Gを支払うと、『初心者の召喚本』とオマケの『下級魔法薬』を受け取った。
「またいつでもおいで。歓迎するよ」
「ありがとう。テスタさん!」
僕はテスタさんにお礼を言うと、ショップを後にしたのだった。




