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お直し屋シャルンの思い出の服  作者: まりちゃんとだんな


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第5話 光の中のクリスマスカード

自転車は風を切るように走り抜けて、あっという間に修道院に着いた。


自転車から降りて、修道院の壁に立て掛けた。


そして、歩きながら身だしなみを整えた。


シャルンは修道院の受付に用件を伝える。


シャルン「すみません、さっき納品した分の代金を受け取りに来ました」


受付「どうぞ中へ」


シャルンは面会室に入った。


部屋の中にある格子の向こう側に、シャルンが修道女だった頃の親友、ナーノが現れた。


そして、二人は格子の中央にある小窓の辺りで話をした。


ナーノ「お主が忘れた封筒は、この白い封筒かな?それともこちらの茶色い封筒かな?」


シャルン「茶色い方」


そう答えるとナーノは満面の笑みを浮かべて言った。


ナーノ「ううう、半分当たり」


シャルン「半分?え、どうして?」


ナーノ「実はね、茶色い方はシャルンが納品した修道服と祭壇布の代金で、もう一つの方は何だと思う?」


シャルンは少し困ったが、考えて聞いた。


シャルン「何?分からない」


ナーノは勿体ぶりながら嬉しそうに言った。


ナーノ「答えはね、シャルンのお母さんからの手紙」


シャルン「え、本当に?」


シャルンは小窓越しに封筒を二通受け取った。


ナーノ「此処を出た時、郵便局行った人」


シャルン「あ、行ってない」


ナーノは笑顔で言う。


ナーノ「でしょ、だから此処に届いたのよ」


シャルン「危なかった、他には無かった?」


ナーノ「うん、それだけよ、今年も届いたのね、お母さんからのクリスマスカード」


シャルンは白い封筒をしみじみと見つめた。


ナーノ「あ、それとね。院長からなんだけど、クリスマスくらい聖堂で祈って行きなさいって」


シャルン「ま、ちょっと面倒くさいけど、それくらいするか」


ナーノは、わざとらしく仏頂面になり言う。


ナーノ「面倒くさいって何よ、あんたそれでも元シスターな訳?神を冒涜したら許さないからね」


シャルン「もらう物は貰ったし、言われた通りにするよ、じゃあまた」


ナーノ「ちゃんと祈って行きなさいよ」


ナーノは格子の向こうで、笑顔で手を振った。


シャルンはそのまま聖堂へと向かった。


聖堂の中に入ると、ステンドグラスから色の付いた光が差し込んでいた。


天井が高く、音がよく響き渡る。


中はひんやりしていて、ロウソクや香の匂いがする。


懐かしい感じもするが、今では神に仕える身ではない。


何処か以前までとは感じが違う。


そう思いながらも、十字を切り、跪き、祈るのだった。


ふと祭壇の方を見た。


祭壇に使われている祭壇布を見て、自分が作った物だと確認した。


シャルンは母親から届いた白い封筒を取り出し、封を切り中身を見た。


中には、キリスト誕生のモチーフが描かれたカードに、一言のメッセージが記されていた。


『貴女に楽しいクリスマスと幸せな新年を、メリークリスマス!」


シャルン「手書き好きだな」


そう言って、カードをそっと閉じた。


手紙を読み終わるとシャルンは立ち上がり聖堂から出て自転車の場所に戻った。


外はいくらか雪がチラついていた。

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