第4話 クリスマスのドレス
またドアが開いた。
さっきの奥さんだった。
奥さんは嬉しそうに、少し興奮した様子だった。
片手に古着を持っている。
奥さん「ごめんなさい、また来ちゃった」
シャルン「大丈夫ですよ、どうしました、忘れ物でも?」
奥さん「違うのよ、これをお願いしたくて持って来たの」
綺麗な柄のドレスをシャルンに手渡した。
シャルン「これ、奥さんのですか?」
奥さん「そう、若い時に着てたの」
奥さんの依頼内容をシャルンは悟った。
シャルン「これを…」
奥さん「そう、貴女に直してもらおうと思って…。どう、直せる?これはね、昔よく着てた、お気に入りだったのよ。毎年クリスマスにも着てたの」
手に持っているドレスを良く見てからシャルンは答えた。
シャルン「大丈夫です、任せてください」
奥さん「貴女なら、そう言ってくれると思ったわ」
期待しているという眼差しで奥さんはシャルンに言った。
奥さん「でね、クリスマス迄にお願いしたいの、頼めるかしら?」
シャルン「三日あるので大丈夫です、間に合います」
奥さん「いつも、無理な事ばかり頼んじゃってごめんなさいね。貴女しか頼めなくて、じゃあ、よろしくお願いね」
奥さんは帰って行った。
シャルン「奥さん、痩せてたんだ…」
奥さんのドレスを丁寧に畳んで、作業台の上に置いた。
椅子に座ると、ある事に気づいた。
シャルン「あ!お金貰ってない!」
修道院に納品した分の代金を貰い忘れた。
慌てて立ち上がり、帽子を取って早足で店を出た。
自転車を動かして跨ると、帽子を被ってペダルを漕ぎ出した。
シャルンはもう一度、修道院へ向かって走り出した。




