吸血鬼狩人十六夜
いつものように、軽くあしらうつもりだった
周りの兵が、どんどん倒されていく。私は相手と対峙した。周りの兵は全員、死んではないようだ。加減をしたのか?
・・・強い。相手の全身から出ている気のようなものが、私に危険を告げる。
『なぜ、殺さない?』
私は疑問に思った一言を相手に投げ掛けた
相手は館を指差し
『俺の仕事は、ヴァンパイアハンターだ。吸血鬼以外は対象外だ・・ただ、遮る者には少し痛い目を見てもらうことになる』
そういいながら、館に向けていた指を私に向け、もう片方の手でナイフを構えた。
・・・・・ダッ!
・・・・
勝負は一瞬だった。私の蹴りを躱し、その伸びた足にナイフを一本、もう片方の足に一本刺された。が、それと同じに相手の顔をめがけて打った渾身の右により、ガードした左腕を砕いた。
相手は痛みよりも、驚いたという顔をして
『確実に急所をついた。拳に力なぞ入らないはず、上半身の力だけで、この威力か・・』
・・・・・
私は激痛に耐えながら、負けを確信した。足はもう動かない。それに対し相手は左腕が動かないだけ。しかも殺気がなかった相手にだ。実力差は歴然だった。
・・・・
ザッザッザッ。
急に後ろを向き、立ち去るヴァンパイアハンター
ッ・・・!?
『どうした!?私はまだやれるぞ!?』
本心ではなかった。本当は助かったと思い、内心ホッとしてた。だが、なぜか呼び止めてしまった。・・ただの意地だった。
ザッ。・・ヴァンパイアハンターは立ち止まり
『いっただろ?私はヴァンパイアハンターだ、吸血鬼以外に興味はない、それに、これでは吸血鬼相手をするには分が悪い。』
ヴァンパイアハンターはそういい、折れた左腕を右指で、ちょんちょんと、つついた。
『というわけで、今回は引き揚げる。・・・また来る』
といい、ヴァンパイアハンターは立ち去った。
『た、助かった・・・』
そういいながら、私は一人、そこに立ち尽くしていた
ザッ
ッ・・・!?
後ろに人の気配を感じて、振り返った
・・・
そこには、主がいた。主は、周りの倒れた兵達を見た後、立ち尽くしている私を見て
『おぬし、一人で撃退したのか?』
と聞いてきた。正直、撃退といえたものではなかった。むしろ、助けられた感じだ
『・・・いえ。私は負けました。ですが、相手は引きました・・』
私は正直にいった。それを聞いた主は
『謙遜するな、相手はあの十六夜であろう?伝令兵から聞いておるわ。あやつが途中で引く時はあやつにとって、計算外な不具合があった時だけだ。その、計算外はおぬしのことであろう?』
・・・・・
正直、余り嬉しくはなかった。実質負けていたことには変わりない。
『ふむ、納得いかんという顔じゃな。・・・よかろう!では、負けた罰をとらせよう。・・・・・・おぬしを、わしの側近に任命する』
・・!?
『い、いや・・!?』
罰?昇格じゃないか!?そんなの貰うような、働きなんかしてない。あのヴァンパイアハンターを倒せているのなら甘んじて受け取るが・・・
『そして、わしが直々に、おぬしを鍛えあげてやろう、おぬしには才能がある。どうせ十六夜はまた来る。その時に、わしの目の前で見事撃退してみよ!?負けたら・・・クビじゃ。』
そういいながら主は、微笑んだ。
チャンスをくれた・・・・もう一度、あのヴァンパイアハンターと・・・
『はい!必ずや、主の為、倒してみせます!』
私は勝利を主に使い、主の側近となった。そして、日々、訓練に明け暮れた。主は厳しく優しく、自分に体術を施してくれた。
私は再度、心の中で主に勝利を誓った。
そんなある日
主が・・・倒れた




