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スキル『ダンジョンシェルター』  作者: わたがし名人


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第5話 強化イベント



 ダンジョンマスターことロロとの交渉に成功し、無事シェルターでの滞在許可を得たトオル。


 カレーを振舞ったあと、ロロはまた来ると行って帰って行った。


 難を逃れ、一安心するトオル。



 そして翌日。


「来たぞ!」


 早速ロロがやってきた。


「おいトオル、この狭い部屋なんとかならないのか?」


 食事を終えたロロが不満を口にする。ちなみに今日のメニューはハンバーグだ。


 シェルターはワンルームほどの広さしかない。確かに2人で過ごすとなると少々手狭だ。



「すみません。私も何とかしたいと思っているのですが……」


 トオルは事情を説明する。


 このシェルターはスキルで生み出したものだ。機能を拡張させるにはスキルレベルを上げる必要がある。


 なのでスキルレベルを上げれば改善できるはずだが、トオルのスキルレベルは未だに1のままだ。


 スキルは普通、使い続ければ勝手に上がるものだと思っていたが、『ダンジョンシェルター』はどうやら違うらしい。1週間経過するが何も変化はない。

 もしかしたら自身のレベルを上げる必要があるのかもしれない。



「あの、ロロ様。もしよろしかったら私のレベル上げを手伝ってもらえないでしょうか?」


 そこでトオルはロロに相談してみることにした。


 トオルは現在、シェルターの外に出られないことになっている。というか出たら普通に死ぬ。このシェルターを除けば何の能力もないただの一般人でしかない。


 それにここはダンジョン最下層と思われる場所だ。仮に攻撃スキルがあったとしても生き残る自信はない。


 自力でレベルを上げるのは無理だ。ダンジョンマスターであるロロに助力を乞うのが手っ取り早い。



「わかった」


 そう言うとロロはシェルターから出て行った。


 しばらくして、


「戻ったぞ」


 ロロが戻ってくる。胸に抱いているのは1匹の黒ポメラニアン。


「ワン!」


 あ、この子絶対ただの犬じゃない。トオルは確信する。

 ダンジョン作品で出てくるかわいいワンコは有能だと相場は決まっているのだ。


「トオル、コイツと契約しろ」


 ロロはトオルに黒ポメと契約するように言う。


「契約ですか……」


 テイムみたいなものだろうか?


「ロロ様、私にはそのようなスキルがないのですが大丈夫でしょうか?」


「おい、オマエ。トオルと契約するんだ。できるな?」


「ワンッ!」


「大丈夫だ」


 ロロの言葉に元気よく返事する黒ポメ。どうやら大丈夫らしい。


「えと、どうすればいいのでしょか?」


「手を出すんだ」


「こう、ですか?」


 おずおずと手を差し出すトオル。


「ワンッ!」


 トオルの差し出した手にお手をするように前足を乗せる。


 すると何かが繋がった感じがした。


「うん、成功だ」


 こうしてトオルは無事、黒ポメと契約に成功した。



 トオルは早速ステータスを確認する。項目が更新されている。


____________


契約モンスター:ヘルハウンド


____________


 契約したことで黒ポメの正体が判明する。うん、聞いたことある名前だ。やっぱりこの子絶対強い。


「よろしくノワール」


「ワンッ!」


 黒ポメことノワールがトオルの契約モンスターとなった。



「よし、これで準備ができたな」


 ロロの出した回答。


 それはトオルがノワールと契約し、ノワールにモンスター狩ってもらう。そしてノワールの経験値をトオルが共有してレベル上げをするというものだった。



「あのロロ様、質問いいでしょうか?」


 ここでトオルは気になることをロロに聞く。


 そもそもダンジョンマスターが手助けしてくれるのはアリなのか?


「ん?別に問題ないぞ」


 大丈夫らしい。ホッとする。


 ダンジョンのモンスターを倒すことについても、


「アイツ等、アホでボクの言うこと聞かないんだ」


 どうやらダンジョンのモンスターは知能の問題なのか、ダンジョンマスターであるロロの指示に従わないらしい。


 唯一言うことを聞くまともなモンスターがノワールだったので、連れてきてくれたという。


 え、それってノワールはかなり凄いモンスターなのでは?


 うん、深く考えるのやめよう。せっかくの好意だ。素直に受け取っておこう。



 こうしてトオルは契約モンスター、黒ポメことノワールを仲間にした。




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