表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル『ダンジョンシェルター』  作者: わたがし名人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/9

第4話 交渉



 突如シェルターに現れた侵入者。


 シェルターのドアを開けたのは1人の少女だった。


 黒の軍服ロリータを身に纏った銀髪の小柄な少女。ルビーのような赤い瞳は真っすぐとトオルを見据えていた。



 突然の来訪者に驚きながらトオルが発した言葉は、


「あ、すみません。靴脱いでもらっていいですか」


 土足厳禁を促すことだった。


 あ、やってしまったとトオルは後悔する。


 トオルの予想通りならこの少女は怒らせてはいけない人物。まずは様子を見るべきだった。しかしもうあとの祭りだ。


 一方、少女はというと素直にブーツを脱いでいた。


「ん、これでいい?」


 あれ、もしかして話通じる?



 この少女の正体はおそらくダンジョンマスター、もしくはそれに

近い存在。少なくともただの一般人ということはないだろう。


 web小説でもこういう時に登場するのは決まってそういう人物だ。


 大抵の場合、味方になってくれるのが定番だが現状はどう転ぶかわからない。



 それにしても一体どうやって入ってこれたのだろうか?シェルターのドアは確か、鍵が掛かっていたはず。


 安全だと思っていたシェルターがそうでないとしたら、これは由々しき事態だ。



「ねぇ、入っていい?」


 推定ダンジョンマスターと思われる少女。今はこのまま受け入れるしかない。


「どうぞどうぞ。狭いところですが入ってください」


 とりあえず怒らせないように気を付けよう。



「あの、貴方のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」


「ボクの名前はロロだ!」


「ロロ様ですか。とても素敵なお名前ですね」


「ふふっ、そうだろう」


 まずは名前を聞く。少女の名はロロという。


「あの~、もしかしてですが、ダンジョンマスター様だったりしますか?」


「よくわかったな!」


「やっぱり!ただ者じゃないオーラがしたんですよ」


「ふふっ、そうかぁ?」


 ヨイショしつつ正体を聞き出す。やはりロロはダンジョンマスターで合っていた。


 トオルはおべっかがそこまで得意な方でないが、ロロには効果てきめんだった。


 あれ?もしかしてこの子、チョロい?



 その後もトオルは巧み?なヨイショで情報を聞き出していく。ロロの話によると、目が覚めたら近くに変な建物があったからここに来たとのこと。


 ん?ダンジョンマスターがいる場所ってことはつまりここは最下層?現在地が判明した瞬間だった。


 他にも気になることがある。ダンジョンで発生してもう1週間経つ。が、ロロは先程目覚めたという。気になるがこのことは一旦置いておこう。



 話をしつつ、スキを見てステータスを確認する。するとスキルの項目に新たな説明が増えていた。


____________


・シェルターを設置したダンジョンのダンジョンマスターはシェルターを自由に出入りできる。


____________


 なるほど。それでロロはシェルターに入れたって訳か。理由がわかりスッキリする。



 と、そんなことより今はこの場をどう乗り切るかだ。


 そういえば食事の準備してたことを思い出す。今日はレトルトカレーにしようと準備していたんだっけ。


 ロロを見る。見た目感じ中学生くらいか。話した感じだとそれよりも幼い印象を受けた。 

 まだ出会って間もないが、だんだんとロロの扱い方がわかってきた。うん、これなら何とかなるかも。


「あの~、よかったら食事でもどうですか?」


 トオルはカレーを振舞うことにした。



「何これ、おいしい!」


 トオルの予想通り、カレーはロロのお気に召したようだ。流石は日本のレトルト食品。ダンジョンマスターもニッコリだ。



 食事を終え、満足そうにしているロロ。トオルはここで勝負に出ることにした。


「ロロ様。実は私、訳あってここを出られないのです」


 多分、ロロにお願いすればダンジョンから出ることはできるだろう。しかしトオルはここを終の棲家にすると決めていた。追い出されることだけは勘弁だ。


 トオルはこのシェルターから出ることができないことを伝える。ここはダンジョン最下層、シェルターの外に出たらただの一般人のトオルなんて即死だろう。

 嘘は言っていない。


「ここにおいて頂けたら、毎日おいしいものが食べられますよ」


 もちろんメリットを提示するのも忘れない。おそらくだが、ダンジョンマスターはこの世界に疎いはず。

 この世界の食事や娯楽を提供すればきっと食いつくだろう。スキル『ダンジョンシェルター』の力があればそれが可能だ。



「いつでも来ていいのか?」


「はい、もちろん」


「わかった、許可する!」


「ありがとうございます」


 交渉は成立。ひとまず身の安全と滞在許可を得た。


 それと協力者を得たのは大きい。しかもダンジョンマスターだ。


 1人で悠々と暮らすことができなくなったがそれは些細な事。それにロロとは上手くやっていけそうな気がする。



 こうしてトオルはダンジョンマスターの襲来というピンチを無事、乗り切った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ