第41話 スキルオーブ
◇ダンジョン生活7ヶ月◇
モモもすっかりトオルたちの仲間として馴染んでいた。
そんなある日。
トオルたちは再び疑似ダンジョンに集合していた。
目の前にはアイテムの山。武器防具アイテム類と種類は様々。
そう、ノノの汚部屋から生み出されたアイテムたちである。
前回の片付けから1ヶ月足らずで再び元通りになっていたのだ。
という訳でまたみんなで片付けをすることになるのだが、前回と違うのは新たにネネとモモが参加していること。
それはこの場にこの国のダンジョンマスター全員集合していることになる。
なのでアイテムの振り分けは前回よりもスムーズに進むはずなのだが、
「うおー、カッコイイー」
「ロロ様、これも良さげッスよ」
ロロとネネは片付けそっちのけではしゃいでいた。
一方もう1人の初参加者であるモモは、
「……」
黙々と作業を進めていた。
「あっ、これ……」
モモが何かアイテムを見つけたようだ。
それは野球ボールサイズの玉。
「あのお兄さん、これ使ってみませんか?」
モモが差し出したアイテムは『スキルオーブ』。その名の通り、スキルを得ることが出来るアイテムだ。
「あー、それ前に試したんですけど使えなかったんですよ」
トオルは以前、ココに自身の潜在能力について調べてもらったことがあり判明したのは『ダンジョンシェルター』以外のスキルは習得できないということ。
もちろんスキルオーブも試してみたがダメだった。
「そうだったんですね、すみません……」
「いえいえ、気にしないでいいですよ」
少々気まずい空気が流れる。
とそこへネネがやってきて、
「トオルセンパイ、それなら『魔導ロボ』に『スキルオーブ』を使ってみてはどうッスか?」
ネネの提案により魔導ロボにスキルオーブを使ってみることになった。
現在のトオルの魔導ロボはパワードスーツのような姿をしている。トオルは早速、魔導ロボを装備する。
「はい、どうぞ」
モモからスキルオーブを手渡される。
「ネネさん、魔導ロボに組み込むイメージをすればいいんですよね?」
「そうッス。それでいけるはずっス」
ネネのアドバイスに従い、トオルは手のひらにスキルオーブを組み込むイメージを思い浮かべる。
すると右手にあったスキルオーブは手のひらに吸い込まれるように収まる。そして手のひらには新たに丸い噴射口が出来ていた。
「火を出すイメージ……」
トオルが魔導ロボに装着したスキルオーブには火魔法が込められている。トオルは右の手のひらを頭上にかざし、スキルを発動させる。
すると、右の手のひらから火が吹く。成功だ。
トオルは魔導ロボを介することでスキルが使用できるようになったのだ。
「あのモモさん、これと同じスキルオーブをもう1つ探してきて貰えませんか?」
「はいっ、探してきますね」
「ジブンも探すッス」
トオルはモモとネネに同じ火魔法のスキルオーブをもう1つ探してもらい、それをもう片方の手に組み込むことにした。
その結果は、
「おー、トオルが飛んでるぞー」
トオルは空を飛べるようになった。両手から火を噴射し、より一層アイアンなヒーローに近づいた。ちなみに魔導ロボの動力源は魔石なのでトオルに負担はない。
珍しく子供のようにはしゃいでいるトオル。そんな様子をロロとモモは嬉しそうに眺めていた。
少し離れた場所でノノとココはネネに質問していた。
「ネネちゃん、このアイデアはどこで知ったのかな?」
「ジブンのダンジョンに来る人間たちが魔導ロボに使ってたのを見たッスよ」
「ノノ姉、知ってましたか?」
「ううん、お姉ちゃん初耳」
2人は驚いていた。スキルオーブはそれ自体が元々価値が高いアイテムだ。なのでダンジョンには極僅かしか流通させていない。
そんな貴重なアイテムを魔導ロボに組み込む人間がいるとは思わなかった。
そもそもノノたちが知らない使い方で、人間が新発見した技術だった。
「うーん、1度地上の様子を見てみる必要がありそうね~」
「ワタクシも同意見でございます」
ノノとココは地上の人間たちへの警戒を高めると共に、地上の人間たちが行なっているダンジョン研究を調べることを決めたのだった。
次回更新日は9/16(水)午前7時予定となります。
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