第39話 ダンジョンをアピールしよう
北のダンジョンマスター、モモを無事迎え入れたトオルたち。
その後モモはロロたちと対面するも、恥ずかしいのかモジモジしてしまいトオルの後ろに隠れてしまう。
「えと、あの、よろしくお願いします」
それでもなんとか全員と挨拶を済ませたモモ。
「あの、お兄さん……」
トオルの手を引くモモ。
「どうかしましたか?」
「ちょっと、お話が……」
何やら話したいことがあるようだ。トオルは手を引かれ、モモのシェルターに行く。
シェルターにはモモとトオルの2人きり。いや、白いキツネことゴンちゃんも一緒だ。
「モモさん、それで話とは一体何でしょうか?」
「えと、私のダンジョンのことなんですが……」
モモのダンジョンについての現状について。
モモのダンジョンは人が全く来ない不人気ダンジョンだ。それには理由がある。
そもそもの問題として人間に見つかっていないのだ。
北の大地は広い。モモのダンジョンはその中でも特に人気のない僻地にある。
それも相まって未だに見つかっていない状況で、実はトオルが初めての侵入者だったのだ。
せっかく仲間になったのだから何とかしたいとモモは考えた。
そこでトオルに相談することにしたのだ。
「あのモモさん、それならココさんとノノ姉が適任ではないでしょうか?」
そういうことであればトオルよりもダンジョンに詳しいココとノノの方が適任なのだが、モモはあの2人が苦手らしい。
でもトオルなら大丈夫。だからトオルに相談した。
それともう1つ、なるべく自分で何とかしたいと思っていた。その手伝いをトオルにして欲しいという。
「……お兄さん。協力して、くれますか?」
「いいですよ、一緒に頑張りましょうモモさん」
トオルはモモに協力することにした。特に断る理由がないのもあるが、モモは何だか放っておけないオーラがある。
ロロとはまた違った庇護欲を感じるタイプだ。
早速、相談を始める2人。
「まずは人のいる場所にダンジョンを設置しましょうか」
人間に認知されないことには人気も不人気もない。
そのためには他のダンジョンを攻略し、ダンジョンコアを吸収して新たな入口を増やす必要がある。
他のダンジョンを攻略する担当はモモが使役する白いキツネこと、ゴンちゃん。
ゴンちゃんはモモのダンジョンで唯一のモンスターだけあってかなりの戦闘力を有する。
大丈夫だと思うが一応、助っ人にノワールをつけておくことにした。
次はダンジョンコアを集めた後の話。どこに入口を設置するか?
候補は人の多い市街地。なるべく人目につく場所がいい。
今回の目的はモモのダンジョンを認知してもらうこと。
後にノノから聞いた話だが、どうやら北にはダンジョンがないと思われているとのことだった。
しかしここで疑問が1つ。今まではなるべく秘密裏に動いていたはずなのに、注目されるような大胆なことをしてもいいのか?
それについては問題はない。
最大の懸念だったのは他のダンジョンマスターと敵対し、人間を巻き込み大きな争いになること。そのため、こっそりと事を進める必要があった。
だがノノの協力もあり、日本のダンジョンマスターは全員仲間になった。結果、その懸念は解消された。
意外だったのはダンジョンマスターの数が多くなかったこと。ノノによるとダンジョンマスターが生まれるダンジョンというのはそう多くないらしい。
それとは別の疑問がある。人間が多くいる市街地にダンジョンの入口を出現させることについて問題はないのか。
わざわざ人間たちを刺激する真似をしてまで認知される必要があるのか?
それについてはトオルに勝算があった。
モモのダンジョンなら好意的に見てもらえる可能性があると踏んでいた。
モモのダンジョンの最大の特徴はモンスターが出ないこと。
モモのダンジョンにはセーフティとしてゴンちゃんが控えていたが、設置する予定のダンジョンは行き止まりにする予定なので問題ない。
それともう1つ、モモのダンジョンでは命を落とすことはない。失敗しても入口に戻されるだけだ。
そしてダンジョンの攻略方法は謎解きやギミックを解くアトラクションのような仕様。
後に民間に解放されれば子供から大人まで楽しめるダンジョンとしてウケるはずだ。
予定では最下層地点に報酬として宝箱を設置するつもりだ。
こうして計画を練ったモモとトオルは早速、行動に移す。
「ゴンちゃん、頑張って」
「コンッ」
「ノワール気を付けてね」
「ワンッ!」
ゴンちゃんとノワールがモモのダンジョンの外を出て、北の大地へと駆けて行った。
その後、トオルはココとノノにモモとのやり取りを報告する。
トオルの話を聞いた2人からはそのまま進めても問題ないとお墨付きをもらう。
こうしてモモのダンジョンを世間にアピールする計画が始まった。
次回更新日は9/12(土)午前7時予定となります。
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