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スキル『ダンジョンシェルター』  作者: わたがし名人


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第38話 北のダンジョンマスター



 北のダンジョンを攻略中のノワールと魔導ロボは順調に進み、何もない階層に出る。


 そこに現れたのは1匹の白いキツネ。ダンジョンにいるということはモンスターだろうか?


「コンッ」


 こちらへ近づいてきた白いキツネはノワールに話しかける。


「ワンッ」


「コン」


 ノワールと白いキツネは何やら会話をしているみたいだ。そして話を終えた白いキツネは歩き出し、ノワールがその後に続く。


 どうやら白いキツネは道案内をしてくれるらしい。行き先はおそらくダンジョンマスターがいるところだろう。


「もう大丈夫そうッスね」


 ネネは戦闘がないと判断し、魔導ロボを送還する。




 ノワールが白いキツネの後を追い、しばらくすると目の前にカラフルな場所が現れる。


 殺風景な洞窟の中に突如現れたカラフルな場所。その中心には1人の女の子がいた。彼女がダンジョンマスターだろう。


 白いキツネは女の子の元へ近づく。


「コンッ」


「あっ、ゴンちゃんおかえりー」


 何か作業をしていた女の子は白いキツネに気付くと手を止める。


「それでどんな人だった?」


 どうやらトオルたちがダンジョンに入っていたことは把握されていたらしい。ダンジョンマスターだし当然か。


「コン」


 白いキツネはノワールの方を向く。


「ワフッ!」


 ノワールは元気に挨拶する。


「え?あの子がそうなの?てか何で連れてきたの?」


 女の子は軽くパニック状態になる。まぁそうなるだろう。正直こちらもこの白いキツネの意図はよくわかっていない。


「コンコン」


 白いキツネは女の子に説明をし始める。



「なるほどねー。この子、ゴンちゃんのところまで来れたんだ。結構自信あったんだけどなー」


 そう言いつつも女の子は心なしか嬉しそうだ。


「君、凄いねー」


 女の子はノワールに近づくとそのまま抱き上げる。


「あれ?何これ?」


 ノワールの背中にあるカメラに気付く女の子。


「もしかしてご主人様いるの?えと、聞こえてますかー」


 カメラに向かって話しかける女の子。



 とその時、


「あっ、モモちゃんだ。トオル君、シェルター出して」


 今まで部屋にいたノノが突如現れ、トオルに指示を出す。トオルは拠点追加を発動させる。


 南のダンジョンにシェルターを置いてからしばらくして、拠点追加の数が増えていた。

 シェルターの数が増えたその分、機能が追加されるペースが上がるみたいだ。もちろんポイントも増加している。



 女の子の目の前に突如、シェルターが出現する。


「え?何?」


「うふふ、モモちゃん久しぶり~」


「ひっ、ノノ姉。どうしてここに。ゴ、ゴンちゃん助けて!」


 女の子は白いキツネに助けを求める。しかし、白いキツネは動かない。


 シェルターが無害だとわかっているっぽい。このキツネ、かなり賢いな。いや、先程ノワールを会話してたし、その時に聞いたのかも。


「うふふ、怖くないわよ~」


 シェルターから姿を現したノノは女の子をシェルターの中へと引きずり込んだ。




 先程北のダンジョンに設置したシェルターの中にはトオル、ノノ、そして先程の女の子が対面していた。一旦、ロロたちには下がってもらっている。


 女の子はビクビクした様子でシェルターの中をキョロキョロ見ている。話に聞いていた通り、人見知りで恥ずかしがり屋なのは本当らしい。

 今までのダンジョンマスターたちとはリアクションが違い、なんか新鮮だ。



「えと、私の名前はモモです」


 金髪赤目の小柄な女の子の名前はモモ。ロロより少し大きいくらいで、青のエプロンドレスを身に纏っている。まるで童話からそのまま出てきたかのような女の子だ。



 ノノが簡単に事情を説明する。


 今、各地域のダンジョンマスターが協力して各ダンジョン管理の業務提携を結んでいること。

 トオルが持つスキル『ダンジョンシェルター』がダンジョンマスターに恩恵があること。

 現在集まっているダンジョンマスターたちは敵ではないこと。


「……ということなのよ~」



「なるほどです。えと、1つ質問いいですか?」


「え、何々~。お姉ちゃん何でも答えちゃうわよ~」


「ノノ姉じゃなくてそこのお兄さんにです」


 モモはトオルに質問があるようだ。


「あの、お兄さんが私のダンジョンを攻略したんですよね?もしかして謎解きとか、好きだったりしますか?」


 どうやらモモは自分が考えた謎解きをクリアしたトオルに興味があるらしい。


 心なしかその目はキラキラ輝いているように見える。この感じ、トオルには覚えがある。これは同士を見つけたオタクの目だ。


「そうですね、好きと言われれば好きですかね」


 落ちゲー以外にも謎解きやパズルなど、頭を働かせるゲームは割と好きだ。



「お、お兄さん!わ、私とお友達になってくれませんか!」


 友達になりたい、か。どうやらモモは今までのダンジョンマスターとは違うらしい。


「はい私でよければ」


 トオルは快く承諾する。元々協力を取り付けるために会いに来たのだ。断る理由がない。


「やったぁ。これからよろしくお願いしますね、お兄さん」


 眩しい笑顔をトオルに向けるモモ。




 こうして無事、北のダンジョンマスターもトオルたちと業務提携を結ぶことになり、そしてほぼ日本全域のダンジョンはトオルたちの手中に収まることになったのだった。



 次回更新日は9/10(木)午前7時予定となります。


 よろしくお願いします。

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