第37話 北のダンジョン
「ねぇトオル君。北のダンジョンに行ってみない?」
北のダンジョン。つまり北のダンジョンマスターに会ってみないかとノノから提案されたトオル。
特に断る理由もないので承諾する。
そして北の大地にやってきた。
といっても現地にいるのはノノとノワールだけ。広大な大地にポツンとダンジョンの入口が1つ。ここに北のダンジョンマスターがいるらしい。
「それじゃあ、あとよろしくね~」
とノノはすぐさま帰還し、ノワールだけがその場に残される。
『ノワール、行こうか』
「ワンッ!」
トオルの声を受けノワールはダンジョンの中へと入って行った。
一方、シェルターに戻ったノノはトオルたちと一緒にモニターでダンジョンの様子を見ていた。
いつもならダンジョンの最下層まで直接転移しているのだが、できない理由があった。
北のダンジョンマスターは人見知りで恥ずかしがり屋。
前に転移した時は初回だったので大丈夫だったが、次回からは対策され最下層へ直接の転移できなくなってた。
なのでノノでも入口から入り最初から進まないといけない。それ自体は問題ないのだが、このダンジョンは少々面倒な構造をしていた。
そこでトオルたちに頑張って攻略してもらうことにしたのだ。
ダンジョンに入ったノワールはいつものように軽快な足取りで進んでいく。
「ワフ?」
中は洞窟型の階層で特に変わり映えのない感じだ。モンスターが1匹もいないのが気になるくらいだろうか。
ノワールは一通り見て回ったが、次の階層に繋がる道は見当たらなかった。見落としはなかったはず。トオルたちもそれは確認している。
「う~ん、もしかして道順が決まっているのか?」
この階層にはモンスターが1匹もいなかった。その代わりに道々に立札があり、そこには文字が1文字ずつ書かれていた。
「あ」「り」「ち」「た」「の」「み」
これは何だろう?
トオルはノワールが通った道と立札の文字を紙に書き出していた。 しばし考え、閃く。
「あっ、迷路か」
しかし書き出した迷路は出口はない。もしかして通る道順が決まっているのかも。
トオルはダンジョンの道々で見かけた立札の文字に注目した。文字を正しく入れ替えると、
「あ」「た」「り」「の」「み」「ち」
おそらくこの立札の順番で進むのが正しいはず。
トオルはノワールに入口に戻ってもらい、正しい立札の順番通りに進んでもらう。
すると先程は突き当りの壁だった場所が消え、次の階層への階段が出現していた。
どうやらこのダンジョンは謎解きなどのギミックがあるタイプのダンジョンのようだ。
ノノが匙を投げる訳だ。彼女はこうしたまどろっこしいことが嫌いなのだ。
次の階層も洞窟。そこには様々な形をした巨大な石の塊がたくさん転がっており、奥にそれらを嵌める巨大なフレームのようなものが見える。
今度はジグソーパズルか。
しかしノワールが作業するには少々大きすぎるかも。トオルが思案していると、
「ここはウチに任せるッス」
ネネが手を挙げた。
しばらくするとノワールの元へ魔導ロボがやってくる。ネネの使役する魔導ロボだ。
その姿は球体の多脚ロボで作業が得意そうだ。
ネネの魔導ロボが参戦したことでトオルたちはネネのシェルターに移動する。ネネの魔導ロボの様子はこちらのモニターの方でしか見れないからだ。
「これはこっちじゃないか?」
「あっ、それとそれが合いそうッスよ」
「そちらのスペースに嵌まりそうですね」
トオルたちはみんなで協力して指示を出し、ノワールと多脚ロボがパズルのピースを嵌めていきパズルが完成した。
そして先程のように次の階層への階段が出現する。
その後も様々なギミックが出現する。透明床を順番通りに進んだりとか、巨大なチェスなどジャンルは様々。
幸いだったのは、このダンジョンに出現するものは割と健全なタイプのものばかりなこと。
いわゆるカジノゾーン、ギャンブル性の高いものがなくてよかった。こちらのダンジョンマスターたち、特にロロには悪い遊びをさせるのは教育上よろしくない。
ノワールと魔導ロボが次の階層へ進む。
すると様子が一変する。
何もない階層に出た。最下層?それにしては早い気もする。階層もまだ30を超えていない。
キョロキョロを辺りを見渡すノワールだったが、何かの気配を感じ取り警戒し始める。
ノワールの視線の先から何かが近づいてくる。
現れたのは1匹の白いキツネ。
「コンッ」
次回更新日は9/8(火)午前7時予定となります。
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