第36話 ネネのお礼
◇ダンジョン生活6ヶ月◇
『拠点追加』によってネネのダンジョンに設置されたシェルターはトオルが初めてスキルを使った時と同じく初期状態となっていたので、改装が行なわれていた。
トオルたちはそれぞれ専用の部屋を持つため、新たに追加されたシェルターはほぼネネ専用だ。
シェルターはメインの部屋の改装に加え、ネネ個人の部屋を追加で設けている。
メインの部屋はロボットアニメで見るような基地の指令室風になっている。もちろんネネの趣味だ。
それに合わせネネもパイロットスーツ風の衣装を着ている。部屋のコーデセットに付属していたものだ。この他にも隊服など、ロボットアニメの登場人物が着ているような服が一通り揃っている。
ロロはネネのシェルターに遊びに行く際は久しぶりに元の軍服風の服に着替え、ネネと一緒に作戦会議ごっこなどをして楽しんでいた。
そんな指令室の中央には巨大なモニターが並ぶ。このモニターにはネネの使役する『魔導ロボ』たちからもたらされた外部の映像が流れる。
このシェルターはトオルのスキル由来のものなのでモニターを使うにはひと手間必要だ。
トオルの持つアイテムの1つ、アクションカメラをネネの使役する『魔導ロボ』に埋め込むことによりモニターで映像が見られるようにした。
今までネネは念話で『魔導ロボ』の報告を受け、状況を判断していた。なので映像で確認できるようになりネネは大喜びだ。
更にトオルによってもたらされたものはそれだけではない。
たくさんのロボに関する資料の数々。アニメ、マンガ、ゲームはもちろんのこと、プラモデルやアクションフィギュアといった立体物など。
これらはダンジョンに来る人間たちがカスタマイズした『魔導ロボ』の姿に酷似していた。どうやらこれが元ネタのようだ。
これまではあいまいな感じで『魔導ロボ』のカスタマイズをしてきたが、今は違う。人間たちと同じ土俵で対抗できるようになった。
どんなカスタマイズをしよう。試してみたいことが多すぎて大忙しだ。ネネは嬉しい悲鳴をあげていた
そんなこんなでトオルには感謝しきれないネネはお礼にとあるものを用意した。
「トオルセンパイ、プレゼントッス!」
トオルの前に用意されたものは酸素カプセルのような装置だった。
「ネネさん、これは?」
「これはコールドスリープ装置ッス」
コールドスリープ装置。SF作品でよく見かけるやつだ。しかしネネは一体何故これをプレゼントしようと思ったのだろうか。
「トオルセンパイには長生きしてもらいたいッスからね」
トオルから多くの恩恵を受けたネネだが、それを維持するにはトオルの存在が必須。
すっかりトオル無しでの生活は考えられない身体にされてしまった。
人間はダンジョンマスター違い、脆い存在だ。なのでいざとなったらこのコールドスリープ装置に入ってもらうことにしたのだ。
「これでトオルセンパイとずっと一緒にいられるッスね」
笑顔のネネ。
その表情にトオルはゾクリと恐怖を感じた。
「あ~、気持ちは嬉しいけど人魚の肉を食べてるからこの装置のお世話にはならないかも」
そういってコールドスリープ装置を使用するのをそれとなく誤魔化すことにした。
ココたちの方がまだマシだったのだなと思うトオルだった。
次回更新日は9/6(日)午前7時予定となります。
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