第31話 女子会?
トオルたちがキャンプを楽しんでいる頃、
「ココちゃん、例の件はどうなってるかな?」
「はい、滞りなく進んでおります」
留守番組のココ、ノノは薄暗くした部屋で何やら怪しい話をしていた。
ちなみに部屋を薄暗くしているのは雰囲気を出すためで意味はない。
しかし話の内容は至って真面目でロロ、トオルのいない場でしか話せないものだった。
「ダンジョンに入ってくる不届き者たちについてですが、今のところ全て排除できております」
ダンジョンに入ってくる人間は自衛隊以外もいる。増やしたダンジョンの入口の中には国が発見できていない場所などもあり、そのような場所は誰でもダンジョンに入れたりする。
ダンジョンに入り、モンスターを倒したりダンジョンを探索したりと真っ当にダンジョンを攻略している人間。彼らは別に問題ない。むしろジャンジャン来て欲しい。
しかし、そうでない人間も存在する。
ダンジョンの中は誰にも見られることはない。それを利用してダンジョンを闇取引現場や不正悪事の場に利用している人間たちがいる。いわゆる犯罪者、悪人というやつだ。
だがそんなダンジョンの攻略などする気がない人間は求めていない。
ダンジョンとは己の力を示す場所。モンスターの討伐や探索をして対価に報酬を得るのが正しい利用方法だ。
狡い犯罪の場所に使っていいものではない。
これはダンジョンマスターのココだけでなくその上位存在であるノノも同意見だった。
なのでそのような現場を見つけ次第、ココは人知れず悪人を処理していた。
ちなみにこのことはトオル、ロロには秘密でココが内々に処理している。そして実はブランもこの件に協力していた。
ブランは現在、トオルの契約モンスターであるが元はココのモンスター。その繋がりは消えていない。そしてブランには探査能力があり、ココのカバーできない部分を担当していた。
実はトオルの知らない場所でブランはしっかり働いていたのだ。そしてノワールはそのことを知っているので普段だらけているブランに対して怒ったりせずにいた。
処理した悪人たちは地上では行方不明者として扱われているはず。そもそも後ろ暗い過去を持つ人間たちだ。いなくなっても問題ないだろう。
仮にこのことが地上で話題になっていても構わない。むしろ広まって欲しいくらいだ。
ダンジョンは命の危険が付きまとう場所。生半可な気持ちで入っていい場所ではないのだ。
踏み入れたその代償はその身をもって受けるべきである。
※※※
話題は変わり、トオルについて話し始める2人。
「ココちゃん、トオル君を篭絡するのってやっぱり無理そう?」
「そうですね。ワタクシたちに恋愛感情を向けることはなさそうですね」
「そっかぁ~」
トオルの存在はダンジョンマスターだけでなく上位存在のノノにとっても貴重だった。
ダンジョンマスターが快適に過ごせるスキルを所持しているのもそうだが、何よりも臆することなくダンジョンマスターと良好な関係を築けるその胆力。こんな人材は滅多に出会えることはないだろう。
ノノとしては是が非でもこちら側に取り込みたいと思っていた。
一番手っ取り早いのは色仕掛けで篭絡することなのだがロロはともかくとして、ココとノノという美少女がいながら全くそういう雰囲気にならない。
気になったココは以前トオルに恋人が欲しくないかとそれとなく聞いてみた。
何でも昔、女性関係で手痛い失敗をしたので恋愛はこりごりと答えた。
それならば天才完璧美少女和風メイドに手を出さないのも納得だ。
しかし理由はそれだけではないとココは思っている。
最初に出会ったロロ。これが原因なのではないか。
ロロはダンジョンマスターではあるが見た目と言動はお子様そのもの。最初はトオルが面倒を見ていた。
庇護欲からお世話をしていたのだろうが、今では父性のようなものが働いているみたいだ。
恋人という甘い関係ではないが親子のような関係。これはこれでアリだ。どちらにせよトオルと深い繋がりを持てたことはこちらにとって好都合。
幸い、その枠組みにはココとノノも含まれている。トオルがシェルターから出ていくことがないように今後も良好な関係を続けていきたい。
次回更新日は8/27(木)午前7時予定となります。
よろしくお願いします。




