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スキル『ダンジョンシェルター』  作者: わたがし名人


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第29話 疑似ダンジョン



 ダンジョンコアを吸収したことでスキル項目に新たな機能が現れた。それは、



____________


☆NEW☆


・疑似ダンジョンの作成


____________



「疑似ダンジョン?」


 トオルが?を浮かべていると、


「トオル、早く押してみるんだ」


 ロロに急かされる。


「わ、わかりました」


 試してみるのが早いと思い早速、スキル項目をタップしてみるトオル。



 するとリビングの壁に突然、ドアが現れる。


「ここが入口か!」


 ロロがドアを開けて中に入っていく。


「あっ、ロロ様。待ってください」


 慌てて後を追うトオルたち。




「ここが疑似ダンジョン……」


 ドアの向こう側には青空と草原が広がっていた。


「……この感じ。どうやら本当にダンジョンを再現しているようですね」


「そうだね~」


 驚いているココにノノも同意する。


 この空間はダンジョンのプロの2人のお墨付きを貰えるほど完璧にダンジョン内部が再現されていた。



「うおー、広ーい」


「ワンッ!」


 ロロといつの間にか一緒についてきたノワールは草原を駆け回っている。


「あの、アレは放っておいて大丈夫ですかね?」


「危険な気配は感じませんので問題ないかと。多分」


 心配するトオルにココは問題ないと答えた。



「それよりトオル君。お姉ちゃんこの『疑似ダンジョン』のこと、もっと詳しく知りたいな♪」


 ノノに言われトオルはスキル項目に表示された疑似ダンジョンを確認する。

 すると疑似ダンジョンの項目には新たに詳細が追加がされていた。


 確認していくと、



・広さは某夢の国と同じくらい。


 こういう広さの例って東京ドームを引き合いに出すから別の例で表現されているのは新鮮だ。とにかくこの空間がとても広いことはいうことはわかった。



・モンスターは出現しない。ただし契約モンスターは連れてこれる。


 モンスターは出せないらしい。あくまでダンジョンと同じ環境を再現できるだけみたいだ。でも契約モンスターは入れるみたいだ。

 現にブランがこの中を自由に駆け回っている。



・現段階では階層は1つだけ。制限解除により追加可能。


 現段階では階層はここだけのようだ。制限解除?何か条件を満たせば追加できるらしい。



・階層のカスタマイズ可能。現在は制限あり。制限解除によりカスタマイズの種類は追加されていく。


 これも条件を満たせばロロたちダンジョンマスターのように階層に手を加えることができるらしい。




 一通り見てみた感想。


 『疑似ダンジョン』の名の通りの機能だった。


 ダンジョンコアを吸収したのだから当然といえば当然なのかもしれない。


 今は色々と制限があるみたいだが、疑似ダンジョンを強化していけばその制限も解放されていくとのこと。


 それでも今の状態でも十分凄い。


 トオルの予想だと、これはスキルの確認や練習など地上でできないことを安全に行なう訓練所として利用することを想定した場所なのだと思う。


 しかし、ダンジョン内にしか存在できないシェルター内に『疑似ダンジョン』があるというのは矛盾しているがそれは深く考えないでおこう。



 だが戦闘スキルのないトオルにとっては宝の持ち腐れかもしれない。まぁそれは仕方ない。


 でも考えようによっては他の使い道もある。


 要は避暑地的なプライベート空間が増えたと思えばいいのだ。


 これだけ広ければ色々できそうだ。すぐに思いつくのはバーベキューやキャンプとかだな。


 トオルはかれこれシェルターから4ヶ月以上外に出てないので、疑似的空間とはいえこうして外に出られるのはうれしい。



 この『疑似ダンジョン』はトオルにとって、大当たりな機能だった。




 トオルと一緒に疑似ダンジョンの詳細を確認したココ、ノノからは、


「……つまり、この『疑似ダンジョン』の中であればトオル様もワタクシたちダンジョンマスターと同じことが行えるのですのね」


「やったぁ、これでトオル君も『こっち側』の仲間入りだねっ♪」


 と2人ともニッコリ笑顔だった。



 えと、これは素直に喜んでいいものなのだろうか?


 なんか同類認定された気もしなくはない。


 まるで囲い込みされたかのような恐怖を感じる。


 あれ、もしかして逃げ場なくなった?



 トオルはまた一歩、人外側へと足を踏み入れてしまったのだった。



「あははー」


「ワオーン」


 遠くでは無邪気にはしゃぐロロとノワールの元気な声が響き渡っていた。



 次回更新日は8/23(日)午前7時予定となります。


 よろしくお願いします。

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