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スキル『ダンジョンシェルター』  作者: わたがし名人


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第27話 人魚の肉

 次回更新日は8/19(水)午前7時予定となります。


 よろしくお願いします。



 ダンジョンマスターの上位存在こと、ノノがシェルターの新たな住人として加わる。


 ノノに対して最初は固まっていたロロとココもすぐに打ち解け、


「姉貴」


「ノノ姉」


 と呼ぶまでの仲になっていた。


「うふふ、よろしくねロロちゃん、ココちゃん」


 あっと言う間に仲良くなった3人を見てトオルは、女子スゲーと感心していた。




 シェルターの住人全員と無事仲良くなれたノノ。次は住居、部屋選びだ。


 拡張や部屋の追加に関してはストックが十分あり、増やすのはすぐにできる。



 トオルは早速アイテム一覧をノノに見せる。それを見たノノは、


「『ダンジョンシェルター』だっけ?このスキルとっても便利ね~」


「えと、ノノ姉はスキルのこと把握してるんじゃないの?」


「それは違うんだな~」



 話によると、ノノの担当はあくまでダンジョンとダンジョンマスターに関連することのみ。人間のことは管轄外とのこと。なのでスキルに関する知識はほぼない。


 それでもこのスキルの有用性については十分理解していた。



「ロロちゃん、ココちゃん。トオル君のこと大事にしなきゃダメよ~」


 ノノはロロとココにトオルの重要性を説く。


 ダンジョンマスターはノノと同じく、ダンジョンに関することしか力を発揮することができない。


 限定的ではあるが地上の生活、品々を再現できるスキル『ダンジョンシェルター』


 このようなスキル持ちかつ、ダンジョンマスターに好意的な人物が果たしてどれくらいいるだろうか。トオルがいかに貴重な人材なのかがよくわかる。


 そんな低い確率を早々に引き当てたロロは豪運だろう。



「でも人間って脆いからしっかり守らないとね♪」


 トオルはシェルター内にいれば死ぬことはまずないが、人間は脆弱な生き物だ。いつ不測の事態が起こるかわからない。何か保険が必要だろう。


 ノノがそんなことを話していると、


「ノノ姉、ご安心くださいまし。すでに手は打ってあります」


 ココがそう告げた。



 ココがトオルに対して行なったこと。それは、


「実は人魚の肉を食事に混ぜて食べてもらっていますの」


 え、何それ。初耳なんだけど。



 実はココ、こっそりトオルたちの食事にモンスターの人魚の肉を混ぜて提供していたのだ。


 人魚の肉は一見すると魚と同じ見た目な上に調理してしまえばトオルにバレることはなかった。


 そしてそれは一緒に食事をしていたロロも同様に口にしており、


「え゛、ボクも食べてるの?」


 そのことはロロも知らなかった。



「人魚のお肉かぁ~。確かにアレならトオル君向けだね。ココちゃんナイス♪」


「ワタクシ、天才完璧美少女和風メイドですので」


 そんなノノも納得の人魚の肉の効果。それは食べた者に老化の減退、寿命を延ばす、健康促進などを与えるというもの。


 伝承通りの不老長寿とまではいかないが、それに近い効果を発揮する。


 ちなみに本来より効果が低く作用している。

 これは現在ダンジョンにいる人魚のモンスターランクが低いのに加え、シェルター内だとスキルの効果でトオルに効きにくいという理由からだ。


 今はまだそれほど変化はないが、それでも少しづつ効果は出ているらしい。このまま食べ続けていれば本来の効果を得られるとのこと。


 少なくともトオルは一般的な男性よりも寿命が延びて健康的で若々しい姿を長く保つことが可能になった。



 ちなみにダンジョンマスターには効果はない。


 その言葉にロロはホッとしていたが、そもそもダンジョンマスターに寿命は関係ない。すでに似たような効果を持っている。



 そんな激ヤバ効果を持つ人魚はダンジョンの下層にある地底湖エリアでココがひっそりと管理していた。

 地底湖エリアはダンジョン内でも隔離された場所に設置してあるとのことなので、少なくとも地上の人間には見つかることはないという。


 それを聞きトオルは安心する。もしこのことが人間に知れ渡っていたら大変な事態になっていた。より一層ダンジョン攻略に力を入れられてしまう可能性もあった。



 そんなこんなでトオルは知らぬ間に一服盛られていたのだが、まぁ悪意はなくトオルを想ってのことなので良しとすることにした。



 ココの報告を聞いたノノは、


「よかった~、それならずっとこのままでいられるね♪」


 とニッコリ。



 その言葉にトオルは思わず背筋が震える。


 しかしよくよく考えてみると、何もせずここにいるだけでいいのだ。うん、特に不都合はないな。


 ま、いっか。


 トオルは深く考えるのをやめた。



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