第25話 ダンジョンのテコ入れ
◇ダンジョン生活4ヶ月◇
自衛隊がロロのダンジョン第15階層を突破してからしばらく。
あれからブランとノワールは他のダンジョンをどんどん攻略していき、その度に攻略したダンジョンの跡地に新たなダンジョンの入口を追加していった。
新しく設置したダンジョンの入口は全てロロのダンジョンに繋がっているが、繋がっている場所は全てバラバラだ。
そしてダンジョンの入口を増やしたことでロロのダンジョンは大きく手が加えられていた。要するにテコ入れだ。
今までは全ての階層が一本道のようになっていて、順繰りにそのまま進んでいけば最下層へ辿り着くようになっていたが、新たにダンジョンの入口を増やしたことでロロのダンジョンは変化を遂げていた。
元々あったロロのダンジョンの入口は正規ルートとして、そのまま進んでいけば最下層へ辿り着けるようになっているが、新たに追加した他の入口のそのほとんどは途中で行き止まりになっている。
簡単に言えばハズレルート、要は正規のルートに繋がる入口を減らしたのだ。
これはダンジョンが大きくなったことで起こるかもしれない見落としがあった場合への保険だ。
ダンジョンマスターのロロ、ココはダンジョンの異変を感知することができるが、ダンジョンの規模が大きくなったことで対応が間に合わない場合もあるかもしれない。
そこであえて行き止まりを作ることでその負担を軽減することにしたのだ。
それと狙いがもう1つあり、行き止まりを作ることでそこをダンジョンの最下層と誤認させて、人間たちには独立したダンジョンだと思わせるという作戦だ。
実際はロロのダンジョンの扱いとなっているが、関連がないようにするためのアリバイ工作だ。
今の段階ではそこまで考えが及ぶことがないと思うが、バレる心配はないと思うが念のために行なう。用心に越したことはない。
いずれこの国にあるダンジョンはロロのダンジョンだけとなる予定だ。
例えば地上の人間に今あるダンジョンは全てロロのダンジョンだとバレたと仮定する。
そして巨大なダンジョンが危険だと認識されダンジョンを無くそうという流れになったとしよう。
その結果、元々ある入口が正規ルートだとバレて攻略が集中する。
いくらダンジョンを大きくして強化しても、全ての人間が1つのダンジョンに集中して攻略に専念すれば最下層まで届いてしまうかもしれない。
最悪を想定して動く必要があった。
その件で懸念が1つある。それはダンジョンが消滅した場所にまたダンジョンが生まれることに関して。今のところ、この現象を目撃されているのは半々だ。
ロロのダンジョンだけこの変化がないと怪しまれる可能性があった。
一応、ダンジョンのなかった場所にもいくつか入口を設置してみたりしているので上手く誤魔化せているはずだ。
人間たちには疑問に思われているかもしれないが、ロロのダンジョンと繋がりがあることだけがバレなければそれでいい。
そんなこんなでノワールが行ける距離にある近隣のダンジョンはほとんど吸収してしまった。
今後は更なる遠出が必要になる。
ココの話によると他に存在するダンジョンは数日がかりの場所にあり、ダンジョンの規模も大きいものが増えていくとのこと。
今までみたいに散歩気分で行かせるのが難しくなっていた。しっかり計画を立てて、入念な準備が必要となる。
今後の方針を話し合うトオルたち。
「現在、ダンジョンは想定通りの大きさになっております。しばらくはこのままでもよろしいかと」
「そうですね。ブランとノワールにはかなり頑張ってもらったから、しばらくはゆっくりしてもらってもいいかもしれませんね」
「ボクもそれでいいと思うぞ」
「ノノもその意見に賛成だゾ♪」
え、誰?
トオルたちの会話に謎の人物が加わる。
人知れずシェルター内に侵入者が発生。
ココみたいなダンジョンマスターが来たのか。
トオルがそう思っていると、
「あ、あ……」
「アナタ様が何故ここに……」
ロロ、ココの顔は青ざめていた。
え?ヤバいやつ来た?
もしかしてピンチなのか?
お知らせです。ストックが切れたので次回より隔日更新となります。
次回更新日は8/15(土)午前7時予定となります。
よろしくお願いします。




