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スキル『ダンジョンシェルター』  作者: わたがし名人


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第23話 第15階層のその先



 トオルたちがゲームで遊ぼうとした時、


「トオル様、どうやら人間たちが第15階層を突破したみたいでございますわ」


 ココがそう言った。



 トオルがダンジョン生活を始めてから早3ヶ月。


 そして自衛隊の人間がこのダンジョンにやってきて2ヶ月。


 ついに第15階層が突破された。



 第15階層には階層ボスが存在する。名をタイラントベアといい、巨大なクマの姿をしている。

 タイラントベアは階層ボスとして人間たちの行く手を阻んでいた。



 そんなタイラントベアを倒したのは、このダンジョンに出入りしている自衛隊の人間で最初に入ってきたパーティのメンバーだった。

 このダンジョンに来る人間の中では一番の古株で、1番強いパーティだ。



 このダンジョンに出入りしている自衛隊の状況だが、多くの隊員たちはダンジョンに入り、レベリング中心に活動していた。


 まさにトオルたちの目論見通りの行動をしていた。


 トオルが普段から様子を見ていた限りでは自衛隊の人々は攻略よりもレベリングを優先していたので、第15階層が突破されるまでまだ時間が掛かりそうだと思っていた。


 一応、先に進める位の実力がある一部の者たちは第15階層まで来ていて、タイラントベアと対峙していたのだが、本腰を入れて攻略する気はないように見えた。


 無理をせず情報を集め、まるで力試しをしているかのように自分たちの力を確認しながら戦っていた。



 しかしタイラントベアは倒された。


 どうやら先の自衛隊パーティはタイラントベアを安全に倒せる位には強くなったらしい。


 しっかりと地に足のついた訓練をして実力が付いていったのだろうか。


 着実に成果が出ているみたいだ。


 このことは果たしてトオルたちにとって喜ばしいことなのか?


 それは今はわからない。




 ちなみに次の階層、第16階層からは洞窟エリアが続く。


 これはロロの元あったダンジョンのエリアではなく、別の攻略したダンジョンの階層のものだ。出現するモンスターも当然違う。


 主なモンスターはスライム。


 ここでのスライムは雑魚モンスターではなく、厄介なタイプに分類される。


 酸性のボディを持ち、物理攻撃に強い。安全に倒したいのなら魔法スキルが必須だ。


 しかもここに出現するモンスターはスライムだけではない。


 コウモリやネズミといった小型のモンスターが多く存在する。こいつらも厄介だ。

 数が多い上に、小さいので攻撃を当てにくい。


 高火力の魔法と豊富な魔力がない場合はちまちま倒すしかないのだ。


 洞窟という環境も戦闘をする上で不利だったりする。前後を塞がれてしまえば逃げることが困難になるからだ。



 第16階層にやってきた自衛隊パーティは少し様子を見ただけですぐに戻っていった。

 確か彼らのパーティの魔法担当はそこまで強くなかった気がする。


 無理をせず引き返したのは賢明だと言えよう。


 この後、彼らがどういう方針を取るかはわからないが、それでもこの洞窟エリアはしばらくは攻略されることはないと思う。


 モンスターと環境の厄介さもあるが、当然モンスターの強さも第15階層より強くなっている。


 当分の間はレベリングに勤しむのではないだろうか。



 ちなみに洞窟エリア以降の階層はココが直接手を加えているのでより一層、難易度は上がっている。


 仮に洞窟エリアを突破できたとしても、今の自衛隊パーティの実力ではこのダンジョンを攻略するのは不可能だろう。


 何より最下層手前にはオークキングたちが控えている。アレを倒せるとはとても思えない。




 しかし別の懸念はある。


 このダンジョンが攻略される心配はないが、ここ以外のダンジョンは攻略されてしまう可能性があるのだ。


 外の状況は詳しく知らないので憶測になるが、ダンジョンを放置していることはないと思う。

 人間たちがダンジョンをどうしていきたいかは不明だが、それでも不要なダンジョンはあるだろう。


 タイラントベアを倒したことで、他のダンジョンの攻略の目途が立った可能性もある。



 トオルたちとしては1つでも多くのダンジョンコアを吸収してダンジョンを大きくしていきたい。

 そのため人間たちよりも先に他のダンジョンを攻略していく必要があるのだ。


 幸い、ブランとノワールは合体という新たな力を手に入れたので、そこらのダンジョンなら容易く攻略できるだろう。


 ブランとノワールには負担をかけることになるが、先を越されないように今まで以上にペースを上げる必要がありそうだ。



 この先、何が起こるかわからない。用心するに越したことはない。


 自分たちの安穏のためにも胡坐をかかずにやれることをしていこう。



 が、今はダンジョンマスターたちのご機嫌とりの方が大事だ。


 トオルたちは改めてゲームの順番を決めるためのゲームを始めるのだった。



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