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スキル『ダンジョンシェルター』  作者: わたがし名人


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第18話 天才完璧美少女和風メイドの完璧な1日



 朝。


 地上では朝日が昇る前。


トントントン


 キッチンから小気味よい音が響く。


 以前より広く、使いやすくなったキッチンではココが朝食の支度していた。



 しばらくすると、


「おはようございます」

「おはよう」


 トオルとロロがやってくる。


「ロロ様、トオル様、おはようございます。間もなく出来上がりますので、少々お待ちください」


 2人は時間通りにちゃんと起きられるので、ココが起こす必要がない。出来上がった朝食をテーブルに並べはじめる。



「「「いただきます」」」


 今日の朝食はトースト、サラダ、スクランブルエッグなど。ロロからのリクエストだ。


 献立はある程度は決めているが、リクエストがあれば随時対応している。天才完璧美少女和風メイドなのでそれくらいは朝飯前だ。




 朝食を終え、片付けを済ませたココはロロの部屋へ向かう。


「それではロロ様、今日の勉強を始めますよ」



 ロロはダンジョンマスターだが、ダンジョン関連の知識に乏しいのでココが教えていた。


 ぶっちゃけココがダンジョンの運営をした方が手っ取り早いのだが、将来のことを考えるとロロに任せた方が良いと判断した。


 まだ未熟で幼い言動が多いが、彼女も立派なダンジョンマスターの1人だ。


 それにダンジョンマスターとしてのロロの潜在能力は高く、その能力はいずれココを上回ると思われる。


 この先、このダンジョンは様々な危機に見舞われる可能性があるとココは予測している。

 ロロを立派なダンジョンマスターに成長させることが、生き残る確率を上げる最善の方法だった。




 ロロの勉強が一区切りつく頃、昼食の時間となる。


 朝の時点で仕込みは終わっているので手早く用意する。



 昼食後。


 ロロはお楽しみタイムの時間。お気に入りのアニメを見ている。



 ココはトオルとシェルターのポイント交換のアイテム一覧を見ていた。


 今までは食事家事全般をトオルが行なっていたが、現在はココが引き継いでいる。


 そのため、ポイントの残高やアイテムのラインナップを共有する必要があり、こうして確認する機会を設けていた。


 トオルとココは贅沢をするタイプではないので、基本的には必要最低限のものにしかポイントを使用しない。


 この辺りの金銭感覚の差に違いがないのは助かる。不要な言い争いやトラブルがないことは、共同生活をする上ではとても大切なことだ。




 トオルとの情報のすり合わせを終えた後は、シェルター内の掃除をする。

 このシェルターは手入れ不要らしいが清潔に保つことは大事だ。


 天才完璧美少女和風メイドは決して手を抜かない。


 掃除や雑務を済ませるとそのまま夕食の準備に入る。



 夕食後。


「さ、ロロ様。お風呂に行きますよ」


 ココはロロと一緒にお風呂場に向かう。


 お風呂場もキッチン同様広くしてもらい、2人で入っても大丈夫な広さに変わっていた。


 ロロは身だしなみこそはちゃんとしているが、入浴や美容に関しては少々雑な部分があった。

 ダンジョンマスターには入浴や美容は本来必要ないが、だからといってやらなくていいという訳でもない。

 手入れをすればするほどキレイになるのだ。


 ならば天才完璧美少女和風メイドとして、主のお世話を全力で尽くすのは当然のことだろう。




 お風呂から上がり、ロロのお世話を終えたココは自分の部屋に戻る。


 大正ロマンな和洋折衷で構成された部屋はココのお気に入りだ。


 部屋に僅かに香る畳の匂いも心地良い。


 アンティークな和製タンスにはたくさんの服が入っている。


 今日は袴姿にフリルエプロンのメイドスタイルだった。



 この部屋も服もトオルのスキルのポイントで交換したものだ。


 トオルのスキルは本当に素晴らしい。



 このシェルターの持ち主である人間、トオル。


 ダンジョンを攻略せずダンジョンに住むことを選んだ変わり者の人間だが、ダンジョンマスターにとっては貴重な人材だ。


 彼はダンジョンマスターに様々なものを与えてくれる。


 ダンジョンマスターもアイテムを生み出すことはできるが、それはダンジョンに関連するものだけだ。地上にある日用品などは生み出せない。


 ここまで快適な暮らしができるのはトオルのおかげといっても過言ではない。


 性格は穏やかで人格も好ましい。ココはトオルに好印象を持っていた。




 ここでの生活は本当に素晴らしいものだ。


 素晴らしい住居に尽くすべき主もいる。


 ダンジョンマスターは本来孤独な存在だ。


 しかし、ココはメイドという他者に奉仕する性質を持ってしまった。


 寂しさに駆られ思い切ってダンジョンから飛び出してしまったが、結果的には正解だった。


 このような素晴らしい出会いに恵まれたのだから。



 この平和な日常がずっと続くようにココは全力を注ぐ。


 このダンジョンにはもっともっと大きくなってもらわないと。


 脅威は人間だけではないのだ。


 今はまだ気付かれていないが、いずれその存在はここにやってくるだろう。


 それまでにロロとダンジョンを強くする。


 ココは改めて決意し、眠りにつく。




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