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スキル『ダンジョンシェルター』  作者: わたがし名人


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第17話 歓迎会



「それでは僭越ながらワタクシが音頭を取らせていただきますわ。天才完璧美少女和風メイドの着任を祝って、カンパーイ」


「カンパーイ!」

「乾杯」



 ココの音頭取りでココの歓迎会が始まる。


 歓迎会はトオルとロロが提案した訳ではなく、ココが自らやりたいと申し出たのだ。


「こういう時、お人間さんたちは歓迎会をするのでしょう?」


 と一言。


「歓迎会って何だ?」


「皆で楽しくお菓子を食べる集まりでございますのよ」


「えっ、おやつの時間じゃないのにお菓子食べてもいいのか!?」


 トオルは普段、ロロにおやつの時間にしかお菓子を与えていない。ダンジョンマスターが人間と同じかはわからないが、食事のバランスは大切だ。


 シェルターで生活する以上、ロロにはある程度トオルに合わせてもらう必要がある。その一環として、生活面では人間と同じような扱いでロロと接していた。


 というのは建前で、本音はバカ食いされてポイントの無駄遣いを防止するためだったりする。



 テーブルにはお菓子とジュースが山のように並んでいた。ストックしておいた分をとりあえず並べたみただけだが、これだけでもちょっとしたパーティーっぽく見える。


 乾杯を済ませるとロロはすぐさまお菓子に夢中になる。


「こんなにお菓子がいっぱい食べられるんだったら、毎日歓迎会してもいいな!」


 手元にたんまりお菓子を集め、小さいお口でお菓子をパクついているロロを尻目に、トオルはココに気になってることを聞くことにした。




◇教えてココちゃん◇


Q:そもそもダンジョンマスターってダンジョンの外に出られないのでは?


A:特別な裏技を使いましたの



 ダンジョンマスターには制約がある。その1つがダンジョンマスターはダンジョンの外に出られないというもの。

 しかし、その制約をかいくぐるための裏技というものがあるらしい。


 その1つが配下のモンスターとダンジョンマスター自身を融合させるというもの。

 この裏技を使い、ココはダンジョンの外に出られるようになった。



Q:元の管理していたダンジョンは?


A:ワタクシの中にありますわ



 ココが言うにはダンジョンとダンジョンマスターは一心同体。そしてダンジョンコアそのものがダンジョンマスターの本体なのだという。

 なので元の場所にあったココのダンジョンは無くなっており、現在はココの中にあるという。

 ちなみにココのダンジョンはゾンビとゴーストしか出ないダンジョンで、浄化魔法必須とのこと。



Q:ところで白ポメはどこに行ったの?


A:あ、忘れていましたわ



 ココの膝の上から白ポメが現れる。


「アオン……」


 何だか先程よりも随分しなびてるように見える。


「あ、そうだ。せっかくなのでこの子と契約してくださいまし」


 白ポメはノワールと同種らしい。


 特に断る理由もないのでトオルは白ポメと契約する。


「アオン」



____________


☆NEW☆


契約モンスター:ヘルハウンド


____________



 契約した白ポメにはブランと名付ける。ノワールと同じく毛色で決めた。名前はわかりやすいシンプルなのが1番だ。




 とりあえずココへ聞きたいことは聞けた。


 ちなみにロロにココが話したことを知っていたか聞いてみたところ、


「え、何それ。知らない。ココ、なんで知ってるんだ?」


「ワタクシ、天才完璧美少女和風メイドですので」



「……」


 2人のやりとりを聞いてトオルは考察する。


 ロロよりもココの方がダンジョンについての造詣が深い。どうやら同じダンジョンマスターでも知識に差があるらしい。


 天才完璧美少女和風メイドだからと簡単に片づけていい問題ではない。


 これは単純にダンジョンマスターとしての能力の差なのか。

 それともダンジョンマスター毎に特化した能力があるのか。



 今後も他のダンジョンマスターと出会う機会がないとは言い切れない。ココは友好型のダンジョンマスターだったが、敵意のある者も存在するだろう。


 対策のためにもダンジョンマスターのことをもっと知っておかなければならないとトオルは感じた。



 なんせロロはチョロい。あっさり騙されてポンをかまされても困る。


 シェルター内は安全だが、ダンジョンが無くなる事態になるのは避けたい。ダンジョンがなくなればトオルは地上に放り出されてしまう。


 ロロとトオルは運命共同体なのだ。


 今後のトオルの快適ライフのためにもロロには頑張ってもらいたい。



 幸い、ココはダンジョン管理が得意と言い切るだけのことはあり、頼りになりそうだ。彼女がいれば最悪の事態は避けられそうだ。


 ロロとココの2人には仲良くやってもらいたいと思った。




「ワタクシからも質問よろしいでしょうか?」


 今後はココからロロやトオルへの質問が始まる。


 ロロへの質問は主にダンジョンの現状など。情報の共有だけなのであっさりと終わる。



 一方トオルへは、


「お人間さんのこと、たくさん聞かせてくださいまし」


 ダンジョンマスターは人間と交流することはないらしい。なのでトオルの存在は貴重なのだという。


 トオルは質問攻めにあい、人類のこと、地上のことなど根掘り葉掘り聞かれた。




「ふう、大満足ですの」


 ココは知りたいことを知れて大満足の様子。スッキリツヤツヤな顔でニコニコしている。


 一方、トオルは精気を吸われたかのようにぐったりとしていた。


 長時間話し込んでいたので、ロロは途中で飽きてしまいスヤスヤ寝ていた。


「あらロロ様、こんなところで寝ていたら行儀が悪いですのよ。お部屋へ行きましょう」



 ココがロロを部屋に連れていく様子を見守るトオル。


 なんだかんだでココと距離が縮まったような気がする。

 まだ信用しきれてはいない部分もあるが、上手くやれそうだなとは思った。



 こうしてココの歓迎会は幕を閉じた。




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