第16話 おしかけメイド
ロロが白ポメに手をかけようとしたその時、
「ちょーっとお待ちくださいまし!」
白ポメから待ったの声をかかる。その直後、白ポメがいた場所には1人の女性が立っていた。
「誰だお前」
ロロが鋭い目つきで和風メイド服を着た黒髪赤目の女性に問いかける。
「ワタクシは天才完璧美少女和風メイド兼ダンジョンマスター、ココと申しますわ。以後お見知りおきを」
まくし立てるように早口で名乗った天才完璧美少女和風メイド兼ダンジョンマスターのココは、息つく間もなくシェルターに入ってきた。
ガチャ
「あら、中々良いお家ですわね~」
ズカズカ遠慮なくシェルターの中を見て回るココ。
「え?なんで?」
突然の侵入者にトオルは思わず固まってしまうが、すぐにスキル項目を確認した。
すると、
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・シェルターを設置したダンジョンのダンジョンマスターはシェルターを自由に出入りできる。
☆NEW☆
・友好型のダンジョンマスターも対象に含まれる
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知らない項目が増えていた。友好型?なんだそれ。相変わらずこのスキルは不親切だ。情報解禁が遅すぎる。
しかしスキルを信じるのであれば、目の前にいる女性は少なくとも敵対していないことは確からしい。が、まだ警戒を解くわけにはいかない。
「アナタがこの家の家主様ですか?ふむふむ……」
ココはトオルの前にやってくると、ジロジロトオルのことを観察し始める。
「……なるほど」
何か納得したかと思えば、
「決めました!ワタクシ、今日からここにお世話になりますわ!」
高らかに宣言をした。
「おいお前!ボクを無視して勝手に決めるな!」
このダンジョンの主であるロロが激怒しながらやってきた。
無視されてかなり怒っている。
マズい。いくらシェルターの中では攻撃できないといってもダンジョンマスターが2人もいるのだ。何が起こるかわからない。
シェルターの中にピリピリした空気が流れる中、ココが動く。
「いや~このダンジョンとっても素敵ですね~。きっとダンジョンマスターの手腕が素晴らしいのでしょうね~」
ココは唐突にロロをヨイショし始める。
明らかに見え透いたヨイショなのだが、
「そ、そうだろ~。お前わかってるな!」
ロロの態度はあっさりと軟化する。先程とは様子が一変してニコニコだ。チョロすぎる。
「そんな素晴らしいダンジョンにどうかワタクシを置いてもらえないでしょうか?」
ココは一気に畳みかける。そして、
「そこまで言うなら仕方ないな~。いいぞ」
ロロはあっさりとココの滞在を認めたのだった。
「ところで、ココ様はどうしてこのダンジョンにやって来たのでしょうか?」
トオルはココにこのダンジョンにやってきた理由を聞く。
「それには深い訳がありますの……」
ココの説明によると
・ココのダンジョンは不人気で人が誰も来ない
・でも天才完璧美少女和風メイドだから誰かにご奉仕したい
・ぶっちゃけヒマでヒマで仕方ない
・そうだ、引っ越ししよう
という訳で最近人の出入りが増えているロロのダンジョンに来たそうだ。
このダンジョンにダンジョンマスターがいなければ吸収して自分のものにするつもりだったらしい。
しかしダンジョンマスターのロロがいたので、自分は間借りさせてもらえればいいとのこと。奉仕できるなら対象は人間でなくてもいいらしい。
「ところでココは何ができるんだ?」
ロロがココに問う。奉仕しに来たというからには何か仕事ができるはずだ。
「はい!炊事洗濯家事掃除。ダンジョン管理まで何でもお任せくださいまし!」
ドンと胸を張るココ。
「えっ?ダンジョンマスターの仕事もできるのか?」
「ええもちろん。ワタクシもダンジョンマスターですので」
ロロは自分の仕事をしなくていいと知り、目の色を変える。
「やったー!」
喜ぶロロ。そしてトオルも、
「えと、つまり今まで私たちがやっていた仕事を全てココ様が請け負ってくれるということでよろしいでしょうか?」
「ええ、それが天才完璧美少女和風メイドの使命でございますから」
ということは今後はロロのお世話もココがやってくれるということか。これは正直助かる。トオルも心の中でガッツポーズをする。
ロロとトオルは仕事から解放される。そしてココはご奉仕できる。みんなハッピー。
うん、問題ないな。
こうして新たに天才完璧美少女和風メイド兼ダンジョンマスターのココが仲間に加わった。




