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スキル『ダンジョンシェルター』  作者: わたがし名人


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第14話 侵入者



 ロロがダンジョンに侵入者が来たと知らせる。


 おそらくダンジョン拡張の時に起こった揺れが地上でも確認され、そして震源地であるこのダンジョンに様子を見に来たといったところだろうか。


「ロロ様、他に何かわかりませんか?どんな姿をしているとか?」


 トオルはロロに侵入者の情報を聞く。しかし、


「そういうのはわからない!」


 はっきりと断言されてしまう。


 ロロはダンジョンの中に侵入者がいることは感知できるが、それ以上のことはわからないらしい。

 感知できるのは精々、大まかな人数とその現在地くらいとのこと。


 侵入者は10人ほどで第1階層に入ったばかりだという。



 もっと詳しい情報は諦めるしかないか。と思ったが、


「あ、ノワール」


「ワフ?」


 ノワールにアクションカメラを試してもらうつもりだったのを思い出す。これで確認できるではないか。



「ノワール頼んだよ」


「ワンッ!」


 ノワールがシェルターから出るのを見送ると、トオルとロロは早速テレビを確認する。


「問題なさそうですね」


「へー、こんな風に映るのか」


 テレビの画面には洞窟の映像がはっきりと映っていた。


 アクションカメラは問題なく作動しているようだ。


 ノワールは転移陣に入ると映像は光で真っ白になる。離れて見ててよかった。あっ、ロロが目をやられてる。


 光が収まると、映像は先程の洞窟から草原に周囲は変わっていた。移動が終わったようだ。



『ノワール、見つからないように気をつけながら索敵して』


 トオルはノワールに見つからないように指示を出す。


 トオルはレベルアップしたことで契約モンスターと念話ができるようになっていた。更にアクションカメラの映像でノワールの状況がわかるので、正確な指示出しが可能だ。



 ノワールが索敵していると、遠くに人間の集団らしきものが映る。人数は10人くらいでまとまって行動している。ロロが言っていた侵入者の人数と一致する。


 観察しているとその動きは統率されており、まるで軍隊みたいだ。周囲を慎重に警戒しながら進んでいる。



『ノワール、もう少し近づけないかな?』


 ノワールに近づくように指示を出す。ノワールがそろりと侵入者に近づいていく。


 まだ少し距離があるが、これ以上近づくと見つかってしまうだろう。それでも侵入者が何者かはわかった。


 全員迷彩服で身を包み、物々しい装備をしている。自衛隊で間違いないだろう。少なくとも民間人でないことは確実だ。



「自衛隊か……」


 ダンジョンに人が来ることは織り込み済みだったがトオルは少々戸惑っていた。


 思っていたのと違う。


 トオルはてっきり民間の協力者、探索者的な人間が来ると思っていたのだ。


「あ、そうか」


 と、ここで気付く。


 ダンジョンが発生してからまだ一ヶ月しか経っていない。そんな状況ではそもそも民間人にダンジョンが解放されるはずがない。ならやってくるのは当然、自衛隊などの国の組織の者たちだろう。


 トオルはずっとダンジョンで過ごしているので感覚がマヒしていた。


 そのような状況ならばおそらくダンジョンの入口は封鎖されてるだろう。それならダンジョンに人が来ないのも納得だ。




 慎重にだが順調に進む自衛隊の隊員たち。


 と、モンスターを発見したようだ。戦闘が始まる。隊員たちはナイフや銃剣を使い応戦している。


 この階層はラビットしか出ないのでそこまで苦ではないだろう。隊員たちは難なくラビットを倒していた。


 トオルたちは草原ダンジョンを初心者向けと想定していた。


 出現モンスターは獣系でそこまで強くない。このレベルなら死者は出ないはず。

 


 そういえば銃火器ってダンジョンの中では使用できないのだろうか。


「ロロ様、ダンジョンにの中で銃火器って使えないんですか?」


「ああ、使えないぞ」


 やはり使えないらしい。ダンジョン作品のテンプレ通りだ。



 その後も続く戦闘の様子を大変そうだなぁと眺めていると、


「あ、魔法だ」


 隊員の1人が魔法を放った。火の玉でラビットを攻撃する。


 やはり魔法スキルは存在するのか。ファンタジーの定番の魔法を見て、少し羨ましくなったトオルだったが、戦いたくないから『ダンジョンシェルター』でいいやとすぐに思い直した。




 隊員たちは3時間ほどして第5階層まで到達する。このまま進むのかと思いきや、隊員たちは周囲の様子を確認したら元来た道を戻り始めた。


 どうやら一旦地上に戻るようだ。



『ノワール、戻ってきていいよ』


 隊員たちがダンジョンを出たのを確認するとノワールに帰還指示を出す。




 突然の侵入者に驚きはしたが、特に大きな被害もなく済んでよかった。


 改めて認知されたことで今後も調査でこのダンジョンに人が出入りすることは間違いないだろう。


 現在のダンジョンは前のゴブリン、オークとは違い、今の浅い階層にはラビットなどの獣系モンスターが多い。


 銃火器が使用できなくても比較的難易度は低いはずだ。


 ダンジョンに入る以上、自衛隊の人たちもレベリングが必要なはずだ。


 このダンジョンが初心者向けに使えると判断されれば訓練用ダンジョンとして利用されるだろう。


 そうなったらダンジョンに定期的にエネルギーが入ることになり、エネルギー問題の解消にもなる。




 ただ一応、警戒すべき懸念もある。


・このダンジョンの以前の状態を知っているのか?


・ダンジョンが拡張したことで階層が変化したことがバレているのか?


 それによっては今後の拡張のタイミングを計る必要がある。



 これからは今後を見据えて行動していくことが大事になってくるだろう。


 トオルは局面が1つ変わったのを感じた。




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