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進め!進め!進め!!

あらら~(作者)さん、あさっての夜ウチのケイちゃんを一晩預かってもらえないかしら?」

 ニンゲンが電話で話してるのはカモネギ(カメおばさん)

 一晩、おばさんの日本イシガメ、ケイちゃんがウチでお泊まりしにくるみたい。


 前にニンゲン(あらら~)が深夜まで残業でボク達はカメおばさんのお家にお泊まりしたことがある。

 その時、ケイちゃんに初めて会ったんだ。

 あの日、ボクはお腹空きすぎてあまり記憶がないけど、泳ぐのが上手くてごはんをたくさん食べてたような気がする。

 でも、シャイな子でボク達にはあまり近づいて来なかった。


 そして・・・


「ケイちゃん、ようこそ!」

 そう言うとニンゲンはケイちゃんをボク達のお家に放した。

 ケイちゃんは甲羅に縮こまって様子を窺う。


 ・・・


 ・・・


 ・・・


 足がユルユル動き始めた。


 なんかリズムを取ってタイミングを計るみたいに。


 首がそーっと伸びてきて周りを確認。


 右ヨシ!


 左ヨシ!


 ・・・


 ・・・


 吶喊(とっかん)


 フルスピードでカメダッシュ。

 っていってもプラケースに頭がぶつかって前には進んでないよ?


 フルスピードは手足の回転数だけ・・・


「あらら、カモネギ(カメおばさん)家ではもっと自己主張の激しいボーちゃんみたいな子だと思ってたけど?」


 うんうん。同意します。


「ごはんだよ~。今日はケイちゃんが来てるから美味しいのを奮発するよ!」


 え、ナニナニ?


 あっ、キター キビナゴのみじん切り!


 ケイちゃんの周りにパラパラ撒かれるとケイちゃんは手足を止めておそるおそるパクリ。


 ボク達三匹が黙って見てるワケないよねー


 ボーちゃんがケイちゃんの背中を乗り越え、顔の左側の獲物をガブリ。

 ロゼちゃんはケイちゃんの右手のすぐ側のをガブリ。

 ボクはケイちゃんの咥えてたのをガブリ。

 次の瞬間みんな散り散りに去っていった。


 ケイちゃんは青い顔をして・・・まあ、緑色かな・・・

 ひたすら前に進む。

 ケースに阻まれちっとも進んでないけど。


 なにかがケイちゃんを突き動かす。


 ここから消えたい・・・と。



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