地に還る
凹ちゃんがお星様になった。
魂ってあるのかな?
すーっと離れていくのかな?
それとも、ゆっくり離れていくのかな?
あるいは、世界を見てから空に登って
お星様になるのかな?
ボクには凹ちゃんの魂は見えないけど、
もしかしたら近くにいてくれるかもしれない。
目印は元の身体だよね?
今は凹ちゃんに寄り添って過ごそう。
凹ちゃん、大好きだよ。
いつの間にかボーちゃんとロゼちゃんがやってきた。
凹ちゃんを食べに来たんだ!
ボーちゃんが凹ちゃんをクンクン嗅いでる。
させないよ!
ボーちゃんと凹ちゃんの間に割って入る。
頭を突き合わせて睨む。
いつもは目が合っただけで震えて逃げ出してたけど
今は・・・今だけは逃げないもん!
ボーちゃんと睨み合う。
・・・・・・すーっと離れていった。
そっとロゼちゃんが寄って来て囁く。
マインちゃん、凹ちゃんと仲が良かったよね。
でも、ぼくもボーちゃんも凹ちゃんの
兄弟なんだ。
一緒に送ってあげたいんだ。気持ちは一緒さ。
そうだった。
いつも意地悪ばっかりするボーちゃん。
ちょっとボケーッとしてるロゼちゃん。
あんまりお話ししないけど、この二人も
ボクの兄弟達。
五匹孵化して今は、三匹しかいない
同期の血を分けた兄弟達だ。
一緒に凹ちゃんを送ってあげよう。
朝まで四匹で寄り添って過ごした。
いつものようにニンゲンが顔を出す。
「朝ご飯だよ~
うん?どうした?四匹でそんなにかたまって。
あれ?・・・凹ちゃん?反応ないなぁ・・・
目を閉じて寝てるのかな?
動かない・・・
凹ちゃん?
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
そうか・・・
逝っちゃったんだね。
産まれて来て3日・・・早すぎるよ・・・
つらかったか?
恨んでるか?
どう思ってるのかわからないけど、
ウチの子に産まれてくれてありがとう。
ゆっくりお休み。
地に還って。
そしてまた産まれておいで。
もし、叶うならまたウチの子として帰っておいで。」
ニンゲンが泣きながら凹ちゃんを優しく見つめて話しかける。
ニンゲンも凹ちゃんが好きだったんだ。
そんなニンゲンがちょっとだけ好きになった。
その後、ニンゲンはボク達の水槽の先にある“茂み”に凹ちゃんを埋葬した。
墓標代わりに“ブロック”を置いて。
「これで犬猫に漁られたりせず安眠出来る。
そして、
“ 地 に 還 る ”
また、ウチに(産まれて)来いよ。
凹 ち ゃ ん 。」
親の心子ガメ知らず をご愛読頂きありがとうございます。
この小説を書こうと思ったのは
マインちゃん達がウチの子として産まれて来た、こんな事があった、あんな事も・・・
っていう生きた証を残してあげたかったから。
出会って数日のマインちゃんはそれはもう死を待つばかりの弱々しい子でした。
凹ちゃんは甲羅が少し凹んでいるけど、結構食べて普通にしてたのであまり気にかけていなかった。
後の二匹は全く不安なしな健康優良児。
そんなワケで主人公をマインちゃんにしたのです。
でも、本文に書いたように凹ちゃんはお星様になりました。
人の記憶から消えた時が本当の死ではないか?
ですので、勝手ながら凹ちゃんは読者の皆さんと僕の心にいるうちはまだ生きてると。
そう思ってます。
湿っぽい話は今話で終わり・・・の筈。
ほのぼのとした話はまだ続きます。
今後ともお付き合い頂けると幸いです。
2020/09/24 @あらら~




