表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マイうぇい!  作者: 綾式御人
第三章 僕以外に主人公はいないよね? ……お、おう!
PR
20/25

 こほん、と咳払いを一つ入れ「そういえば」と切り出し本音に入る。

「僕と碧人、最近不思議なことがあってな。僕が碧人みたいなことしたり、碧人が僕みたいなことをし出したりするんだ。無意識で」

「あー……確かに最近そんな感じだな。アニキたち」

「なになに? 新しいギャグでも開発中なの?」

 しらを切っているのか、はたまた本当に分からないという素振りで尋ねる彩歌。

「ホント、ギャグだったらどんなによかったことか。知ってる? 碧人のやつ、幽霊とかの霊的物体が視えるみたいなんだ。最近の不思議のせいでか、そのチカラが僕に移っちゃって。彩歌、なんか解決方法とか知らね?」

「……知ら……ない……」

 急に視線が合わなくなった。

「そっか……しかも、僕がそのチカラを使って幽霊を視ようとすると、ある人に迷惑がかかるみたいで……」

 少し声のトーンを下げて続ける。

「そんな原因を作ったヤツががいるなら、僕は絶対に許さない。」

 僕の言葉に反応して、下を向いていた彩歌の身体がピクリと動いた。


 ――あぁ……それが原因だったのか……


 小さな言葉だったが、聞き逃さなかった。

 確信した。彩歌は自分のチカラの事を理解している。反動……つまり、「ミスト」のことも。

 しかと認識した上で〈言霊〉を使い、このような状況が出来上がった。


 さぁ、なぜだろうか。なぜこんなことを?

 それを聞き出せなければ始まらない。いや、むしろ、終えられない。

 ……待て、もしかした彩歌は、何かを知っている……?

 彩歌と電話で話をしていた時、僕と碧人の接し方を見て、放ったセリフが、


 ――もしかして、私が原因だったりするの?――

 

 だった。

 その答えは本当に否だったのだが、今考えれば奇妙だ。

 普通、ちょっとケンカ中で気まずくなっている、とか、後ろめたいことをしてしまって気まずい、とか、お互いの間で何かあったのだと考えるはずだ。

 それなのにあの時の彩歌は、原因が自分にあると考えていた。

 何か考えがよぎっていたことは明白だ。

 彩歌が去ってから起こったあの出来事、何か知ってるんじゃないか……?

 〈言霊〉のチカラを知ってしまった今、無関係だとは思えなくなった。

 原因ではないにしろ、関係者である可能性は高いだろう。

 麻衣の過去の、関係者に。

 とにかく今は、チカラを使うのを止めさせないと!


「やっぱり、心当たりあるか?」

「――!? ない! 全然ない!! ブレーキランプが10回も点滅するくらいないよ!」

「彩歌ちゃん落ち着いて! 言ってること意味わかんなくなってるぞ!」

 明らかに動揺している。

「なぁ、彩歌――」

「知らないっ! 私は何も知らないっ!」

「聞けって!」

「――!」

 彩歌の肩を掴んで荒げる声。瞳には薄らと涙が浮かんでいた。

 息を吐いて落ち着いてからもう一度喋る。

「いいか? よく聞け。この前電話でも言ったように、これは僕と碧人だけの問題なんだ。たとえ、お前が何かを知っていたとしても、お前には関係ないことなんだ。……頼む。この件には関わらないでくれ……!」

「そんな! 私だって新太たちと友達なんだよ。助けになりたい――」

「……頼む」

「……今更できないよ……このチカラは、修正が利かないみたいなんだ……」

 ……聞きたくなかったセリフ。

「新太も大体の事は感づいたんだと思うけど、私のこのチカラ……〈言霊〉って言うんだけど……」

 その先は、碧人が推測したものと殆ど一緒だった。

 こんなことって……それじゃあ僕は何もすることができないのか!

 このまま、彩歌を危険にさらしたままにするのか!


「だから、不本意なやり方だっただろうけど、このまま碧人と付き合っちゃってね……」


 くそ………………………………………………………………は?

「ちょ、ちょっと待て。え、なに? 誰と誰が付き合うって?」

「だから、新太と碧人が」

「なんでそうなるんだよ!」

「え、だってそうなんでしょ? 碧人と付き合いたいって思ってるんでしょ? だからあんなにそわそわしてたんじゃないの?」

 いやいや、そんなわけあるか! 変な妄想してんじゃねーよ。

「妄想なんかじゃないよ! 新太言ってたもん。碧人と付き合えばよかったって。だからあの時、私は新太と付き合ってた時間の記憶を消して、やり直そうと思ったんだ。その時に使うチカラが大きすぎて反動を多く受けたから休養をとってたの」

 ということは、引っ越しってのは嘘で、本当は受け過ぎた「ミスト」のせいで休んでいたのか。

「元気が出たから、今度はお互いの理解がもっと深まればいいんじゃないかなって、一時的に精神の一部を交換させてみたんだ。そして最終的に二人が付き合うようにって願ったの。精神交換の方は一度経験があるからわかるんだけど、この場合そんなにチカラを使わないはずなのに、あんなに反動を受けるなんてって思ってたけど、碧人、霊視ができてたんだね。そこにも関わっちゃったから二重にチカラの消費がされちゃったみたい」

 ……はぁ、えっと、僕、何言っちゃってんだよおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ