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マイうぇい!  作者: 綾式御人
第三章 僕以外に主人公はいないよね? ……お、おう!
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19/25

しばらく続く静寂。

 部屋にある置時計が時を刻む音だけが響く中で、僕と麻衣は彩歌を見守っていた。

 いつの間にか、麻衣はいつものポジション、僕の胸ポケットに戻っていた。

「彩歌ちゃんさ……」

 沈黙を打ち破るように、麻衣がポツリと口を動かす。

「さっきアニキたちが帰って行ったすぐあと、寝言言ってたんだ。小さかったから聞きづらかったんだけど、アニキと碧人君の名前呼んでた。でも、あたしの名前は呼ばれなかったんだよね……。ちょっと寂しかったかな。あたしなんて、そんなに必要とされてないんじゃないかって……」

 そういって、麻衣は苦笑する。

 ちがう……

「そうじゃないだろ!」

「――!」

 思わず声を荒げてしまった。麻衣があまりにもバカなことを言うからだ。彩歌が起きてしまわないだろか。

 一瞬顔を見るが、特に起きる様子はない。

「すまん。そうじゃない。彩歌はお前が大好きで、大切だから、『自分が守るべき人』って考えてるんだと思うぞ。僕と碧人はは、昔からずっと一緒にいるから、自分でいうのもなんだけど、『頼れる』って思ってるんじゃないかな。」

「……でも、あたしも『頼れる』って思ってほしかった」

「だからそれはさ、前にも言ったように、これからいっぱい思い出を作って、麻衣の事を頼れる存在だってとこを見せつけてやればいいじゃん。もうお前だって『仲間』なんだ。これからずっと同じ時間を過ごせる。だろ?」

 精一杯の笑顔で言った。心からそう思っている。

「……そうだな。……ありが……と……」

 いつもの照れ笑いで答える麻衣。恥ずかしそうにうつむいて、頬を指でこすっている。


 ああっ女神さまっ。


「ん……」

 彩歌が寝返りを打ち、こちら側を向く。

 その意識がわずかに覚醒し、うっすらと目を開け、

「あ……れ……碧人は……帰ったの?」

 一言。

「うん。ちょっと用事があったみたいだ」

「そう……新太も帰っていいんだよ?」

「いや、お前一人じゃあ何かと不便だろ。もう少しいるよ。気にしないでまだ寝てなさい」

「ううん。もうだいぶ良くなったから」

 そういいながら、彩歌は体を起こしベッドに腰掛ける状態になる。

「彩歌ちゃん、大丈夫か?」

 心配する麻衣だが、彩歌は微笑みながら「大丈夫だよ」と優しく答えた。

「何だったらあたしのこと、またほっぺに擦りつけて元気補充しちゃってもいいんだからな? 彩歌ちゃんのほっぺ、すべすべのふわふわで気持ちいいから好きだぜ」

「ぐはぁ! なんたる強烈な言葉……それじゃあお言葉に甘えて――」

「許しません」

「え~? なんでよ」

「僕が嫉妬するからです!」

 さげすんだ視線と「ないわー」という声が僕を襲った。

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