↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マイうぇい!  作者: 綾式御人
第二章 前をしっかり見据えよう……かな?
PR
12/25

 またこの時間――このままでは遅刻ギリギリという時刻に起床した。

「アニキ、ホントに本気だったんだ……」

 当たり前だ。僕はそのために生まれてきたといっても過言じゃない。

「というか別にこの時間に起きる必要はないよな」

 そんなことはない。『ギリギリに起きる』というのもプロセスの一部なんだ。

 誰だって、食事をする前は「いただきます」を言うだろ?

「……それ、関係あるの?」

「つまりだな、この『ギリギリに起きる』っていう行為は『角でぶつかる』という行為への感謝を表してるのだよ。あぁ、ありがたやありがたや……どぅーゆーあんだすたん?」

「さっぱりだ」

 はぁ、これだからコイツは……

 ともかく、遅刻はもうこりごりなので急いで登校支度を済ませる。

 朝食の食パンを手に取り、いざ出発。

「今日はちゃんと食パンなのか。『ちゃんと』って言うのもおかしいけど││って、えぇ!? 一斤!? なんで一斤持って行くの!? っていうかウチにそんなパンあったか!?」

 朝から騒がしいな、この子。昨日作ったの。

「いつの間に……ってか、よくウチにあるだけの機材でそんな本格的なの作れたな……」

 人間、やろうと思えばなんだってできるのだ。

 だから、諦めんなよぉ!

「誰に言ってんだ誰に……」


 走ること五分、やって来た『幸福のお角様』。

 ホントに、今回は失敗本当してくれるなよ?

「アニキぃ……それ、ちょっとフラグ臭い……」

 やめろ、そんなこと言ったらそうなっちゃうかも知んないだろ。

 無心だ。無心。僕はあそこを通り抜けるだけです。

 そう思っていればきっと恵まれるだろう……

 タッタッと『幸福のお角様』と前を走り抜けようとする。

 その瞬間、僕は何者かとぶつかった。

 「おわっ!」「きゃぁっ!」「ふみゃっ!?」

 おっしゃ、成功だ!

 打ち合わせ通り、ゴッツンコができたようだ。

 ドサッと倒れ込む二人。

 変な声を上げて押しつぶされた麻衣。

 ……ごめんな。

 起きあがり、ぶつかった人を確認する。

 ……女性。

 おぉ!! なんて思うわけがない。

 女性は女性でも、年配のおばさん。小太りしたおばさんだ。

 ちょっと年上のお姉さん、とかだったらまだしも、ここまで年上だと流石に僕の許容範囲外である。

 呆然とたたずむ僕に向かって、おばさんが話しかけてきた。

「大丈夫? ごめんねぇ、ぶつかっちゃってぇ…………あら? ここって噂の……」

 そういって周りを見渡すおばさん。

 何を思ったのか、いや、思ったことなど明らかなのだが、急に口角が上がり、頬が赤くなったおばさんがこちらに向き直した。

 絶対にまずい。

 早く学校に行こう。

 1,2,3……ゴー!

 ――……したつもりだったのだが、前に進まない。

 おばさんが僕の肩を掴んでいたからだ。

「あらあら、恥ずかしがることないのよぉ? あたし、こう見えて上級者なんだからぁ。あなた、よく見たらかわいい顔してるじゃないのぉ。これも運命なのねぇ」

 あ、これ終わったわ。

 何もかもを諦めた瞬間だった。

「津紀さーーーーーん! ちょっとストーーーーーップ!!」

 突然、麻衣が叫んだ。

 その言葉を期に、おばさんも正気を取り戻したようだ。

 何度か謝って、その場から立ち去っていった。


 結局、遅刻しての登校となった。

 一時間目の授業が始まっていたが、どうやら自習のようだ。

 先生は見当たらず、クラスメイトたちも各々会話をしていたり、寝ていたり、勉強していたりと自由なことをしていた。

 真っ先に碧人に話しかける僕。

「ちょっと、トイレ行こうぜ」

 もちろん津紀と話すために電話をするからだ。

「え~、ちょっと、ホモォな展開はやめてくださいよ~?」

 ウホッ、なんて誰が言うか。いいから来い。

 そういうと、やれやれ、とでも言いたげに首を振りながら、碧人は僕の後ろを着いて来た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。