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叩けば直る、そんな能力  作者: ちぐい


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8話 VS能力者

残るは10人、出口を背にして立つ俺を無視できずに戸惑っている様子だ。


「この中に、盗撮写真について話す気がある奴はいないか?」


俺の問いかけに誰も答えず、シンとした空気が流れる。ふーん、あっそ。


スッと1番近い奴に近づき、右腕を内臓に突き刺すように殴り、息を全部吐きながら体をくの字に曲げたせいで降りてきた顔にアッパーを喰らわせる。


「ぐ、ぐひ!?」


「さっさと答えろ」


「な、なんなんだよてめぇは!!!こっちには写真があるんだ!俺たちに逆らったらばら撒くぞ!」


「...ふむ」


ズンズンと言い返してきた奴に近づき、相手の膝に前蹴りを刺して逆向きに曲げる。


「ぴょ!?」


突然膝を折られた奴は、対応できずに地面に倒れた。

さらに近づき顔を足で踏みつける。


グシャッグシャッ


「お、おいやめてくれ!そいつもうのびてるぞ!?」


「...だから?」


足を止めずに聞き返す。


「死んじまうぞ!?お前、まじでなんなんだよ!」


「こいつは今俺に脅迫したんだ。怖くて夜も眠れなくなったらどうする?」


「た、頼むからやめてくれ!なんでも話すから!」


やっと聞きたかった答えが返ってきたからピタ、と足を止める。


「そうかそうか、よしわかった」


「あ、ありがとうございます...」


安堵し、ため息を漏らす連中に向かい告げる。


「だけど、お前ら悪いことしたからとりあえず全員ボコるね?」


「な!?話がちがっーーー」


そこからは、一方的にボコボコにしていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ずいぶん容赦なかったね、鏑くん」


「ばあちゃんから『一般人にてをあげちゃだめよ。でもやる時は徹底的にやりないスマクちゃん』って教わってるんで」


全員のスマホを取り上げて、デンにハッキングで完全に消させている間。俺と部長は今後について話していた。


「あ、お前ら。パソコンとか他の媒体にデータ移してても無駄だから、今全部デンに消させてるからな。あと、例え画像を上げても誰も見れないように仕掛けてるから無駄なことはしないように」


「じゃ、じゃあ脅しとか意味なかったんじゃ...」


「そこ、うるさい」


「はい!」


「カブカブ、データの消去終わったよ。あと特学の共犯者の特定もできた」


「能力使わずにそれだもんな。サンキューデン」


「ふむ、私も推理してみたのだが、犯人の答え合わせをしようか」


部長は部長で、独自に聞き込みと推理から犯人を見つけ出していたようだ。せっかくなのであっているか気になったのだろう。2人が同時に口を開く。


「「堀口 珠生(ほりぐち たまお)」」


「そいつをとっちめれば依頼も終わりそうだな」


「もちろん堀口のスマホも何もできないようにしてあるから大丈夫」


グッと親指を立てるデン。


「さすがだな。じゃあさったとずらかるか...ん?」


とりあえず表に出ようと出口に向かうと、1人の男子生徒が立っていた。その生徒は金に染めた髪をワックスで突き立て、いかにも悪そうな風貌をしていた。


「くそが、スマホが使えなくなったから何が起きたかと思えば、とんだ邪魔者が入っちまったな」


「あ、盗撮魔」


ボボッ


デンが指を指すと同時に火の玉が2つ、デンと部長に向かって飛んできた。


「きゃっ」「ふぐぅ」


2人を脇に抱えて飛びよける。火の玉は体育倉庫の壁にあたり、壁を凹ませて消えた。素材的に燃え移らなくてよかった。


「ありがとう鏑くん...でももう少し優しく助けてくれないかね」


「ありがとカブカブ」


俺に抱えられた2人から感謝の言葉がかかる。


「部長、ふぐうはないでしょう」


「きゅ、急だったから!デンちゃんみたいに私もきゃって言いたかったさ!」


「カブカブ、私のもあまり触れないで...」


2人は別方向の理由で恥ずかしがってた。


「なかなかやるなあ。お前E組の人間だろ?」


「あぁ、そうだ」


「今回の件、俺も学校にバレるとまずい。ここは俺が二度と茶道に関わらないってことで手を打たないか?」


「堀口、お前馬鹿か?茶道さんに金輪際関わらないのは当然だし、お前が特能院に行くことももう決まってんだよ」


俺たち能力者に退学はない。能力者は特学に通うことを義務付けられているし、国の方針でも学校で社会に適合できる力を身につけなくてはいけない。

しかし、犯罪となると話は変わる。

あくまで能力者というものは異質な存在であり続ける。だからどうしても一般人とは線引きしなくてはいけなく。未成年で犯罪を犯し、更生の余地なしと判断された場合は、たとえ犯罪に能力を使っていなかったとしても【特異能少年院】に送り込まれる。


「...お前、たしか鏑って名前だよな?」


「そうだ」


「よし、鏑。お前にも分かるように説明してやる。ここにはちょうど犯罪の証拠と証人が集まってる。それを全部消せば俺は無罪だろ?」


「...部長、特異警察に電話を。それとーーーを見つけてきてもらえますか?」


「鏑くん、大丈夫なのかい?」


「まあ、死にはしないでしょ」


「...よしわかった。デンちゃん行こう」


「カブカブ、がんば」


「おー、さっさといけ」


視界の端に俺にボコられた不良が映る。


「お前らも死にたくなかったら出てけ、こいつもう全員殺す気だぞ」


「ひ、ひいいいい!」


不良たちが一目散に逃げ出すと、堀口がそれに向けて手をかざす。


ボボッ


「ほら、どんどん死んじゃうぞ?」


火の玉が不良の背中にーーー


「ホームラン!ホームラン!」


「!?」


当たる前に近くにあった折り畳まれたパイプ椅子で打ち返す。堀口が驚き、動きが鈍った隙に近づきパイプ椅子椅子を縦にして頭に叩きつける。

その間に全員倉庫から脱出はできたようだ。

これで第一関門は突破だな。


「ぐっ...てめぇ、無能のくせに、イラつくな」


「俺にもあるんだけどな、超能力」


ニヒルに笑い、相手を挑発するように目線を送る。


「はは、ははははは!ぜってぇ殺す!」


ボヒュン


先ほどより、速く大きい球が出てきた。

だが見えてるから何も問題はない。


「おら、またホームランしてやーー!?」


パイプ椅子で打ち返そうとするも、貫通しさらに壁の凹みがさっきの倍になるほどの威力だった。

目を丸くして壁を見る俺に気付き、堀口が笑いながら話しかけてくる。


「おいどうした?手加減してやろうか?」


「...お願いできますか?」


「死ねオラぁ!!!」


「ギャー!?」

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