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叩けば直る、そんな能力  作者: ちぐい


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6話 馬鹿なの?

興奮する部長をなだめて、氷室さんから詳しい話を聞く。(解凍)


「2年D組の生徒が、最近盗撮被害にあって不登校になりかけているんだ。そこでなんでも部には、犯人の特定と写真の消去を依頼する」


「なるほど...その依頼、なんでも部が承りましょう」


「協力に感謝する。それで実はな、今日その生徒に来てもらってるんだ。話を聞くといい」


そういうと、氷室さんは部室の外に顔を出して依頼主を呼んだ。

教室に女子生徒が入ってくる。その生徒は、切長の目に金髪のショートヘアで、プロポーションは大人顔負けレベルの高身長女子だ。あれ、なんか見覚えが...


「げっ」


女子生徒が俺を見つけると、苦虫を噛んだような顔になる。

御堂 美咲(みどう みさき)【超加速】の能力者で、中等部からの腐れ縁で何かと俺を敵視してくるやつだ。


「風紀委員会、こいつは駄目です。解決どころか盗撮する側の人間です」


「おいてめえ、会って早々なんてこと言いやがる。俺が盗撮なんかするわけねえだろ」


「あぁん?どうせ海賊版のエッチな動画とか見てるんだから同類でしょ?」


「...な、なんてこと言うんだ君は。女の子が破廉恥なこと言うんじゃありません!」


「鏑くん...部長としてはハッキリ否定して欲しかったよ」


2人の女子から蔑んだ目で見られ、涙が出そうになっていたところ。もう1人の女子が教室に入ってきた。

そちらは駄肉と違い、黒髪を顎あたりで切り揃えたおっとりした顔立ちの和風美人だった。


「み、美咲。話を聞いてもらいたいんだけど...」


「あ、ごめん春香。でも大丈夫?この男と一緒にいて嫌悪感湧かない?」


「まだ言うかゴリラ」


キーンッゴッ


「ごべら!?」


あ、ありのまま今起こったことを説明するぜ!さっきまで俺に背を向けて話してたゴリラが、瞬きする間もなく気づいたら俺にタックルしてやがった!こいつなんでD組なんだよ!


「ぐぐぐ...」


「誰が....なんだって?」


「ぼ、僕何も言ってないよ?どうしたの美咲ちゃん?」


「ふんっ」


「鏑くん、部長としては君の手のひらの早さに驚きだよ」


誰が言ってんだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一悶着あり、ようやく依頼主から話を聞く。


「私、茶道 春香(さど はるか)って言います。あ、能力は【治癒力を上げるお茶作り】で、美咲みたいに戦えるわけではないです」


「それで、盗撮被害とは具体的にどうやって起きたのか話していただいてもいいかね?」


「は、はい。今から2週間前ぐらいに、知らないアカウントからいきなり私の着替え中の写真が送られてきて、『金を払わなければ、お前のクラスロインにばら撒くぞ』って脅されました」


「ふむ、それでお金は?」


「最初は私でも払える額だったので払ったんですけど、一度で終わらず、しかもどんどん値段が上がって...うっ」


茶道さんは思い出しながら話し、途中で嗚咽を漏らした。まあ、すげー重い話だよな。


「だ、だんだんエスカレートするから払えないって言ったら、知らない人がクラスのロイングループに入ってきて、わ、私の顔だけの顔だけの写真を貼って『次はないぞ』って...周りのクラスメイトの何か探るような目が....ううっ」


「クズだね。それで今はいくらぐらい要求されてるのかな?」


「じゅ、10万円です」


「...話してくれてありがとう。必ず犯人を見つけて、写真も消させるよ。約束しよう」


「あ、ありがとうございます...!」


なんとか話し切った茶道さんに対して、部長は優しく、力強い声で誓った。

その後、茶道さんは氷室さんが家まで送ることになり、部室には俺と美咲、部長が残った。


「さて、とりあえず犯人は何人いるかわからないが、必ずD組の生徒も犯人のうちの1人だね」


「え、もうわかったんですか?」


「うむ、先ほど春香ちゃんから例の写真を見せてもらったが、体育の着替え中の写真だった。取られた日と照らし合わせると、その日に撮れるのは同じクラスしかないんだよ。当日他のクラスは体育がかぶってないからね。まさか外部からの盗撮犯を特学が見過ごすと思えないし」


「いつの間に写真もらったんですか。俺もらってないですよ」


「当たり前でしょ、馬鹿なの?」


美咲に睨まれる。そりゃそうか、馬鹿です。(馬鹿)


「それで、ロインのグループにまで関与できるんだから、同じ組の人間が犯人の1人ってところまではわかるね」


「なるほど、じゃあすぐ解決できそうですね」


「いや鏑くん、そう言うわけにもいかないんだ。メッセージを送ってきた人物の特定をしなくてはいけないし、写真も全部消させることは今の時代至難といっても過言ではない」


「...」


部室には、重い空気が流れ始める。何か解決策がないか、全員が真剣に考える。ネットでの犯人の特定、かつその人物がどこにいるのか。


「...あ」


「なによスマク、わかった風にして目立とうとして」


「うるせーぞゴ、美咲。メッセージの犯人はなんとかなりそうだ」


「なに、ほんとかね鏑くん」


「ええ、何せ相手は犯罪者だ。こっちもーーーー」






「普通にチート使っちゃいましょう」


ニヤリと笑い。今後について考えをまとめていく。


ニヤリ


「え、きもっ」



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