5話 事件発生?
「私は阿○博士黒幕説が有力だと思っていたのだがね」
「またその話ですか?てかなんか寒くないですか?」
いつものように、部長となんでも部で暇していると、急な室温が下がり春先だと言うのに白い息が出てきた。
「ま、まさかこれは...!?」
部長が急に慌て始め、わたわたと部屋の掃除を始めた。
ガラッ
部室のドアが開けられ、青みがかったグレー色の髪で鋭い目つきの男性が入ってきた。
「深見、いるか?」
「はははははい!氷室さん、ここにいます!」
おどおどしながら部長が氷室 蓮を教室に迎え入れる。そして部長が揉み手をしながら話しかける。
「へ、へへ。それで氷室の旦那、今日は何の御用でしょうか?」
「む、いつも言ってるがもっと砕けて話してくれないか?」
「いえいえ滅相もない!あっしらの部活は旦那のおかげで存続しているんですから」
「そうか...」
いつも偉そうな口調で喋っている部長が何故こんな話し方をするかと言うと、単に部長が強者に弱いからだ。長いものに巻き付け精神なのか、風紀委員長である氷室先輩に対しては媚びへつらっている。
氷室蓮、【絶対零度】の能力者で、半径10キロ以内であれば瞬時に凍らせることができ、レベル5に認定されてる。そのため、発言力もあり彼の一言でなんでも部が一瞬で消えることもたしかだ。
「氷室さん、ご無沙汰してます」
「おう、鏑か。ちゃんと部活動に励んでいるか?」
「はい、部長もちゃんと頑張ってますよ」
「そうか、あれ以来悪いことしてないだろうな?」
「も、もちろんですよ」
俺がなんでも部に入ったのもこの人のせいだ。
昔学校で問題を起こした俺に対して「更生させる」という名目でなんでも部に叩き込まれた。表向きではね。
「...ちょっと鏑。こっちに来い」
「はい?」
ガシッ
氷室さんに近づくと肩を組まれ、顔を近づけられた。な、なんや!?このイケメンは!俺より身長高いから上目遣いになってしまうやんか!キスか!キスなのか!?
アホなこと考えてると、氷室さんが小声で話してくる。
「...おい、深見をどうにかしてくれ」
「えぇ?いつも言ってますけど、もっと優しく話してあげてくださいよ」
「む、これでも意識してるのだがな。どうしても緊張してしまうのだ」
「もっとフレンドリーに、シカちゃんとか呼べばいいんじゃないすか?」
「ムム、無理に決まってるだろ!?」
「ちょ、寒い!凍る凍る!!」
氷室さんはシカちゃん大好き人間なのだ。
俺をなんでも部に入れたのも、人員不足で部の存続かかかり、可哀想だろ!とか言って入れられた。
普段はクール系なのに、部長が絡むと緊張や動揺で能力が漏れてしまう。
まじ寒いからやめてください。
「あ、すまん。でも何かいい案出してくれよ」
「...何か依頼でも持ってくればいいんじゃないすか?部長事件とか大好きだから。あ、くれぐれも事件っぽく言った方がいいですよ」
「な、なるほど!ちょうど今日はその話をしにきたからやってみよう」
そう言って氷室さんは俺を離す。あー寒かった。
「深見、聞いてくれ」
「へ、へへ。何でしょう旦那」
いやほんとに誰だよ。ニヘラとしながらまだ手を揉んでいた部長が話を聞く。
「実はな、この学校の生徒がとある事件に巻き込まれているようだ」
「えー!事件!?氷室くん!どんな事件なの?ねえ、教えて!」
「!?」
パァッと破顔し、子供のように身を乗り出して氷室さんに詰め寄るシカちゃん。
あ、こらあまり机に胸をつけないで!低い身長の割に出ている一部分が強烈になってるから!氷室さん興奮して俺半身もう凍ってるから!(凍結)
「こ、こほん。実はな、先日とある生徒から風紀委員会に相談...いや、重要参考人から事件に関する依頼があってだな」
「くぅ〜!さすが氷室くんだね!それでそれで?どんな依頼だったの?」
「!?」
こら!氷室さんの手を引っ張るんじゃありません!
氷室さんが幸せそうな顔でこっちに親指立ててるから!俺の全身凍ってるから!(凍死)
この人全然風紀できてねえな!




