第四話 聖女が電池切れで倒れる
「どうしてスラナは僕が勇者だって思うの?」
僕は率直にスラナに訊ねてみた。
「それはこの手の輝きです。この輝きは私たち聖女が勇者様に【加護】を差し上げた際に放たれる輝きなんです」
スラナは光り輝く僕の手を両手で包んだまま、母親が我が子を慈しむような目で眺め続けた。
「勇者以外の人はこんな風に輝いたりしないってこと?」
「勇者様以外の方でも少しは光りますが、ここまで強く光輝くのは勇者様だけです。私たち聖女の【加護】は、同じ【加護】でも、勇者様と、そうでない方とでは効果が何倍も違うんです」
そう説明すると、次にスラナは道端にある大きな岩をヒョイと持ち上げた。
そして無造作に、その岩を僕に投げつけてきた。
そんな大きな岩をまるで空っぽの箱を扱うように軽々と持ち上げたスラナの姿に僕は驚いたが、それより何より、そんな大きな岩を僕に投げつけてきたことの方にもっと驚いた。
僕は瞬間的に「え?」と思ったが、何もできずにその場に立ち続けた。
大人の頭より一回り大きい岩がとんでもないスピードで僕に迫る。
岩は寸分たがわず僕の顔に一直線に向かってきていた。
「───あ。死んだ……」
咄嗟に僕は自分の未来を悟った。
そして岩が僕に激突する瞬間、反射的に目を瞑って身を固くしたが、岩は僕の顔に激突しなかった。
目を瞑っていた僕には、車が壁に衝突したような大きな音と、何かがバラバラと周囲に散らばる音だけが聞こえた。
恐る恐る目を開くと、岩が粉々に砕けて散らばっていた。
「これが聖女の【加護】の力です。聖女の【加護】がある限り、勇者様はどんな攻撃からも護られます」
スラナは誇らしげなドヤ顔でムフーとしていたが、道端に横向きでバッタリと倒れていた。
僕は自分が無事だったことよりも、スラナの今の姿勢の方が気になった。
「……え-っと、スラナ。なんで「横向きにバッタリと倒れている」の?」
「お見苦しい所をお見せしてすみません。勇者様召喚の儀式を行った直後に【加護】を使い、さらに大きな岩を持ち上げたことで体力を使い果たしてしまいました。もう指一本動かせません」
スラナは「困りました。どうしましょう」と悩み出したが、僕はスラナ以上に、今のこの状況に悩み出していた。
お世話になっております。柳アトムです。
ここまで私の小説を読んでいただきまして本当にありがとうございます。
貴重なお時間を割いていただきましたこと、心より感謝申し上げます。
( ᵕᴗᵕ )
さてさて、聖女が電池切れでバッタリ倒れる今回のお話はいかがでしたでしょうか?(笑
基本的に本作はこうしたライトなテイストで綴っていこうと思っております。
皆さまのお好みに合えば幸いです。
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この後、レイは仕方なくスラナを背負ってカトリーヌ村に向かいます。
まだ自分が勇者であるはずがないと思っているレイですが、スラナをこのままにはしておけなかったんです。
しかしこうしてスラナをカトリーヌ村まで送ることで、レイは徐々に異世界に引き込まれ、そして勇者として成長していきます。
レイがどのような勇者に成長するのか?
そして数々の謎や疑問がどう解明されていくのか?
引き続き、拙作にお付き合いいただけますと幸いです。
何卒、宜しくお願い致します。
( ᵕᴗᵕ )




