第三話 PCモニターをくぐろう
PCモニターをくぐり、スラナの世界に足を踏み入れた僕は、まず空気の美味しさに感動した。
部屋に引き籠りっぱなしの僕が、久しぶりに外に出たということもあるが、それを抜きにしてもスラナの世界の空気は清らかで、そして爽やかだった。
僕は両手を広げ、胸いっぱいに新鮮な空気を吸い込む。
鬱積した様々な不安や悩みがみるみる溶けてなくなるような清々しさだった。
「私の世界にようこそ。えっと……レイさん───でしたでしょうか?」
「レイでいいよ」
僕の気さくな態度にスラナは顔を輝かせてくれた。
「ありがとうございます、レイ。それでは私のこともスラナと呼んでください」
「わかった、そうするよ。それでスラナ、此処はどこなの?」
「此処はハルバードウェールズ王国の外れにあるカトリーヌ村です。何もない田舎ですが、気候は穏やかで作物が豊富に実り、家畜もたくさんいる牧歌的で豊かな農村です。都会の喧騒に疲れた人が癒しを求めてやってくる穴場の隠れ里として密かに人気なんですよ」
スラナは自分のことのように誇らしげだった。
「私はこの村の聖女です。聖女はどの村にも必ず一人いて、皆、十七歳になると勇者様召喚の儀式を行い、勇者様にお仕えするんです」
「そうなんだ。聖女は勇者に仕えて何をするの?」
「魔王を倒します」
スラナが端的にきっぱりと答えたが、その一言は物騒な凶兆の意味を孕んでいた。
「……え? 魔王を倒す? 魔王ってゲームとかに出てくるラスボス的な強いヤツだよね?」
僕がそう言うとスラナは神妙な面持ちでコクンと頷いた。
「はい。そうです。魔王は強大で、とても危険な存在です。特に今の魔王は歴代魔王の中でも最強と謳われていて、もう何人もの勇者様が返り討ちにあって命を落としています」
それを聞いて僕は背筋に寒気が走った。
「まさかスラナは僕に、そんな魔王を倒させるつもりじゃないよね……?」
僕は一歩後退った。
「安心してください。まだ私たちにそんな力はありません。私たちの前にベテランの聖女と勇者様が何人もいます。その人たちがいずれきっと魔王を倒してくれると思います」
それを聞いて僕は安心した。僕にそんな重責を負わされても困るからだ。
……まあ、何よりもそもそも僕は勇者じゃないから関係ないけどね。
「お手を失礼します」
そう言うとスラナは僕の手を取り、自分の胸にあてた。
僕の両手がスラナの可憐で慎ましい胸の膨らみにあてられる。
僕はとても驚いた。女の子の胸に触るなんて初めての経験だったからだ。
僕は咄嗟に手を引こうとしたが、その時、眩しい光に目がくらんだ。
光の正体は僕の手だった。
僕の手がスラナの胸の前で光り輝いていた。
「やはり───……やはり間違いではありませんでした。一目見た瞬間から私は確信していました。あなたは紛れもなく勇者様です。あなたこそ私が一生をかけてお仕えする勇者様です!」
お世話になっております。柳アトムです。
( ᵕᴗᵕ )
第三話まで拙作を読み進めていただきまして本当にありがとうございます。
とても嬉しいです(歓喜
୧(˃◡˂)୨
ここまでのお話はどうでしたでしょうか?
(,,•﹏•,,)ドキドキ
まだ謎の解明に向かっておりませんが、徐々に明らかにして参ります。
お待たせしてしまって恐縮ですが、今しばらくお時間を頂戴できますと幸いです。
( ᵕᴗᵕ )
さてさて、そんなこんなですが、次の第四話でレイは聖女に大きな岩を投げつけられます(←なんで!?笑
そして聖女は電池切れでバッタリと倒れます(←どういうこと!?笑
なんだかハチャメチャな感じですが、これらがどういうことか、どうかどうかお楽しみにしていただけますと幸いです。
( ᵕᴗᵕ )
ご期待にそえるよう頑張ります~!
୧(˃◡˂)୨




