第二話 僕は勇者ではありません
「いいえ、違います。僕は勇者ではありません」
僕は反射的にきっぱりと自分が勇者ではないと否定した。
「僕は笛裡 玲衣です。ただの引き籠りです。そういうあなたはどちら様ですか?」
そう僕に問い返されると、女の子はハッとして、気をつけの姿勢でピンと立った。
「不躾な質問をして失礼しました。私はカトリーヌ村の聖女スラナです。この度、十七歳の誕生日を迎えましたので慣例に倣い、勇者様召喚の儀式を行いました。そしたらあなた様が現れたのですが……。あの……本当に勇者様ではないのですか……?」
何かの間違いじゃないですかね?と、すがるような目でスラナは僕を見つめたが、僕の答えは変わらなかった。
「いいえ、違います。僕は勇者ではありません」
僕はきっぱりと断言した。
何故なら僕が勇者だなんて、そんなことは絶対にあるはずがないからだ。
* * *
「失敗でしたか……」
スラナは両手を地面についてガックリと項垂れ、心底悔しそうに呟いた。
「最初から上手くいくとは思っていませんでしたが、やはりショックです。次に勇者様召喚の儀式が行えるのは一年後……。聖女が勇者様召喚に成功する確率は四割程なので、平均すると二~三年でほとんどの聖女が勇者様の召喚に成功しますが、稀に遅い人で四年、さらに遅い人で五年かかりますが、三年目で失敗した時の四年目までの居たたまれなさとプレッシャーと言ったらまさに針のむしろで、絶対にそうした事態に陥ることがないように最初からは無理でも二年目には成功させたいと思っていましたが、でも、できれば一年目で成功させて「さすがスラナ! こんな田舎のカトリーヌ村でも一年目で勇者様の召喚を成功させる聖女がいるんだと自慢できるよ! ありがとう! あんたは村の誇りだよ!」と村のみんなに感謝され、みんなもカトリーヌ村を誇らしく思って欲しかったのですが、そうした夢は儚くも散ってしまったわけですね……」
ギュッと拳を握ったスラナは掴んだ草をブチブチと引き抜いてイジケているようだった。
声をかけづらい雰囲気だったが、僕は勇気を出して声をかけることにした。
「ねえ。スラナさん」
そう声をかけたが、スラナは尚も草をブチブチと引き抜き、ブツブツと何かを呟いて悔しがっていた。
「おーいっ。スラナさーんっ」
僕が声を張ると、ようやくスラナはハッとして顔を上げてくれた。
「ねえ、勇者召喚ってどういうこと? それになんで僕のPCモニターが君の世界と繋がっているの?」
「す、すみません。いじけている場合ではありませんでした」
スラナは慌てて立ち上がると「詳しい説明をさせていただきたいので、そちらに行っても宜しいですか?」と訊ねてきた。
そう言われて僕は自分の部屋を振り返る。
僕の部屋は汚部屋だ───。
ゴミが散乱しているわけではないが、宇宙人ヲタクの僕の部屋は、UFOや宇宙人に関する雑誌や書籍、それにUFOのプラモデルや宇宙人のフィギュア、そして政府が宇宙人の存在を隠蔽しているという陰謀論や宇宙人に誘拐されたと告白する人の証言ビデオやDVDで溢れかえり、足の踏み場もない状態だった。
こんな部屋に自分以外の他人───それも女の子に来て欲しくない。
「いや。僕がそっちに行くよ」
僕は部屋に来て欲しくない一心でそう答えた。
「わかりました。ではこの「召喚ウィンドウ」をくぐってください。ウィンドウが狭くてすみません。もっと大きな召喚ウィンドウを作るつもりだったのですが……」
ウィンドウが狭いと言われたことで、僕は自分のPCモニターが小さいと言われたようでちょっと気になった。
僕は三十六インチのPCモニターを使用している。高かったけど奮発して購入した一回り大きいサイズのPCモニターだ。
そのことを少し誇らしく思っていたんだけどなぁ……。
それよりPCモニターをくぐるのか。すごい行為だね。
まさか自分のPCモニターをくぐるなんて夢にも思わなかったよ。
第二話はどうでしたでしょうか?
(,,•﹏•,,)ドキドキ
いよいよPCモニターをくぐって異世界に赴きますが、次話で聖女の胸に触ります(←えっ!?笑
あ、でも性的な接触ではありませんので、どうかご安心(?)ください(笑
聖女の胸に触るとどうなるのか?
お楽しみにしていただけますと幸いです。
( ᵕᴗᵕ )
そして第二話でも「謎」を仕込んでおります(ニヤリ
・主人公は宇宙人ヲタク
・自分が絶対に勇者ではないと頑なに拒む理由
どうして主人公は宇宙人ヲタクなのか? そしてどうしてそんなにも頑なに「僕が勇者だなんて、そんなことは絶対にあるはずがない」と否定するのか。
この「謎」が解かれる時を、どうかどうかお楽しみにしていただけますと幸いです。
ご期待にそえるよう頑張ります~!
୧(˃◡˂)୨




