第十五話 大成果
僕はスラナの【加護】のおかげでまったくの無傷だった。
スラナも自分の【加護】であれば大丈夫だという自信はあったようだけど、それでも僕に覆いかぶさるように絶命していた蜥蜴鷲を払い除けて、僕の姿を確認するまでは気が気じゃなかったようだ。
僕の無事を確認するとスラナは安堵の余り、僕に抱きついてきた。
「レイ、よかったッ! 無事だったんですねッ!」
僕はスラナの背中に手を回し、安心させてあげようと背中をポンポンと優しく叩いた。
「さすが聖女の【加護】だね。なんともなかったよ」
スラナは薄っすら涙を浮かべながら、何度も「無事でよかったです。本当に無事でよかったです」と尚も僕に抱きついた。
「見事だったな、レイ。よく逃げずに蜥蜴鷲に立ち向かったものだ。蜥蜴鷲は翼と鉤爪を大きく広げ、獲物が逃げ出した瞬間を狙って鷲掴みにするんだ。その為、怯まずに真正面から迎え撃つことが一番の有効策なのだ」
蜥蜴鷲に弾き飛ばされたコニシが身体を引きずるようにして戻ってきた。
幸い本当に背中の大剣が盾になってくれたようで、大きな怪我もなく無事だった。
「ありがとう、コニシ。コニシが庇ってくれなかったら最初の蜥蜴鷲の攻撃で大怪我をしているところだったよ」
僕はコニシの両手をとってコニシを真正面からみつめると、お礼を述べた。
そうしたくなる程、身を挺して僕を守ってくれたコニシに感謝をしていたのだ。
思わずそうしてしまったが、コニシの顔はみるみる赤くなった。
「な、なに。れ、礼などいらんぞ。な、何せ私はレイより年上のお姉さんだからな。そ、それに私は聖女でもある。ゆ、勇者様を守るのは、せ、聖女として、と、当然だ、ぷしゅ~……」
コニシはなんとかお姉さん聖女として威厳を保とうとしていたが、最後はまたもや「ぷしゅ~」となってしまった。
僕は「あ、しまった。そうだった。まだコニシは異性に対して免疫がないんだった」ということを思い出し、申し訳なく思った。
** *
「それより強いモンスターを倒したんだ。さぞレベルが上がったことだろう。ステータスを確認してみよう」
しばらくして「ぷしゅ~」状態から立ち直ったコニシの提案には、スラナも顔を輝かせた。
「そうね。そうしましょう。レイ、ステータスウィンドウをお願いします。きっとレベルが上がっていますよ」
僕は二人の期待に応えてステータスウィンドウを開いた。
【名前】:レイ
【職業】:勇者
【レベル】:1 → 5
【パラメータ】
・HP:30/30 → 57
・MP:25/25 → 40
・攻撃:20 → 28
・防御:15 → 24
・知力:15 → 21
・魔力:15 → 20
・幸運:ランダム(-9949~9999)
【スキル】
『モテモテ』
『勇敢LV1』
「一気にレベルが上がりましたね!」
スラナはもろ手をあげて喜んだ。
「新たにスキルも習得したようだな」
コニシはスキル欄に新しく『勇敢』が追加されていることに満足げに頷いた。
僕は『勇敢』のスキル名をタップしてみた。
『 スキル名:勇敢(Cスキル)
恐怖に立ち向かう勇気。恐れない心。
冷静に状況を見極め、活路を見出す。
※敵に与えるダメージが少し増える。 』
「勇敢は単体では効果が限定的なスキルだが、他のスキルと【組み合わせ】ができる。【組み合わせ】はいいぞ。可能性が無限に広がるからな。これについては他に【組み合わせ】ができるスキルを習得したら、また説明してやろう」
一通りステータスを確認した僕たちは蜥蜴鷲からも素材を採取してカトリーヌ村に戻った。
帰路の足取りは意気揚々として軽かった。
レイの初陣は大成果で、お土産も大漁でした♪
୧(˃◡˂)୨
レイはまだ認めていませんが、こうして勇者としての一歩を踏み出しました。
こうした成長が、レイの自覚と、そしてレイが秘める疑問や謎の解明に繋がります(ニヤリ
皆さまのご期待にそえるよう頑張りますので、どうかどうかお楽しみにしていただけますと幸いです。
( ᵕᴗᵕ )




