第十話 ひとまずカトリーヌ村に行こう
「レイ! 大丈夫ですかッ!?」
心配そうにスラナが僕の顔を覗き込んだ。
僕は危うく気を失いそうになったが、なんとか正気を取り戻した。
「うん、ごめんね、スラナ。もう大丈夫だよ」
スラナを安心させようと僕は無理やり笑顔を作った。
ぎこちない笑顔だったが、少しはスラナを安心させることができたようだ。
「レイもこの世界に召喚されたばかりでお疲れですよね。それなのに岩を投げられたり、私を背負ったり、剣で斬りつけられたり……。気分が悪くなってしまうのも当然です。
さあ、早くカトリーヌ村に行きましょう。そしてどうか一休みなさってください」
スラナは僕をとても気遣ってくれた。
そして僕も確かに一休みしたいと思い、村に急ぐことにした。
* * *
僕たちが村に近づくと、続々と村人が集まってきた。
そして皆、口々にスラナが勇者召喚に成功したことを祝福した。
「やったねッ! スラナッ! おめでとうッ!」
「さすがスラナじゃ。ワシはスラナならきっと成功すると信じておったぞ」
「へ~。この人が勇者様なんだ。でもぜんぜん強そうじゃないね」
「失礼なこと言うんじゃないよ。最初はどの勇者様もこんなもんなんだよ」
「皆さん、ありがとうございます。こうして私が勇者様の召喚に成功できたのは、今まで私を支えてくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございました」
スラナがそう挨拶をすると拍手大喝采となった。
「皆さんも勇者様といろいろお話をしたいと思いますが、勇者様はとてもお疲れです。すみませんが、まずは宿で一休みしていただこうと思いますので、ご協力いただけると幸いです」
スラナのお願いに異論を唱える村人は誰もいなかった。
皆も「そうだ。その通りだ」「勇者様もお疲れだ」「勇者様に宿で休んでもらおう」と口々に唱え、僕を宿まで案内してくれた。
宿に入り扉を閉める前に、僕は村の皆さんに「ありがとうございます。少し休んで元気になったらスラナの勇者召喚成功を祝うパーティーには必ず出席しますので」と伝えた。
すると村の皆さんはとても喜んでくれた。
そのことが嬉しくて僕はパーティーには絶対に参加しようと思った。
「ありがとうございます、レイ。でもどうか無理をなさらないでくださいね」
スラナはとても心配してくれたが、僕は自分を取り戻していた。
さっきは「勇者が激減した理由が僕のせいだ」と瞬間的に思い詰めたけど、本当にそうかどうかはわからないし、確かめる術もなかった。
僕は思考が悪い方へ悪い方へと偏る傾向がある。
被害妄想とまではいかないが、心配症であることは確かだ。
これまでもこうした思考の傾向で集団生活で苦労をしてきた。
それがわかっているので、今こそ落ち着くべきだと理性が警鐘を鳴らしてくれていた。
僕はその警鐘に従うべく、さらに落ち着こうと水を一口飲ませてもらっていたが、そうしているとコニシが「そういえば!」と声をあげた。
僕とスラナはどうしたのかと思った。
「そういえばスラナ、まだ教えてもらっていなかったな!」
コニシは嬉々としていたが、スラナもなんのことを言われているのかわからない様子だった。
「えっと、コニシちゃん、何が?」
「何がって、アレだよ! ほら、アレ!」
コニシはますます興奮気味になった。
「スキルだよ! 勇者レイ様のスキルがなんなのか、まだ教えてもらっていないじゃないか!」
そうでした! スキル!
異世界召喚と言えばスキルですよね!(←そうだっけ?笑
秘密の解明はまだ進んでいませんが(すみません……!汗)レイのスキルは次話で明らかになります♪
レイのスキルがどんなチート能力なのか?
どうかどうかお楽しみにしていただけますと幸いです。
( ᵕᴗᵕ )
ご期待にそえるよう頑張ります~!
୧(˃◡˂)୨




