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第十八話 ダンジョン探索から急転直下、秋の森へ


ダンジョン探索は順調だった。


三日目、四日目と進むうちに、俺の神聖魔法とアミ経の回復がパーティの命綱になってきた。


リリーシャの土壁が崩れかけたとき、俺が即座に治癒を入れて持ちこたえたり、

ドルガンが盾で耐えきれなくなったとき、俺が後ろから体力を戻したり。


「……お前、ほんとに便利だな」


ラセリアが剣を肩に担ぎながら、笑う。


俺は苦笑い。


「便利って……そんなこと言われると複雑です」


リリーシャが横から睨む。


「便利って言われて喜んでんの?

土魔法の邪魔にならないだけマシよ」


ミランダがくすくす笑う。


「若いモン、みんなに必要とされてるわね」


ドルガンが低く笑う。


「いいパーティだぜ」


ヤミカは無言で頷く。


俺もそう思う。

いいパーティだ。



でも、俺はまだ「巫女様」に会うことを諦めていなかった。


五日目の帰還後、ギルドで情報収集しようとすると。


依頼板の隅の貼り紙に、俺は釘付けにされた。


『秋の森近辺で魔獣の異常発生。

報酬:金貨300枚+森の秘宝

護衛依頼:秋の森の村まで同行可能者求む』


俺は目を凝らす。


「……今だ」


さっそくラセリアに相談する。


「ラセリアさん……この依頼、受けてもらえませんか?」


ラセリアは貼り紙を見て、眉を上げる。


「秋の森?

お前、巫女様に会いに行くって言ってたな」


俺は頷く。


「はい。

この依頼なら、村まで行ける。

……お願いします」


リリーシャが即座に反応した。


「……また巫女様?」


声が少し尖っている。

銀髪を指でくるくる巻きながら、俺を睨む。


「パーティに入ったばっかりなのに、

急に巫女様優先?

あんた、最初からそれが目的だったんじゃないの?」


俺は慌てる。


「い、いえ……世界の均衡について

巫女様と話したいだけです!」


リリーシャは唇を尖らせて、腕を組む。


「ふぅん……どんなもんだか。

私たちなんか、ただの足し算よね」


空気が少し重くなる。


ミランダが慌ててフォロー。


「まあまあ、リリーシャ。

若いのの、巫女様に会いたい気持ちは本気みたいよ。

私たちも依頼として受ければいいんじゃない?」


ラセリアが肩をすくめる。


「そうだな。

報酬も悪くない。

リリーシャ、拗ねるなよ」


リリーシャは頬を膨らませて、目を逸らす。


「……拗ねてない

別に……巫女様に会いたいだけでしょ

私には関係ないもんっ」


ドルガンがクスッと低く笑った。


「南無ラトナ仏…… 女心は複雑だな」


ヤミカは無言で、俺の肩を軽く押す。

覆面の下から、わずかに息が漏れる。


……ヤミカさん、味方してくれてる……?


最終的にはラセリアが決めた。


「よし、受ける。

準備不足だけど、明日出発だ。

巫女様に会いたいなら、急ぐしかないぞ」


俺は深く頭を下げる。


「ありがとうございます……!」


その夜、宿屋で荷造り。


巻物、革鎧、簡単な食料。

準備不足だけど、もう待てない。


「……巫女様」


俺は空を見上げた。


明日、秋の森へ。


験の巫女様に、会いに行く。


(第十八話・了)


次回第十九話 秋の森への道中で、強力な魔獣の群れと遭遇!

ラセリア「巫女様に会う前に死ぬだろこれ」

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