三話 気持ちをぶつけました
三話 気持ちをぶつけました
「はぁ……」
エスパーダに言ったら、ため息をつかれた。
どうやら結婚を急いだせいではないらしい。
「私がなんで怒ってるか分からないの?」
そう問われて混乱した。
「えと、もしかして途中でコロンビアから帰ってきた事?」
エスパーダは首を横に振った。
「かまってあげる余裕がなかった事?」
「それもあるけど、ちょっと違う」
「何? 分からない」
要が半ギレ気味に言うとエスパーダはムッとした顔で言った。
「私、悩んでたの! なのに要は気付いてくれなかった」
要よりも強い気持ちで、キレてきた。
要は気付けなかった。でもいっぱいいっぱいだったのだ。エスパーダを気遣う余裕なんてなかった。
「何を悩んでいたっていうんだ?」
喧嘩腰に聞いた。
「子供……」
その単語がカウンターのように効いて、黙ってしまう。
「私、子供が欲しい。要と私の子供」
それは避けていた事だった。マダムのような苦労をエスパーダに負わせるかもしれない。子供もシールドやサイズのように苦労するかもしれない。エスパーダはそこから逃げていなかったのだ。
「でも代理母を頼むのは……」
そう。シールドやサイズは人間の代理母を頼んで生まれた。自分達のために誰かを犠牲にするのためらっていた。エスパーダは違うのか?
エスパーダは首を横に振った。
「私が産むの。神話のガイアみたいに、要の子供を」
要の想像より上を行っていた。
「でも黄可以のように意識がなくなるかもしれない。そんなのイヤだ。エスパーダが目覚めないなんて」
「黄可以のように目覚めるかもしれない」
「俺はエスパーダと一緒にいられれば……」
「私は要と子供といたい」
決意は固そうだ。要が何を言っても聞かないだろう。
「エスパーダって頑固だよね」
「要もそうでしょ」
またカウンターのように効いてしまい、黙ってしまう。それを見て、エスパーダは笑った。




