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鳩の行進

知り合いからお題を頂き、それにそってショートストーリーを書かせて頂いたものです。

楽しんでいただけると幸いです。

地下鉄改札口を抜けて階段を上り、駅前公園へ出ると強風が襲ってきた。

丁度、私の住んでる地区を台風が直撃しているため、強風は避けられない。

何故こんな強風の日に外に出たのか。理由は学校が休みじゃないからである。

おのれ教師め。休みにしろよなんて悪態をつきながらオールバックになる前髪を抑えた。

おでこ丸出しなんてかっこ悪いし、目は開けにくいしで最悪だ。

さっさと学校に行こうと前髪を抑えて狭い視界で歩き出す。

この駅前公園、公園と名がついてるが遊具などは一切ない。どちらかといえば定期的に催し物が開かれるので、広場と言った方が正しい。

さて、そんな公園には鳩がたくさんいる。

こんな強風の日でも、首を前後に揺らして数羽が歩いている。

そして、そんな鳩が列をなしてひょこひょこと公園の奥の方へ歩いていく。

まるで鳩の行進だ。

…なんだろう、なにかあるのかな?

ちらっとスマホで時間を確認する。

予鈴が鳴るまであと20分。ここから学校までは10分足らずで到着する。

多少遅くなっても走れば朝のホームルームに間に合うだろうと踏んで、わたしは鳩の行進の向かう先へ歩き出した。

聞き慣れて可愛いと思えない鳩の鳴き声が幾重にも聞こえ、バタバタと羽ばたく音も聞こえてくる。

どうやらベンチに集まっているらしい。

近づいてよく見てみると誰も座っていない。いないが、誰かが置き忘れたのか、食パンを手で小さくちぎったようなものが口の空いたビニール袋に入っている。鳩たちがその袋に群がりパンをつついて餌の取り合いをしているようだ。

鳩に餌をあげてた誰かが途中で飽きて、餌だけ置いていったのか、それは不明だが。


「……鳩の大乱闘」


何気なく呟いた一言が妙にしっくり来て思わずぷっ…と吹き出す。

わたしはその後、強風に煽られる前髪と格闘しながら縦と横で写真を撮り、満足したところで学校へと走った。


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