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俺のスキル【配信】コメント欄が戦国武将だった~秀吉の教えでどん底から成り上がる~  作者: 清松
第四章 影と語らう

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ドラゴン越後

「ウェアウルフかあ。見たことないわね。どんなモンスター?」

「二足歩行のモンスターだね。強力だけど……まあリゼちゃんなら問題ないよ」


 リーデルから歩いて半日ほどのところにある森の中に俺たちは居た。

 シルバー昇格後初の依頼。標的はウェアウルフ。人狼だな。

 頑健さではオークに劣るが敏捷性と殺傷力では勝る危険なモンスター。

 駆け出しどころか中堅でも数が揃えば簡単に殺されるような手合いだが、


(俺以外、だーれも動じてねえでやんの)


 仲間を信じていないわけではないがそれはそれ。

 単独でやり合えば確実に死ぬような手合いに恐怖を抱くなという方が無理だろう。

 しかしリゼもレティスさんも、後衛であるティアもけろっとしている。


>@Super_monkey

引け目を感じる必要はないわい。恐れを知らぬは勇者だけで良……げぇ!?


 モンキーさんが何かを言いかけた正にその時だ。

 見知らぬ名前の誰かがチャット欄に入って来た。


(ルミエラから帰る時に視聴者数増えてたが今回は直ぐだったな)


 というか良……げぇ!? って。音声入力か何かなのだろうか?


>@Dragon_Echigo

無理をする必要はありません。恐れを抱くことは決して悪ではないのだから。


 えーっと……ドラゴンさんで良いのだろうか?


>@Dragon_Echigo

ええ。それで構いませぬ。話を戻しますがあなたは怖がっても良いのです。

その爪と牙が容易く己の命を奪う手合いに恐怖するのは当然。

その上であなたには頼れる(ともがら)が居るのですから彼女たちを信じて成すべきを成せば良い。


 だが決して無理をしてはいけませんよ。と労わるように続ける。

 文字だけだがドラゴンさんからは慈愛、のようなものを感じた。


>@Dragon_Echigo

そしてこれからは言の葉だけですが私もまたあなたのために微力を尽くしましょう。


 おぉぅ。

 いや、気持ちは嬉しいがすっごい好意的でちょっと驚いてるぞ俺。


>@Dragon_Echigo

あーかいぶるなるものであなたの奮闘を見ました。

か弱き身の上でそれを自覚していながら、あなたは全霊を以って他がために尽くして来た。

そんなあなたに手を貸さぬなど義に悖るというもの。


 どうか遠慮せず頼って欲しいとのこと。


>@Super_monkey

はぁぁ……儂の癒し空間がどんどんロクデナシに浸食されていくぅ……。


 そしてこっちは何やらげんなりしておられる。

 シックスさんと同じくリアルの知り合いっぽいな。


>@Super_monkey

まあでも役には立つか。真や、ドラゴンめは人の心は分からぬ奴よ。


>@Dragon_Echigo

失礼な。


>@Super_monkey

じゃが個、集団問わずこと“闘争”にかけては儂やシックス殿以上ぞ。


 個人としての戦闘能力は分からないけど……集団でも?

 あの村でバチバチに冴えた指揮を飛ばしてた二人以上に?


>@Dragon_Echigo

私が優れているからどうかはさておくとして。

フフ、御二方が私との戦を避けていたのは事実ですね。


>@Super_monkey

違いますぅ。儂は逃げてませぇん。馬鹿が足を引っ張るから引き返しただけですぅ。

というかそもそもの話、当時の立場的に儂が勢力の大方針を決めとったわけじゃねえし。

じゃから逃げたのは儂じゃのうて上――――


>@Six-Tenmaou

猿。


 あ。


【@Six-Tenmaou さんが退室しました】

【@Super_monkey さんが退室しました】


 またリア凸されてんのかな……。


>@Dragon_Echigo

さ。楽しいお喋りはここまでにしましょう。“来ます”よ。


 ドラゴンさんが言うのと同時に前衛二人が足を止めた。


「連中の領域に入ったね」

「今、こっちを囲んでる最中かしら?」

「みたいだね~。じゃ、そういうわけでリゼちゃん。打ち合わせ通りに」

「ええ。後ろ二人の護衛は任せなさいな」


 預かっといて、とレティスさんが上着を脱ぎこっちに投げて来た。

 臨戦態勢に入ったということだろう。

 袖のないインナーにロングスカートだけになったレティスさんが拳を鳴らしている。


「さて。じゃあ真くんもよろしくね?」

「了解」


 先ずレティスさんだけを戦わせるのには訳がある。

 一緒にやっていく以上は俺のスキルの試運転だ。

 既に安全地帯で一度やっているが実際に戦闘でも試してみたいとのことでこうなったのだ。


「「――――来る」」


 前衛二人がそう言った瞬間、ティアは結界を、俺はスキルを発動した。

 想定通りに五匹のウェアウルフは標的をレティスさんへ変更した。

 結界を破壊する手間を考え先ずは手近なところから、と。


「ま、僧侶とは思えない荒々しい立ち回りね」


 ティアがそう呟くのも無理はなかった。

 何せレティスさんはいきなり一番近くに居たウェアウルフの首を片手で捩じ切ったのだから。

 そして返す刀でもう一匹に首をぶつけ怯んだところにヤクザキック。腹に大穴を穿たれ絶命。


(撤退する気だな)


 三匹は逃げようとするがそうは問屋が卸さない。

 三匹の内二匹の後頭部を引っ掴み、


「いよいしょぉ!!」


 クラッカーのように打ち付けあって二殺。

 残る一匹に後ろから跳び蹴りを見舞って押し倒しそのまま踏み殺す。


「……いやこれやっぱすっごいね。強化魔法をかけてもらったことあるけど段違いだ。

強化の倍率もだけど強化範囲も全然違う。これを何の消費もなしにとは恐れ入るわ」


 褒めてくれるのは嬉しいけど、恐れ入るはこっちの台詞なんだよなあ。

 俺が百人居ても勝てる気がしない。


(無双ゲーの雑魚みたいに蹴散らされる未来しか見えねえわ)

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― 新着の感想 ―
アイエェ!? 越後の竜?ナンデ!? これはアレか、今後真君に毘沙門天の加護が!?(お目々ぐるぐる そしてドナドナされるモンキーさん・・・。
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