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俺のスキル【配信】コメント欄が戦国武将だった~秀吉の教えでどん底から成り上がる~  作者: 清松
第三章 夏休み

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海へ③

「良い時間だし。そろそろお昼にしよっか」


 砂遊びを楽しんだ後は海に繰り出し泳いでいたらレティスさんがそう提案した。

 確かに良い時間なのでそうしようと浜に上がり食堂へ向かう。

 食堂は海の家のような簡素な感じではなくちゃんとした建物だった。


(メニューもしっかりしてるな)


 漁師町だけあって海鮮中心。

 馴染みのない人間にとっては海の幸に触れる良い機会だろう。

 ただ苦手な人も居ることを考えて普通のもある。


(悪くない配慮だとは思うけど……まあ良いか)


 俺は海鮮パスタ。リゼはポワレ。ティアはグラタンでレティスさんはアクアパッツァ。

 俺の認識で言葉は置き換えられてるので実際の呼称は違うんだろう。


「美味しい! え、何かリーデルで食べたのより美味しくないこれ!?」

「そりゃまあ鮮度が違うからな」


 リーデルにも海産物は入って来てて店で食べられはする。

 だが現地から届くまでの日数や保存方法を考えるとどうしてもな。

 魔法使い雇って氷結魔法を使ったりするとこもあるそうだが、それは大手だけ。

 このルミエラではちと厳しいだろう。


「ところで皆、どうだい? 楽しんでる?」

「はい」

「当然!!」

「ええ。とても新鮮で素敵だと思うわ」


 そっかそっかとレティスさんが嬉しそうに頷く。

 が、ふっと俺の方を見てコテンと首を傾げる。


「何か気になることがあるのかにゃ?」

「いやそんなことは」

「うん。楽しんでるのは分かるよ。でも、何か引っ掛かるものがあるのかなって」


 目敏いな。


(でもケチをつけるみたいであんま言いたくないんだよな)


 などと考えていたら、


「是非是非聞かせて頂戴な。貴重なお客様の声なんだもの!」

「うぉ!?」


 振り向けばそこにはエマさんが居た。

 何や、文句あるんなら言ってみ? ではなく純粋に意見を聞きたい感じだ。


「えーっと」

「大丈夫大丈夫。その顔を見れば悪気や難癖じゃないのは分かるから!」


 言って椅子に腰を下ろす。ナチュラルに同席するじゃん。


「いや、色々惜しいなあって」

「……ほう。具体的には?」

「まず確認なんですがここのビーチは富裕層向けじゃないですよね?」


 客層はあくまで懐に余裕のある庶民。

 その認識で合っているかと聞いたら頷かれたので続ける。


「そういう層はビーチで海水浴なんて経験はまずない」


 海沿いの町なり街に住んでいる庶民でもそうだ。

 泳ぎはするだろうが観光用に整えられたビーチとは違う。


「ええ、だからこそ売りに」

「なるとは思いますよ。でもそこまで伸びないかと」

「……何故?」

「導線が弱いんです。海でどう遊べば良いか分からない」


 ティアが良い例だ。

 泳ぎに興味はあってもその時はまだ良いかなという感じ。

 じゃあどうすれば良い?


「……確かに。活発な人間なら勝手にあれこれするでしょうけど」

「ええ。控え目な人はポツンと手持無沙汰になんてこともあると思いますよ」

「それは良くないわね」

「あと実際に泳いでみてあんま面白くないと思った人は? 泳げない人だって居るでしょう」


 好きな層だけを狙い打ちにするという手もある。

 だが折角、環境を整えたのだからそれでは勿体ない。


「海に馴染みがなくどうすれば良いか分からない人。海水浴がイマイチ合わなかった人。

そんな彼らに選択肢をこちらで用意してあげれば良いというわけね」


 ええ、と頷く。


「でも町長さん。そんな簡単に何かあるわけ?」

「良い指摘ねお嬢さん。全然思いつかないわ!!」


 だろうな。

 俺は幾らでも思いつくがこれは俺が特別優れているからではない。

 海水浴という文化が深く浸透した世界で生きて来たがゆえだ。蓄積の差だな。


「何か案はあるかしら?」

「まあ幾らか」

「……報酬はお支払いするからご教示して頂いても?」

「いやお金は別に」


 ここには遊びに来たわけでコンサルに来たわけではない。

 だが俺自身の本音を言うなら、


「良いじゃない。力になってあげたいんでしょ?」


 とリゼが俺のパスタを軽く掻っ攫いながら言った。

 おい、それ俺んやぞ。


「いやでも」

「私たちも付き合わせちゃうって? それこそ問題ないわ」


 だって、とリゼが笑う。

 俺が伸ばしたフォークはあっさりと防がれてしまった。


「海での色々な楽しみ方を体験出来るってことでしょ?」

「……ポジティブだな」

「私もリゼと同意見よ」


 今度はティアが声を上げた。


「今言った理由もあるけれど純粋に興味があるわ」


 知的好奇心が疼くので全然構わない。


「誘った身としては遊びに来たのにと申し訳なく思うけど……やりたいんだよね?」

「ええ。ここはリーデルからも近いし」


 生活に余裕が出たからな。

 遊びに行ける場所があるのは普通にありがたい。


「なら手伝うよ」

「……良いんですか?」

「あたしはこの町に思い入れもあるしね。あたしこそ本当に良いの? って感じ」


 こう言ってくれたのだ。出来る限りを尽くしたい。


「じゃあ町長さん。俺なりに幾つか実地で提案してみようと思うんですが」

「必要なものは言って頂戴! 直ぐ調達出来るものなら急いで用意するわ!!」

「ありがとうございます。じゃあまずは」


 よし。どれだけやれるかは分からないが出来る限りを尽くそう。

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