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俺のスキル【配信】コメント欄が戦国武将だった~秀吉の教えでどん底から成り上がる~  作者: 清松
第三章 夏休み

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小さな恩返し

「じゃあ家事の分担だけど最初に言っておくわ。私、料理出来ないから」

「……俺もあんまり自信ないから外して欲しいかな」


 これまでは夕食が宿か外食。昼は依頼の有無で弁当か外食。

 そんな感じだったがこれからは夜は自分たちで用意するしかない。

 なので外食か店売りのものになるかと思われたが、


「それなら私が受け持つわ。休みとそれ以外でも余力のある時は私に任せてくださいな」


 胸に手を当て薄く微笑むティア。

 何かそんな気はしてたが大体のことは何でもこなせるんだな。


「じゃあ洗濯はリゼ。他の家事、掃除やら買い出しは俺だな」

「それだとあんたの負担が大きいでしょ」

「いや自分の部屋の掃除は自分でしてもらうしそうでもないさ」


 尚も言い募ろうとするリゼにティアがトコトコと駆け寄り耳打ちをする。


「……私たちの下着とかもあるから気を遣ってくださってるのよ」

「あ、あー……あ、うん。そうね。流石にね」


 ほんのり顔を赤くし目を逸らすぐらいには羞恥心があって良かった。

 気にしねえよとか言われたら流石に困ったもん。


「とりあえず今日は舌に合うか試してもらう意味で私が食事を作りましょう」


 さらりと話題を変えてくれるの本当ありがたい。


「じゃあ買い出しね。今回は皆で行くわよ。他にも揃えなきゃいけないものがあるし」

「賛成。色々と足りてないものはあるけどまずは優先順位をつけていきましょう」

「そうだな。多少不便なだけなら後回しでも良い」


 それぞれが必要だと思うものを挙げ優先順位をつけていく。

 その中でリゼから提案されたのが、


「……テーブルと椅子も買い換えない? まだ使えるけどあんま長くは持たなさそうだし」


 前の住人の使い方が悪かったのか確かに状態はよろしくない。

 修繕するよりも買い替えた方が良いだろう。


「あ」

「どうかなさったの?」

「それならテーブルと椅子は俺に任せてくれないか? お世話になった人に頼もうと思うんだ」


 無論、私的な事情なのでポケットマネーから出す。


「別に皆のお金で買っても良いけど……あんたが納得しないか。じゃ、任せるわ」

「同じく」

「ありがとう。じゃあ俺は早速話をつけて来るから後で市場で合流しよう」


 家を出て職人街にあるアレックスさんの工房に向かう。

 幸いにして在宅だったようで顔を見せると嬉しそうに出迎えてくれた。


「おかえりあんちゃん! シルバー昇格の依頼受けに行くと聞いてたが」


 その様子だと結果は良いらしいなと背中を叩かれる。

 ちょっと痛いが喜んでくれてるのが分かるのでとても嬉しい。


「お陰様で。アレックスさんが先生を紹介してくれたからこそ今の俺があります」


 本当にありがとうございますと頭を下げる。


「よせよせ! あんちゃんが腐らず頑張ったからだよ!!」

「……はい。それで何ですが今日はアレックスさんに仕事を頼みたくて来たんです」

「仕事?」

「はい。住宅補助も受けられるらしく昇格を機に家を借りまして」


 事情と予算はこれぐらいでと打ち明ける。


「……ったくあんちゃんは本当に律儀者だな」


 仕事を頼んだ意図を察したのだろう。

 だがそれ以上は触れなかった。野暮だからな。


「任せな! 丁度一仕事片付いたところで暇だったんだ。最優先で仕上げてやらあね」

「ありがとうございます!」

「おう。一度家を見せてもらって良いかい?」

「大丈夫です!」

「都合が良いなら今から行けるがどうする?」

「じゃあお願いします」


 というわけでアレックスさんを連れて家に戻る。

 二人はもう出たようだが鍵は俺と女性陣で二本あるので問題なかった。


「ふむふむ装飾不要。実用性重視。二週間もありゃ十分だな」


 休養日は把握してるのでその時に納品させてもらうとのこと。


「終わったらあんちゃんの祝いも兼ねて飯でも奢らせてくれよな!」


 バンバンと俺の背を叩きアレックスさんは去って行った。

 お礼のつもりなのに……と思わなくもないが断るのは野暮か。


(本当に気持ちの良い御仁だよ)


 俺もああいう男になりたいもんだ。


「あ、来た来た。どうだった?」

「バッチリ。二週間ぐらいだってさ」


 市場に赴くと直ぐに二人の姿は見つかった。

 目立つ容姿というのは強い。


「あら、随分と早いのね」

「え、遅くない? テーブルとか椅子なんて三日もあれば十分じゃないの」

「素人の手作りや分業制の大規模な工房ならともかく職人一人でなら十分早くてよ?」


 そういうものなんだと頷き続けてじゃあラッキーじゃん! とリゼは笑う。


「ああ、仲良くしてもらってるのもあるが丁度一仕事終えて手が空いてたらしい」

「フフ、私も楽しみだわ。じゃあ真も来たし本格的に見て行きましょうか」


 ティアの言葉に頷き日用品を中心に露店を回っていく。

 夏の日差しはキツイけど楽しみの方が勝っていたのでまるで気にならなかった。


「目下、必要なのはこれぐらいかしら?」

「だな。後はその時々で買い足せば良いだろ」

「なら次は食材ね。御二人は何かリクエストとかある?」

「辛いのが良いわ。暑い日は辛いのを食べるのが良いのよ」

「俺は、肉かな」


 豚より鳥系統が良い。アルミラージとかの肉なら安いし問題なかろう。


「ふむふむ。それなら香辛料をたっぷり効かせたお鍋にしましょうか」


 メインはそれで付け合わせはとティアはすらすら構想を練っていく。

 明らかに料理が出来る人間の貫禄である。


(後光が差して見えるぜ……)


 ちょっと拝みたくなってきたわ。

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― 新着の感想 ―
良かった。 羞恥心が無い、もしくは異性だと思ってないリゼさんはいなかったんだね。 真君もやっと人並みな生活が出来る様になって良き。
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