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俺のスキル【配信】コメント欄が戦国武将だった~秀吉の教えでどん底から成り上がる~  作者: 清松
第二章 暁は銀色

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防衛戦 前

 出来るだけの備えをして食事を済ませる頃には日が暮れていた。

 モンキーさんとシックさんの見立てでは襲撃はもっと夜が深まってからとのこと。

 ただ万が一もあるので俺たちは既に寄り合い所の屋根の上で警戒態勢に入っていた。

 とは言え気を張り過ぎていても疲れるだけなのでお喋りに興じていると、


「あら、村の方たちも出て来たみたいね」


 ちらほら戦闘要員の村人たちが得物を手に家から出て来ているのが見えた。


>@Super_monkey

山と共に暮らして来た者らだからのう。


 これまでは複数の巣穴という目に見える脅威で誤魔化されていた。

 しかし、それが取り払われたからこそ山から漂う異常な空気に気付いてしまう。


>@Six-Tenmaou

じわりじわりと近付く死神の足音は嫌味なほどよく聞こえるものよ。


>@Super_monkey

へえ? ×××でもそうだったんですかのう。


 ちょ、モンキーさんいきなりセンシティブなワード発さないでよ。検閲されてるじゃん。

 いや誰が検閲してるんだこれ? 運営の規約とかあるなら知りてえわ。


>@Super_monkey

卑猥なことなんざ言っとらんからな!?


 ま、それはともかくだ。


(……御二方、スキルを切るタイミングはお任せするのでお願いします)


 指揮系統を確立したことでスキル発動の条件は整った。

 だが切り時を間違えれば手痛いしっぺ返しを食らう。

 どうでも良いとこで使って大きな波が来た時に使えず呑まれるなんて笑えもしない。


>@Six-Tenmaou

是非もなし。そら――――御目見えだ。


 ぞわりと全身が総毛立つ気配と共に山を見やる。

 遠目で見ても百は優に超えるモンスターが視認範囲に集まり始めていた。


「ほ、ホントにモンスターが!?」

「お、落ち着け!!」


 冒険者殿! と村長が声を上げる。

 縋るような目つきだ。こんな時だけ都合が良いなどとは思わない。

 人の弱さを否定すればこの世は立ち行かないのだから。


「全員、配置に! 任せろ、俺の指揮通りに動けば皆で生き残れる!!」


 敢えて強い言葉を吹かす。


>@Super_monkey

はっはぁ! 見晒せ! これが儂と真の墨俣よ!!


 そして勢い良く片手を上げると同時に仕込んでいた魔法が発動。

 村を覆う壁が出現した。強化状態で仕込んだので耐久性は折り紙付き。


≪おぉ……!!≫


 村人たちから歓声が上がる。

 壁という視覚的効果はやっぱり大きいな。狙い通りだ。


「ティア」

「任せて頂戴」


 ティアが構えた杖の先から無数の炎が撃ち出される。

 まずは遠距離で削れるだけ削る。その後はリゼの役目だ。


「リゼ」

「ええ」


 ぴょんとリゼが屋根を飛び降り唯一の襲撃ルートに向かう。

 大駒が来るまであそこでなるたけ数を減らしてもらう。

 そしてその取りこぼしを村人で処理するのが最初の一手。

 俺は全体指揮、ティアは魔法による援護射撃を担う。


「ふぅ――――ぶっ殺す!!!!」


 土煙を上げて突っ込んで来たモンスターの軍勢に真っ向から剣を振るう。

 門番のような役割で普段のような立ち回りは出来ない……かと思いきやそんなことは全然なかった。

 極々限られた空間内を忙しなく動き回って目につくモンスターを片っ端から切り殺している。


「そこ! 突出するな! 複数で一匹を確実に仕留めろ!!」


 俺もまた指示を出す。

 とは言っても臨機応変な指示は村人が対応し切れない。

 なので事前に取り決めていた動きが乱れているところに声をかけるぐらいだが。


(そう、それ……ぐらい、なのにな……!!)


 背負った命の重みで頭がおかしくなりそうだ。

 俺も今直ぐ飛び出して前線で出来得る限りを尽くしたい。

 だが指揮官の俺がそんなことをすれば皆が、死ぬ。


>@Six-Tenmaou

だから言うたであろう身の丈に非ずと。


>@Super_monkey

空気読めや! そういうとこ! そういうとこじゃぞホンマ!!


 チャットで指揮のサポートをしてくれているシックスさんが言う。

 ああ、本当にその通りだ。


>@Six-Tenmaou

が、其方は運が良い。今は、余がおる。

万の軍勢――――いいや、国すら背負えるこの余がな。何を怖じることがあろうか。


 文字だけだというのに不思議なものだ。

 シックスさんからはこの上ない力強さを感じる。


>@Super_monkey

儂も! 儂もおるんですがのう!!


 ありがとう、と感謝を告げる。

 重圧で千切れてしまいそうな心が何とか繋ぎ止められた。

 まだやれる。まだ耐えられる。目を逸らすな。意思を絶やすな。


「……ッ!」


 ふと、後方からとんでもない悪寒を感じた。

 と同時に壁が破壊される音が耳を揺さぶる。大駒の登場だ。

 リゼを見やると一息で屋根に飛び上がり戦線を離脱。屋根伝いに目的地に向かい始めた。

 そして俺の居る屋根を通りすれ違う刹那、


「任せなさい」


 たった一言で俺の心を奮い立たせてくれた。


「……ああ! 任せた!!」


 視線は向けず去り行くリゼに答える。

 一時たりとも目を離すつもりはない。俺の戦場はここだから。


>@Six-Tenmaou

分かっておるな?


 リゼが抜けたことで今の戦線は維持出来なくなった。

 予定通りとはいえ、それでも心がざわついてしまう。


>@Super_monkey

これから戦線を下げる。じゃが直ぐではない。三十秒後。

ゆっくり心の中で数えよ。ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ……。


 コメントに合わせて俺も数を数える。

 そうしてなるべく心を落ち着かせ、


「戦線を下げる! 全て計画通りだ! このまま次の策に移行する!!」

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― 新着の感想 ―
これだけの手駒しか無いのに物凄く善戦してる。 真君は胃がやられそうです。 モンキーさんの天魔王さまへのツッコミがw うん。 あの方は無茶振りばかりよねw
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