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俺のスキル【配信】コメント欄が戦国武将だった~秀吉の教えでどん底から成り上がる~  作者: 清松
第二章 暁は銀色

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決断

 モンスターとて徒党は組む。

 だがそれは本能に根差したもので知性によるものではない。

 それが人間のような行動を、ましてや種族の壁すら超えてなど“あり得ない”。


(でも、そのあり得ない可能性が浮上している)


 引っ掛かっていた何かがその事実だとすればストンと腑に落ちるのだ。

 杞憂ならそれで良い。だがそうでないなら捨て置けない。


(山を探索して先んじて本隊を――無理だ)


 地元の人間の目すら欺いているのだ。

 短時間で探せるわけがないし探していればこちらの動きを察知される。


(ギルドに報告……いや駄目だ。信じてもらえない)


 信じてもらうだけの証拠を探し出すには時が足りない。

 村人に避難を促すのも難しい。

 信じてもらえないだろうし信じてもらえたとして、


>@Super_monkey

退き口に耐えられぬ。


 俺がオークに遭遇した時と同じだ。

 今もどこかで様子を伺っているなら背を向けて逃げ出す時を狙わない手がない。


>@Super_monkey

儂らの推測が正しいのであれば時はあまり残されておらん。

恐らく威力偵察はもう済んで後は仕掛けるだけというところでおみゃあらがやって来た。

リゼやティアを見て分が悪しと判断し山を捨てて逃げる……というのは楽観よ。


 組織だった行動をしている。

 その前提で中央の巣で行った戦いを振り返れば違うものが見えてくる。

 それは戦意だとモンキーさんは言う。


>@Super_monkey

リゼとティア、今見えているだけの材料で考えるなら特に前者よな。

脅威を認識した上で戦意が消えておらぬということは……。


 リゼを仕留める駒があちらにはある。

 或いは足止めをする手段があってその間に目的を達成する算段がついている。


>@Super_monkey

彼奴等の目的は村を壊滅させること。何故かは分からぬし今は考えても栓無きことぞ。

重要なのは村が狙われていて、おみゃあがどうしたいかじゃ。

彼奴らが仕掛けて来るなら恐らくは今夜。どうする真よ。


 そんなの決まってる。

 見捨てるつもりは毛頭ない。戦う。


>@Six-Tenmaou

――――身の丈に非ず。


 あ?


>@Six-Tenmaou

既に其方がやるべきことは終えた。後は終了の印を貰い帰るだけ。

彼奴らも其方らが去る分には手出しはすまい。余計な被害が増えるだけだからな。

其方のスキルで村人を率いて戦えば十分勝機はあろう。だがそれは要らぬ危険を背負うだけ。

いやそれ以前の話よ。小娘一人の命を背負うことすら重く感じる其方に村人全員の命が背負えるか?


 身の丈に非ず。シックスさんは再度、繰り返した。


>@Super_monkey

あんたはなあ! そんなだから惟任に……!!


>@Six-Tenmaou

黙れ猿。貴様の話は聞いておらぬ。余はこの童と話しておるのだ。


 シックスさんは続ける。


>@Six-Tenmaou

善く在ることは正しきことぞ。だが身に余る正しさは己を殺す毒となる。

我ならやれる、我こそがやらねばならぬ、正しき蛮勇を振るい死んだ者なぞ腐るほどおった。

その列に其方も加わるのか。それは紛れもなく愚者の振る舞いぞ。


 酷く尊大な物言いだ。しかし不思議と不快感はない。

 多分、こっちを気遣ってるんだと思う。無理すんなよと。


(……誤解されやすい人なんだろうな)


 そう思うと肩の力が抜けた。


(シックスさんはきっとモンキーさんと同じぐらい出来る人なんでしょうね)


 俺がそう言うと「うぇ!?」というリアクションがモンキーさんから返って来た。

 何かリア友っぽいし……いや見る限り上司とか部下だったり? まあ良いや。


(でも何でも知ってるわけじゃない)


 知らないこともあるみたいだと言えば言ってみろと返事が来た。


(人生はよく道に例えられる)


 長い道のりになるか短い道のりで終わるかはそれぞれだ。

 しかし生きることが歩みだというのであればその足取りは軽くするべきだろう。

 少しでも前に進むためには後悔という名の枷は一つでも減らすべきだ。


(蛮勇? そんなポジティブな理由じゃないよ。俺はただ怖いだけだ)


 ここで村を見捨てて帰れば一生、引き摺る。歩みが重くなる。

 その重くなった足では超えられない溝に落ちてしまうかもしれない。

 溝を超えても重い足が気力体力を奪って途中で崩れ落ちてしまうかもしれない。


(――――未来(さき)を望めばこそ、俺は戦うんだよ)


 まだ終わりたくないから。理由なんてこれに尽きる。


>@Six-Tenmaou

……フン。愚者の弁よな。


>@Super_monkey

あぁ!?


>@Six-Tenmaou

が、余を前にして“教えてやる”と宣った度胸だけは買ってやろう。

愚者の弁とはいえ余が知らぬことであったのもまた事実。此度の戦は力を貸してやる。


 いや教えてやるなんて偉そうに言った覚えは……まあ良いや。

 何かモンキーさんと同じぐらい頼りになる人が手を貸してくれるんならそれで良い。


>@Six-Tenmaou

良いな猿! ぶくぶく肥え太った贅肉を削ぎ落して知恵を絞れ!!


>@Super_monkey

やりますけどぉ……儂のが最終的に偉くなったのにぃ……。


 仲良いのか?


「皆、聞いてくれ」


 黙って待っていてくれた皆を巣の中に招き懸念を伝える。

 リゼとティア以外から返って来たのはあり得ないというリアクション。


「俺は杞憂に終わるならそれで良い。だがそうならなかったら最悪だ」


 まだ幾らか猶予はある。最悪に備えねばならない。

 力を貸してくれと頭を下げるとリックは困惑しながら呟く。


「何で、そこまで」


 シックスさんに言ったことをリックにも語り聞かせる。


「……」


 そんな俺をティアはじっと見つめていた。

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― 新着の感想 ―
第六天魔王さまのお言葉は重い。 モンキーさんでも即座に反論出来ない位に。 その言葉を受け真君はどうする? 続きが楽しみです。
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