ギャルエルフ、評価をブチ上げブチ壊す!
「YO! そこの無評価クン、ちょっとアンタ、感性死んでない?」
今日もまたネオは、訳のわからない言葉で罵倒された。
現れたのは――金髪ウェーブ、小麦色の肌、エルフ耳にサングラス、へそ出しミニスカ&ピアスジャラジャラという、
どう見ても森から来たとは思えないギャルだった。
「エルナ・リフレイン! 自然と音楽とお騒がせがアイデンティティの、精霊魔法使いってワケ!」
なぜかリズムを刻みながら自己紹介してくるエルナ。
彼女が指を鳴らすたび、背後の空気が波打ち、風が踊り、周囲の花がリズムに揺れる。
「精霊たちってのはさ、“ノリ”が命なの。評価とか、数字とか、そーゆーのは空気重いじゃん?
でもネオくん、アンタは逆に……空気軽すぎ。存在感ゼロ! だから、最高にイケてんのよ!」
「い、いけてんの……?」
「そ。“評価されない”って、つまり“自分だけのビートを持ってる”ってコト。
ね? 超トベるでしょ?」
そう言いながら、エルナはネオの周囲に音の魔法陣を展開。
「今日のライブは、“評価ブチ上げ→自己肯定→全崩壊”の三本立て! いくよー?」
ポン、と指を鳴らした瞬間――
どこからともなくEDMが流れ始めた。
「エルナ、精霊DJモード突入ううううッ!!」
魔法というより完全に音楽フェス。街中の人々が踊り始め、評価が光のように打ち上がる。
「ネオ最高!」「ネオかっけー!」「ネオマジ神!」という謎のアゲ文句が勝手に生成され、スピーカーのように拡散されていく。
「ちょ、やばいこれ、完全に脳が陽キャになるぅぅぅぅッ!!」
ネオが頭を抱えるその横で、エルナが満面の笑みで囁く。
「この世界が“評価社会”ならさ――
私たちはその“音量”を上げることも、壊すこともできるってコト。
つまり、“バズ”を超えて、“ブレイク”しちゃお?」
「その日本語訳が一周回って意味不明なんだけど、なんか納得しそうな自分が怖いッ!!」
しかしその直後、評価の光が暴走し始めた。
スピーカーが割れ、空が光に裂け、ネオの影が爆発する。
「うっそ、ちょっとバズりすぎた? ネオくん、ヤバ、また神格化されそーじゃん」
「やめてぇぇええええ!! 俺まだバイト面接も通ってないのにィィィイイイ!!」
そして――
リアルちゃんは、静かに笑っていた。
「……いいね。みんな、壊れていってる。
“評価を棄てる”ためには、一度“極限まで評価される”必要があるんだよ?
さあ、もっと、もっと高く登って――墜ちてきてね?」




