後日談:バーデラ、同窓会
SIDE:バーデラ・クロイツェフ
本日、多目的ホールを貸切って、私たちロゼッタと同じクラスだったメンバーの同窓会が行われていた。
あれから、どれくらい経っただろう?
ライオネルも他の国も平和路線一直線で自国を富ませ、他国が水害などで治安悪化すれば周辺国が助けに入り、まさに全国が平和維持の日々を送っていた。
ライオネルの貴族たちも自分の領地をしっかりと富ませることに心血を注ぎ、ライオネル国民であることを自負しながら国を領地を盛り立てている。
私もまた、クロイツェフ領と親子関係の領地経営をしている地方貴族を手助けしながら日々を過ごしていた。
この頃になると妹も有能になり、人材も揃い、多少なりとも余裕が出て来たので、今回の同窓会にも顔を出すことが可能となったのだ。
とはいえ、自分だけ結婚してない、となるとなんとなく出辛いものがある。
まぁキーリとか結婚の気配すらない仲間がいるのでちゃんと出席するつもりだけれど。
今回集まる場所は良く夜会などを開く時に使われている屋敷で、レンタルするだけなので結構安く同窓会を開けるのだ。
今回幹事を行うのはユルゲンとフレデリカ、あとケリーアとギリードも手伝っているらしい。
基本ウチのクラスは仲の良いメンバーばかりなので彼らだけでなく他のメンバーも出席次第作業を手伝っている様子である。
「おー、バーデラさん来たよー」
「全く、侯爵付けなさいケリーア。でも、まぁ無礼講とやらで良いのだったかしら?」
「そりゃそうよ、リオネル君とかも来るから爵位云々言ってたら楽しい同窓会になんないよ。ほらほらバーデラさんこれ被って」
「なにこれ? 魔女帽子みたいだけど、星マーク? それに付け鼻と髭と眼鏡が一体化した、なにこれ?」
これ付けるの嫌なんだけど? えぇ、皆が気を使わないため? 逆に気を使わないかしら?
「うぃーっす、彼女とか連れてきて良かったっすよね。妹と彼女が来ちゃったんすけど」
ディムロスとマリーセル、アグリア、コルキスカがやって来た。
少し遅れてクランツとパラミツィア。
他の生徒もぞくぞく集まって来る。
「おーおー、だいぶ揃って来てるな。フレデリカ、ナッシュと俺が来たぞー」
「はーい、アルケーさ……キャァーッ! お腹膨らんでる! え、おめでとーっ!」
「ははは、我が社もこれで安泰よ」
アルケーのおめでたで場がにぎやかになる。
用意も終わったようで、あとはメンバー待ちとなったのだが、せっかくなので、と早々食事が解禁された。
皆歓談しながら揃うのを待つらしい。
「ところでバーデラさん、それ、何ですか?」
「ついさっき付けろって言われたのよ。おめでとうナッシュ君」
「あ、はい。ありがとうございます。一応言うべきじゃないかもですけど、侯爵様がその眼鏡だと皆気を使って目を背けると思いますよ」
「ですわよね!」
当然だよね。ッとばかりに私は帽子と眼鏡を取り去り投げ捨てる。
「あーっ! せっかく用意したのに!」
おだまりケリーア!
「遅れたか? 急いできたつもりなのだが」
「あ、大丈夫よエレイン、まだキーリとか来てないし」
エレインとマリアネージュ、それと執事のフォルテスさんがやって来る。
ちょっとぉ、マリアネージュもおめでたじゃない!
「あ、分かる? いやー、ようやく幸せがきましたよー。エレインったらこっちから誘わないとダメなんだから。恥ずかしがり屋さんめ」
「う、五月蠅い。全くここまではしたない女だとは思わなかったぞ」
「あら、嫌だった?」
「……コメントは差し控える」
あのエレインが顔を赤らめている、だと!? 意外とこの二人ベストカップルだったみたいね。
「あら? 遅れたかと思いましたがまだ始まってない様子ですわね」
「おー、皆お久しぶりー、はー、久々の娑婆の空気うまー」
デリーラさんが鎖を持って現れた。
鎖に繋がっているのはビル君の首輪である。首輪、である。
相変わらずヤンデレしてるわね。
「あ、一応言っておきますけど不用意に私のビルに話しかけてはダメですよ」
「あー、男性陣も、すまんが下手に話しかけると刺されるから俺は無視しといてくれ。ったく覚悟は決めたがほぼ監禁はそろそろやめてくれよデリーラ、俺も外歩きたいよ」
「ダメですビル様! もし外を歩いてどこの馬の骨ともわからない女がビル様の笑顔にころっとやられたらどうするんですか、私を犯罪者にするつもりですか!」
すでに監禁罪で犯罪者です。ありがとうございます。
「もう、皆集まってるみたいだね」
「だから言ったじゃない。キーリなんか待たなくてもいいから行きましょうって」
「そんな殺生な、ちょっと世界一周しとって遅れただけやんかー」
ようやく来たか問題児ども。
さぁ、同窓会、始めましょうか!




