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1936/1986

後日談:ナッシュ、落とし前

SIDE:ナッシュ


「さて、申し開きはあるかな、ケーニス」


 本日、ようやくアルケーニス本社がしっかりと稼働し始めたので、僕らは各組員の論功褒賞を行っていた。

 その中で、ケーニスだけ一切戦闘に参加していなかったことが浮き彫りになったのだ。

 何をしてやがったんだろう、この老紳士。


「申し開きも何も、神の誕生を生誕地より、見ておりました」


 これだよ。

 

「ケーニス、お前なぁ……」


「アルケー嬢、私めとの契約は覚えておいでですかな?」


「え、契約とかしてたの!?」


「こいつがアルケーニスに来るときにな。だいぶ前だが、あー。なんだったか? 確か、自分の趣味を最優先、だったかな」


 ああ。なるほど。


「つまり、今回の戦争に参加しなかったのも自分の趣味最優先だった、と」


「はい!」


 めちゃくちゃ嬉しそうに言うじゃん。

 まぁ話を聞くに、ロゼッタさんが神に成る瞬間を見届けるためだったらしいし、分かるのは分かるんだけど、僕らはかなり被害を出して戦ってただけに、彼の参戦があればもう少し楽になれたのでは、と思わざるを得ないのだ。

 現に、古参組や中堅の組員からはあの歯茎野郎放逐してください。とかなりの声が出ている。


 さすがにアルケーであってもこの声をむげにできなくなりつつあるのだ。

 と、いうことを僕からケーニスさんに伝えてみる。

 僕としても、元気づけてくれたこの人には感謝こそあれ疎ましく思う気持ちはみじんもないんだ。


「なので、僕としては少し位を落として他国の支社を任せたいと……」


「いえいえ。御心配には及びませぬ。今宵素晴らしいものを見て私めはもはや胸いっぱい。この世界に居る必要性ももはやなし。よって職を辞したく思います」


「はあ!? クソジジイ、テメェ、オレの組織抜けるってことがどういうことか理解してんのか? 若手の暗殺者に常に狙われ続けるってことだぜ?」


「ふふ、くふふ、ハッハァ―ッ!! っと、失敬。問題ございませんとも、もはやこの世界に居る意味もなくなりましたゆえ。しばしロゼッタ様の元で同じ神として行動いたしたく」


「は?」


「あー。そういう感じなのかぁ。じゃあケーニスさん、伝言お願いしていいです?」


「おお、さすがはナッシュ殿、荒唐無稽と断せず理解してくださいましたか!」


 ロゼッタさんと知り合ってからいろんなこと体験したからなぁ。

 この人が別の神とか言われても全然不思議に思えないや。


「おおい、ナッシュ、こんな薄気味悪いジジイのことを信じるのか!?」


「僕はケーニスさんのこと嫌ってないし、僕がここにいるのもロゼッタさんの仕込みだろうけどケーニスさんのおかげだからね。だから、人生の先輩として、貴方を尊敬してるんだ」


「ぬっはぁー、このジジイめをそれほど買っていただけているとはまさに恐悦至極。して、伝言は何を?」


「ああうん、僕を、ここまで導いてくれてありがとう、と。あの人には、本当に感謝してもしたりませんから。正直言えば、最後にもう一度会って話をしたかったですけどね」


「仕方ありますまい。生身の神が下界に降臨するには下界の容量が少なすぎるのです。今回も崩壊ぎりぎりで保ちましたが、神同士の激突など愚の骨頂。この世界が崩壊しうる可能性は常にありましたからなぁ、いやー、奴が強化兵と化した時にはひやひやしましたぞ」


 えぇ、この世界崩壊危機だったとかそんな新事実知りたくなかったんだけど。

 ま、まぁ結果的には問題なかったから良かったと思うべきか。

 

「どうせなら知り合い回ってロゼッタさんへの伝言集める?」


「そんなものはいりません。私はそこまで皆さんと知り合いでもありませんしな、その辺りはババァの領分でございましょう。では、私めはこれにて失敬。もう、二度と会うこともないでしょう」


「そうか。寂しくなるね」


「ダーリン、さすがにそれはない。ええい、ナッシュがこのように言っておるがオレはお前のこと神だとか認めたりはせん。マギアクロフト支部の、いや、ロゼッタ神教国の支部長はお前用に空けておくからな!」


「ほっ?」


 一瞬呆けた顔をしたケーニス。

 しかし次の瞬間歯茎を見せて盛大に笑いだす。


「このケーニス、そこまで信頼されていたとは!! 良いでしょう、時間はかかりましょうがロゼッタ様と共にならば戻ることもあるやもしれません。100年は空席になり、それでもいいというのならば!!」


「ほぉぅ、だとよナッシュ。オレとお前で100年は組織を持たせろと言ってきたぞ」


「えぇ、さすがに100年は死んじゃうかなぁ?」


「構わん構わん。意志さえあれば問題ない。オレがお前の遺伝子を後世まで伝えてやるさ。ケーニスには息子か孫が相対するだろ」


「ハッハァ―ッ、そりゃあ楽しみですなぁ。このあばず……おっと失敬、頭首様のお孫様の顔、楽しみにしておりますぞーっ」


「テメェ、死ねぇ!!」


 即座に動いたアルケー。魔法弾を投げ飛ばすが、ケーニスは華麗なステップで避けて部屋から去って行った。

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― 新着の感想 ―
やりたい放題だなあケーニス(大爆笑) 指差して笑ってやんよアルケーさんwww
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