1911話、ガレフ、ナゲキノカルマ終戦
SIDE:ガレフ
「ヒィヤッハァァァ―――――ッ!!」
なぁんだぁ、あれ?
「なんか随分と悪人面増えたな」
「あー、アレ、確かロゼ姉様の組織らしいぞ。いつ来たんだ?」
パステルは知ってるのか。あー、でもなんか聞き覚えあるな。
なんだっけ、トリアタマオオスギだっけ?
「トリーアンダフィリエスだよオッサン!」
誰がオッサンだ。俺は……オッサンだな。
俺の呟きを聞きつけたモヒカンヘッドがこちらにわざわざやってきて訂正してくる。
「そこは魔王だと言ったらいいんじゃないですか兄さん」
それもそうか。というかモーリーはパステルの弟だから俺が兄になるのか。義理つけなくていいの?
まぁいいか。
「んで、その鳥頭というかトサカ頭は今までどこに居たんだ?」
「だぁからトリーアンダフィリエスだっつの。俺らはライオネル兵のパンダフたちと合同で補給路の断絶に駆り出されてたんだ。つかなんだよあの強化兵の数! 俺らで相手になるような数じゃなかったっつの。あえなく全滅っちまったぜ」
そりゃご愁傷様。ってことは今まで死んでたのがお嬢の奇跡で復活できたってことか。
それで強化兵の群れが途切れてたからこっちの戦場に助っ人参戦しに来た、と。
「つか、なんかもう終わり際じゃね? せっかく来たのによぉ」
「リズリンドの嬢ちゃんがはっちゃけたからなぁ。アイツ一人で巨大型以上駆逐しちまったくらいの働きだぜ?」
「マジかよ!? ウチの姐さん並みにやべぇのがここにもいんのか……」
「まぁお嬢由来の戦術持ちだからなぁ、俺らとそう変わらん戦力だし」
「ヒャハハ、そりゃすげぇ。んじゃまおこぼれもらいにいってくっぜぇ」
おこぼれ貰いというか、小型強化兵の駆逐に行くみたいだな。
どうせもう残ってるのは小型ばかりだし。ああいや、たまに中型が紛れてるけど、この戦力差なら大した違いにはならんだろ。
「しかし、残念だったわねパステルさん」
「む。何がだ?」
キリハとかいう一つ目魔王が気安く尋ねてくる。
この娘はお嬢子飼いの魔王だからパステルと似たような間柄だ。おそらくその関係で気安く声を掛けてるんだろう。
パステルも気を使わなくていい相手だと分かっているのか返答に険がない。
「ガレフさんと二人きりでダンジョン生活できなくて」
「ふっ、なぁに今まで通りの生活が待っていると思えば問題はない。それよりお前はどうなんだキリハ? 浮いた話位そろそろ出してみたらどうだ?」
「良い相手がいないんですよねぇ。魔族の男性、と考えるとプライダル商店のメンバーの方が優秀だし結婚相手としてもすぐれてるし。ライオネル兵から私も引っ張ってこようかな?」
「若いのとか狙いめじゃないか? あとウチのモーリーはどうだ?」
「お、お姉ちゃん!?」
「さすがに他国の魔王の弟を娶るのは、んー、それはそれで、アリかな?」
「ええぇ!?」
「あそこのツーブロックでいいんじゃねぇか?」
「トリーアンダフィリエスの組員はちょっと」
あいつら確か犯罪者集団だっけか。そりゃあ確かにいらんわな。
「おーい、ガレフ、暇してんならこっちの処理手伝ってくれ」
「おー、ネイサン了解」
しかし、さすがに魔王国が集結しているからか、ナゲキノカルマ周辺の殲滅力は他国とはけた違いだな。
いやまぁ、どこぞの宇宙外生命体が無双してる場所は別として。
何だよアレ、頭上から光走るたびに地面爆散してんじゃん。耕してんのかと思うくらいにフカフカな地面になってんぞ。
「そういやワクリャはどうなの?」
パステル、それは聞いてやるな!? あいつお前一筋だったんだぞ。
「ん? ああ、俺は結婚前提に付き合い始めてる。なんか振られた者同士馬が合ったというか、な」
なんだよ次の恋見つけてたのか。そりゃ盛大に祝福しねぇとな。
どこの誰だ?
「アンデルターク伯爵家の四女だ。今はどちらで過ごそうか相談してるところ、だな」
「そうか。別に我が領地でなくとも構わんぞ。お前の好きに生きろ」
「あり、パステル護衛のワクリャ手放すのか?」
「私としても思うところはあるからな。ワクリャは幸せになるべきだ」
ああ、ワクリャがお前のこと好きだったけど諦めたことちゃんと理解して入るんだな。
「おーい、ガレフー?」
「わかったわかった。んじゃパステル、こっちは任せる。俺はネイサンのお手伝いだ」
「了解。怪我するでないぞ」
「お前こそ」
「バカップルだ……」
別れ際に抱きしめ合って、俺たちは別の区画で掃討を始めるのだった。
それにしてもこいつら最後まであきらめないんだな。
というか最初になされた命令を愚直に守ってる感じか。いっそ哀れだねぇ。
さっさと楽にしてやるから纏めてかかってきやがれ!




