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1925/1986

1910話、ヘロテス、ヘルツヴァルデ終戦

SIDE:ヘロテス


 ―― 助っ人来た ――


 それが唐突に現れたのは、俺たちが再び動き出した強化兵たちと激突してしばらくした時だった。

 空から隕石の如く突撃して来たソレは、強化兵たちの群れに突っ込み大爆散。

 数多の強化兵を吹き飛ばし、血飛沫舞う戦場に、ゆらりと飛翔した。


 呪いの市松人形。

 お嬢が呪物なのに気に入ったらしくて持って帰った特級呪物である。

 いや、アレを助っ人に呼ぶってどうなのお嬢!?


 あ、目が光った。

 ぎゅるんっと頭が360度高速回転。

 眼から発射された光が強化兵たちを上下に引き裂く。


 さらに首が回転しながら浮かび上がり、目と口から光を放って強化兵を駆逐していく。

 恐怖しかねぇよ!?

 しかも体の部分まで勝手に動き出したし。


 何で突撃で小型兵に風穴開けれるの!? アレ普通の人形だったよな?

 なんなのあの威力。俺らでも普通に苦戦しそうな威力なんだけど!?


「お、おいアルベール」


「聞くなヘロテス。ありゃ助っ人だ。それ以外の説明は要らない。そうだろ?」


「……そう、だな」


 皆、何かを察したようでアレには近づかないようになった。

 おそらく近づいたら巻き添え食らうとかそういう理由よりもただ単に怖いから近づきたくない、という理由が一番だろう。


「他の国にも助っ人が現れてるらしい」


「いや、一番いらない時期だろ。もうちょっと前なら重宝しただろうけど、掃討速度が上がるくらいだぞ?」


「まぁそういうなって。しかし、殲滅速度は凄いな」


 瞬く間に残っていた巨大型と大型が駆逐されていく。

 超巨大相手にはさすがに口から怪光線だけでは対処できないようで、あっちはよろしく、と言われてしまった。

 まぁ中間の敵を駆逐してくれればそちらに手を取られているメンバーが超巨大型を相手に出来るから問題はないのだが。


「おー、市松ちゃんじゃないですか。助っ人? 派手に暴れちゃってください」


 おいおい、プレッツィル王は市松ちゃん呼びで親しそうだな。

 まぁお嬢付きでしっかりと訓練してたし、丁度市松ちゃんがいた時期だものなぁ。

 そりゃあ仲がいいか。


 俺らライオネル兵でもちょっと恐怖覚えてて近づこうとしない奴だっているくらいなのに。

 うひぃ、体だけこっちきた!?


 ―― ここら辺掃討完了、次どこがいい? ――


「あ、じゃあ俺らの手が回ってない南側お願いします」


「あっちにはムンガスやオステールがいるので……」


 ―― その名前はわからない ――


「じゃあツイテルとプリムローズ夫妻で」


 ―― 了。彼女らに指示仰ぐ ――


 仰ぐのはいいんだが、その体で向かったら悲鳴が上がるんじゃないか?

 というかプリムローズに爆撃されるのでは?


 と、思ったのだが、伝える前に去って行ってしまった。

 そしてしばし、南側から凄い悲鳴と爆音が響いて来た。

 うん、連続爆撃だ。これは市松ちゃんが逃げ回ってるな。


 ―― 問答無用で爆撃された。ひどい ――


 そりゃそんな姿で近づくから。

 ツイテル、助っ人に攻撃させないようプリムローズに言っとけ。

 念話で連絡すると謝ってはきたものの、プリムローズが話を聞いてくれなかったそうだ。

 よほど嫌だったんだな。ホラーは苦手かプリムローズ。


 ―― 悔しいから他の地域で暴れてくる ――


「味方は巻き込まないでくれよ」


 ―― 善処しよう ――


 大丈夫かあいつ。

 

「放置しておけば勝手に敵を屠ってくれる自動迎撃人形だ。俺らは目の前の小型兵を駆逐していこうか」


「ん? ああ、もう超巨大型も大型も居なくなったのか。随分とあっさりだな」


「追加がなくなったのと助っ人のおかげだ。あの人形だけで大型巨大型が軒並み駆逐されたからな」


「意外と、というか俺らより優秀では?」


「そうなんだよなぁ。最初の戦争の時から居てくれりゃ、一度目の敗北も経験しなかったかもしれねぇんだが……」


「でも、結局死者は多数に昇っただろうな」


 そう考えれば、今助っ人に来て再びの死者が出ない方が結果的には良いのだろう。

 敵の数もかなり減って来たし、ここで無駄な犠牲者が出ない方がいい。

 彼女が頑張ってくれるならお任せしてしまおう。

 その分俺たちは死人が出ないよう周囲に気を配ればいいからな。

 念話で皆に伝えておくか。巻き添えで死んだりするんじゃないぞ。


「ここまで来ると油断と慢心が出てくるな。気を引き締めるよう告げても小型相手だからと気を抜く奴が出てくるぞ」


「そう来るだろうと思ってな。演説を予定してある」


「お、マジか!」


「ああ。んじゃこれ、ヘロテス読んでくれ」


「俺が演説すんのかよ!?」


 お前、なんで俺なの!? 自分が読めばいいじゃん、大将だから? そこ問題じゃないよな!?

 ああもう、分かった! やってやるよ! そのかわり、次の演説お前やれよ、勝利宣言になるか他の演説かはわからんが。

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― 新着の感想 ―
 様子のおかしい市松人形が飛び回ってるだけで怖いわ。今更だけど。
首なしの市松人形が飛んで来たらそりゃ怖がるんだよ。
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