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1920/1986

1905話、ロゼッタ、最後の使徒

「嫌だ。私はまだ、まだ世界の神でいたいんだ。能力封印はっ、封印は嫌だっ」


 必死に逃げる兄神。

 しかし、私が転移で目の前に現れると、すぐさま踵を返してアルセデアルの元へと逃げていく。

 いや、楽な追い込み漁なんだよ。


 はいよっと捕まえた。

 背後に転移しての肩ポン。

 諦めるか、と思えば必死に振り払い、軽く肩ポンしてただけの私から再び逃げる。


「た、助け、助けろ! 助けろヨーデリヒ!!」


 兄神が叫んだ瞬間だった。

 地面から光が溢れ出し、ソレがせり上がる様にして現れる。

 凶悪な、いや、醜悪な肉塊と化したヨーデリヒと思しき顔がある生物だった。


「あらまぁ随分とイメチェンしたねぇヨーデリヒ」


「く、カカ。お前は神ニなってモ変わらンな」


 今更下位存在であるヨーデリヒが現れても、とは思うんだけど。


「ヨーデリヒ、強化するぞ。ふ、はは。覚悟しろロゼッタ・ベルングシュタット! この強化型ヨーデリヒならば神であろうとも殺せるぞ!!」


 う、うーん。確かに攻撃はダメージ受けそうだから殺せなくはないだろうけど、上位存在と下位存在には越えられない壁というものがあるの、貴方も上位存在なら分かるよね?


「死ネぇ!!」


 強化されたヨーデリヒが飛びかかって来る。

 当然反撃を、と思った私とヨーデリヒの間に誰かが飛び入る。

 剣撃が響き、ヨーデリヒが跳ね返された。


「あ……」


「今度こそ、間に合った!」


 私に背を向け、ヨーデリヒと対峙する一人の男性。

 まさかの存在に思わず声が漏れる。


「リオネル、様?」


「やっぱり無事だったねロゼッタ。神への昇格おめでとう。それと……ヨーデリヒは任された!」


 え? あの、ちょっと?

 私を守る様に剣を構えたリオネル様。ヨーデリヒを相手に切りかかる。

 あの、ヨーデリヒ程度なら撃退出来るんだけど……


「ロゼッタ、そこは大人しく守られておく場面でしょう。全く乙女心というものをどこに置いてきたのやら」


「主はーんっ」


 リオネル様に遅れ、私の後ろへとやって来るロゼ、そして飛びかかる様に抱き着いて来たキーリ。

 ほらキーリ、まだ兄神さん追い詰めてる段階だから離れて離れて。


「アレを捕獲すればいいの? さっさとしなさいロゼッタ。窮鼠猫を噛む、でしょ?」


 それもそうだ。

 あまり長引かせて変なピンチ呼び込まれても困る。

 ここは確かにリオネル様にヨーデリヒをお任せして私はちゃちゃっと兄神を神々の居る場所へと送り込もう。

 やり方は既に知っている。神に昇格した時に神界への行き方と送り方を理解した。


「く、はは、結局お前と戦うコトになっタな!」


「きっと、レベルカンストのままなら僕は戦いにすらならなかっただろう。でも、今なら戦える!」


 リオネル様もレベルキャップ無くした段階で一気にレベルアップしていた。

 おそらく今のレベルだと14000くらいだろうか? 随分と経験値貯めてたんだなぁ。

 それにしても、ヨーデリヒはいつ人間を止めたんだろう?


 攻撃方法が肉を鞭状に撓らせて相手を寸断しようとしてくる方法になっている、

 無数の触手が乱れ舞い、リオネル様の剣とかち合い弾かれている。

 この連撃相手に剣一本で戦えてるリオネル様も凄いけど、やっぱり手数が足りない。


「大丈夫。ブーストがまだ残ってる!」


 あ、その状態からまだ肉体強化できるんだ。

 凄い、一気に触手が千切れ飛んだ。

 うん、これだったらリオネル様にお任せしてもよさそうだ。

 ヤバそうならロゼとキーリがフォローに入るだろうし。


「さて、もう逃げ場ないんだよ。兄神さんよ、そろそろ諦めたら?」


「ま、まだ、まだ我が眷属いるんだ! ペルグリッド!!」


 彼女まで呼ぶのか、もはやなりふり構っていられないってことね。

 でも、分かってる?

 確かに彼女の生き汚さともいうべき主人公特性は、こういう時こそ真価を発揮するでしょう。

 追い詰められれば追い詰められるほどに彼女は輝き始めるのだ。


 でも、それも結局は下位存在のみでの出来事。

 今の私にとって彼女は脅威足り得ない。

 そればかりか……


 あらわれたのはロッキングチェアに身を沈めた、身重の女性だった。

 ちょっとロゼさんや? ペルグリッド妊娠してるんですが!? 誰の子!?


「あの神の子だって。そのせいで十月十日を待たずにあの状態らしいわよ」


「へー、で、ペルグリッド、どうする?」


「んー? いきなり呼ばれてよくわからないけれど、この状況を察するに、神様負けそうなのね?」


「ま、負けたわけではない! お前ならばロゼッタに一泡吹かせられるだろう!!」


「確かに、ロゼッタと敵対すればそうなのでしょうね。でも神様? 私がロゼッタと敵対する必要、ありまして?」


「な、なに?」


「ねぇロゼッタ? 貴女は私の敵かしら?」


「ペルグリッドが敵対するなら敵かなぁ」


「では敵対する必要がないのだから敵じゃないわね。そういうことなので自力で何とかしてくださいまし」


 ペルグリッドってこういう奴なんだよね。相手の男が勢いづいてる時は寄り添って、落ち目になったらさっさと切り捨てる。これが生き汚いペルグリッドクオリティ。自分さえよければ他者なんてどうでもいい、の典型的タイプなんだよ。子供という目的も終えたし、後はもう不要だったんだろうね。


 まさかの裏切りに兄神さんは力なく膝をつく。

 下位存在に切り捨てられるとか、思ってなかったんだろうなぁ。ざまぁ?

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― 新着の感想 ―
ペルグリッドさんご懐妊おめでとう(?)なんだよ。
ラスボスの「助けて!」を断るとは、よっぽどラスボスの格として上やんペル姉www 「助けて!」やってる兄神様の株どんだけ下がるねんwww
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